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すぴーどすた~☆ ~近衛学園初等部女子フットサル部~  作者: 四季 雅
第1章 ☆チーム結成編!☆
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☆②─33話 ユア・ライバル



 火曜日。今日はフットサル部の練習がある日だ。

 その時間まであともう少し。今は昼休みだ。練習を楽しみにしながら昼食へ。



「おい白戸。飯行くぞ」


「なんであんたとご飯食べることが当たり前になってんの」



 はいはい。いつもの心底嫌そうな顔いただきました。最近はこれ見るのがノルマみたいになってるよ。デイリーミッションクリアだ。


 それでも盛大な溜息と共についてきてくれる白戸。

 詩織が戻ってくることが決まったんだ。今日くらい飯に付き合ってくれないとな。



 俺は食堂でランチを受け取り、白戸は弁当持参。そして適当な席で正面に向かい合うようにして座る。


 そこに……




「あの……隣いい、かな?」




 俺と同じ図書委員会に所属している綾瀬秋乃だ。

 彼女は俺の横に座った。白戸は目を見開いてポカンとしている。


「あ……桜庭くんと同じ委員会の綾瀬秋乃です。白戸さんよろしくね」


「はぁ……よろしく」


 俺と同じ陰キャの白戸は返事が素っ気ない。はー、これだからこいつは。俺も人のこと言えないけど。


 前に綾瀬から白戸と仲良くなりたいとの話を受けていた。というわけで俺が白戸を食堂に誘うから一緒にご飯を食べようという話になったのだ。


 綾瀬は白戸と仲良くなれるきっかけができる。俺は綾瀬と一緒にご飯を食べられる。お互いが得をしているわけだ。



 しかし、それを白戸がどことなく察したのか、ギロリとこっちを睨んでくる。こわぁ……ごめんなさいやっぱりもう帰っていいですか……



 こいつがこんな調子なので綾瀬も困っている。可哀想だ。仕方ない。ここは俺が助け船を出してやるとするかっ!



「ほ、ほら! 白戸も仲良くしてやってくれ。前にも言っただろ? お前と綾瀬は初等部の頃に接点があるらしいって!」


「うるさい」


 はい。調子乗ってすみませんでした。もう喋りません。


 だが、一瞬で沈められた俺の助け舟が綾瀬に一歩進む勇気を与えた。上着のポケットからハンカチを取り出す。


「このハンカチ……お母さんから貰った物なの。昔これを失くしちゃった時に白戸さんが探してくれたのがすごく嬉しかったの」


「……そんなことあったような」


 そうそう。えぇ話やぁ……と思えば白戸は相変わらずどうでもよさそうな様子。お前そういうところだぞ。




「だから……わ、私とお友達になってくださいっ!!!!」




 おお言い切った!……のだが、ちょっと声が大きい。周りがなんだなんだとこちらを見ている。

 それにはさすがに白戸も恥ずかしいと思っているのか綺麗な顔を(にが)そうに歪ませていた。


 周りがギャラリーとなって注目している中、白戸は……





「よくわかんないけど……あ、あたしでいいなら」




 この状況で「嫌です」なんて断ることは無理だろうが……もしかすると白戸の中にもちょっとは友達を作ろうとする気持ちがあったのかもしれない。白戸はゆっくりとだが……綾瀬の手を取った。


 俺と、ギャラリーになっていた生徒は皆でパチパチと拍手して2人を祝福する。白戸はめちゃくちゃ嫌そうな顔をしていた。


 だが、これで綾瀬も気になっていた白戸と友達としての一歩を踏み切ることができたんだ。俺としてもいつも白戸と2人なのは精神が辛いので助かる。



 俺と白戸のぼっち仲間に綾瀬が入って3人グループとなった。高校生活の方も一歩前進だ。



 ……この後、初等部の体育館へ行く途中。綾瀬と仲良くさせるために食堂に誘ったことを追求されてその罰として昼食代を強奪されるとはこの時の俺は知る由もなかった。



 いやぁ~友達っていいなぁクソ!!!!




   ☆




「迷惑かけたわね」


 学校が終わり部活の時間。体育館に集結した我がフットサル部のメンバー。

 新メンバーである凪を含めた5人に、今回からやっと詩織が復活。これで6人に戻った。



「詩織が戻ってきて良かったぁ……!」


「しおりがいない間にめっちゃレベルアップしたからなー!」


「しおり、おかえり」


「心配しましたよ詩織さん」


「まったく。私のおにぃに手かけさせないでよ」



 うんうん。あんなことがあったけど皆もちゃんと受け入れてくれてる。良かった良かった。



「ちなみにだがお前1回退部したから新入部員扱いだぞ。6人目のメンバーだ」


「あら。じゃあ雑用から始めた方がいいかしら?」


「喜べ。うちは部員が少ないからな。詩織、お前は即戦力だ」


 俺と詩織はニヤリと笑いあう。心なしかこいつとの息も合ってきたような気がするな。



「うぅ……なんだか楓さんと詩織がすごく仲良くなってる気がします……」



 楓はいつも詩織のことを「宇津木」と苗字で呼んでいたのに、いつの間にか名前で呼んでいるのを聞くと舞依は気になってしまう。凪もそこに気づいてムスーっとしていた。


「よーし。じゃあさっそく練習始めるぞ。まずはいつも通り走るとこからだ」


 俺は号令をかけて練習を始める。

 早くこのチームを全国レベルに押し上げねばならない。大会の日は決して遠くないんだ。楽しく、それでいて厳しく。どんどんこの子たちを強くしていくぞ!


 楓がストップウォッチを取りに行った時、詩織は走る準備をしている舞依のところへ近づいた。



「舞依」


「詩織? どうしたの」



 こんな時になんだろうとキョトンとしている舞依に……





「あたし。絶対負けないから」


「? うん。ポジションは違うけど……私も詩織に負けないっ!」





 舞依は詩織からの宣言にそう応えるが……







「フットサルだけじゃなく、()()()()も……ね」


「へ?……………えぇ!?」





 パチンと詩織がウインクすると、舞依は素っ頓狂な声をあげる。



 楓が「詩織」と名前で呼んでいたこともそうだが、詩織もいつも楓のことを「豚」と酷い呼び名にしていたのに今では「楓」と名前で呼んでいる。それが非常に気になった。




 それに……さっきの言葉。まさか詩織は……!




「楓さん! これはどういうことですか!!」


「は!? な、なに?」



 怒った天使の声と、共に。

 今日もこのフットサル部はまだ見えぬ高みを目指しながら前へと進む。



 これにて「フットサルがやりたいのにそれが言い出せない」「姉と妹」というのがテーマになっていた「凪」と「詩織」のエピソードは終了です。面白かったなら嬉しいです。ご感想あればいつでもどこでもお待ちしてます。


 まだ確定ではありませんが次回は……


 ・「なゆちゃん」こと四井奈夕葉の隠された秘密が明らかになります!


 ・楓がいる高等部が主軸となったエピソードで、様々な個性的なキャラが登場します! ようやく楓にもいっぱい友達が……!?


 ・とうとう東京予選も始まりますが……いきなり崖っぷち大ピンチ!? そんなバカな!?


 ・さらにさらに、超強力なフットサル部「7人目」候補……加入なるか!?


 ってなわけで……かなり忙しかったりもあり遅筆気味な自分ですが、3つ目のエピソードも楽しみにしてくれると嬉しいです。なゆちゃんすっごい可愛いので!! 新しい子も超絶可愛いので!!

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