王国より愛をこめて4
魔導とは、スキル、つまり能力の魔力版です。
魔導を極めれば固有能力を得ることもできます。
そのかわり、習得には大いなる代償がつきます。
つまり……?
「うんしょっと。」
重いなこれ。なんだろ。
とりあえず横に置いてっと。
「にこにこ。」
う~ん。
どうしよ。コレ。
また膝の上にあるなぁ〜。
「ねぇえ〜?旦那様ぁ〜?」
にっこりさん怖いよもう。
「なぁに〜?重いから降りてくれるぅ?」
ホントに重いよぉおお!
何で乗ってくんの?
俺椅子座ってまったりしたいのにぃぃい。
「やぁだ。」
あぁ~。ヤダかぁ〜。
もう可愛いなぁもう。
しょうがなぁい。
あともうちょっとだけだからねほんとに。
今すぐ逃げたいんだからね。
とは言いながらも。自然と表情がほころんでくる。
――
ほんのちょっぴり空いた扉から、王とギドラが覗いている。
「なぁ、ギドラよ。もしかしなくともコレは良い感じ、というヤツなのではないか?」
「えぇ。その通りで。蜜月ですなぁ。」
声を漏らさぬよう息を殺して笑う二人。
その顔は、安心しきったようで、それでいて少し寂しげで。とてもしあわせそうで。
部屋の中の二人は膝に座ることと降ろす事に夢中で覗いている二人に気付くことは無かった……。
ーーーーーー
「と、いうわけで。
戦闘訓練を行いたいと思う。」
だだっ広いコロシアムのような会場。(なんで城の中に?)で、俺は、宣言する。
いやだって、部屋にいると一生付きまとわれるもん!しょうがないよね。
「いやまぁ、ちょっとはこの国に恩返ししたいっていうのもあるんだけどね?」
うん。念のため確認だ。小声で。
「フハハハハ!国を作った英雄ぞ!?鍛えてもらおうとせぬ馬鹿者がどこにおる?!」
ギドラぁ……。テンション高いなぁ。
このコロシアム。どのぐらいかというと、結構でかい。
ていうかとてつもなく広い。
俺の故郷何個分だこれ。
そう。
今俺の目の前には、総勢1万の兵士がずらっとならんでいるのだ。
ことの顛末はこう。
どうにか逃げ出せないか考えた俺が、ちょっと頑張って王に相談。
さすがに王の前だとかしこまるようで、にっこりさんは退散した。
すると、王が、
{どうせだったら訓練所に顔を出してみたらどうだ?
あそこは訓練兵か騎士しかはいれないはずだ。}
と救いの手を差し伸べてくれた。
そう、これは国のため。
この王国のため。
ぼくは、正義だ。
しかたないんだ。きっと。
というわけで、
「一人ひとりするのは時間かかるから、みんな一緒に相手しようか?」
そう。全体としての質はいいんだろうけど、教育が行き届いてなさそう。
俺なら3秒で片付く。
来れる人だけ集まったって言っても、結局は王国騎士。
訓練兵でも強くなけりゃあ始まらない。
「がっはっはっは!さすがに無理があるだろう、そんなのは。」
「え?」
「なんだ?」ギドラが不思議そうな顔をしている。
「なるほど。了承した。」おぉ。さすがギドラ。
理解が早くて助かる。
「総員ッ!!!戦闘態勢ッ!!!!!!!」
「「「ハッ!!!!!!」」」
なかなか壮観だなぁ。
ギドラの号令で一万の兵がほとんど同時にへんじをする。
もう戦闘態勢に入っている。
「ねえねぇ、ギドラぁ?
もう行っていいぃ??」
待ちきれないぜ。
「はじめッ!!」
同時、全身に力を籠める。
魔導【竜戦士の気迫】。 起動。
瞬間、地面を蹴る。 音を、追い抜く。
この衝撃波も耐えられないやつは相手にしなくていい。
残り、100人。
ぎゅっと握ったこぶしが、爆ぜる。
魔導【衝撃】。 起動。
そのまま、こぶしを前に振りぬく。
光と同じ速さの衝撃を生み出す。
上に自分がうちあがる。
残り、ひとり。
意外だ。
あれに耐えれるなんて。
落下、と同時に。
魔導【見紛うほどの】 起動。
鎧の上から、殴る。
残り、ぜろ。
「フハハハハッ!!わしのことも忘れてしまっては困るのぉおおお!!!!!」
訂正。
残り、ひとり。
魔導【インパクトコンバート】。 起動。
初撃の衝撃を防ぐ。
で、そのまま腕をつかむっ!!
いいいいいよいしょっ!!!!!
消えた!
そうだ。ギドラ消えれるんだった。
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それじゃあ。
言った言葉は同じだった。
「来い!!俺の武器!!魔導【収納】! 起動!!」
さすがに詠唱はさんだ方が時短だ。
「わしの武器!!魔導【収納】ッ! 起動ッ!!」
ーーーーー
つぎの瞬間。
俺の手には巨大な刃だけのような武器が握られていて、
ギドラは地面に倒れていた。
魔導の限界を突破したら能力になる。ということ。
アームスガルドの場合、
全身を巡る力を単純に1.2倍にする
魔導【竜戦士の気迫】 というぶっ壊れ性能
に、
魔力を限界突破してつぎ込むことで
固有能力《全身全霊》
になったということ。




