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すぴーどすた~☆ ~近衛学園初等部女子フットサル部~  作者: 四季 雅
第1章 ☆チーム結成編!☆
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☆③─45話 ファーストステージ2戦目!



 数日後。



 ファーストステージ:東京予選2戦目。



 近衛学園VS村川小学校





「いけ! 最後まで走り切れ!!」



 相手チームの体育館、アウェイの地で体力の限り動く少女らに俺はそれ以上を求めて声援を送る。



 今は5戦ある東京予選の2戦目だ。



 1戦目は朱堂瑠夏というキャプテンが指示を出すことで完璧な攻守を見せる龍泉だったが、



 2戦目の村川小学校はまるで色が違う。



 攻撃的。それはもう超攻撃的だ。

 試合開始の瞬間から壮絶なシュートによる殴り合いが始まった。

 時に点を取って取られてを繰り返し、試合のペースの速さは凄まじかった。



 俺たちは詩織を軸に据えて舞依と亜子の2方向から攻め、なゆちゃんが全体のバランスを気にして動くのを基本ベースにして、交代で入る凪が変化を加える形のチーム。


 詩織が手綱を握ることで攻めるペースをゆっくりにしたり早めたりと出来るまさにベーシックな形だ。




 対する村川小学校はもう全員攻め。さすがにゴレイロは残して、それ以外の4人が攻めるわ攻めるわ。波のように押し寄せてバンバンシュートを打ってくる。交代をガンガン使うことで体力なんて知ったことかで走り回るすごいチームだ。






 ピーッ!!!!



 審判が試合終了を告げる。



 そして、その結果は。












 近衛  5 ─ 7  村川





 惜しくも、届かなかった……!






 序盤は俺たちがなんと3─1とリードを取っていたんだ。これはこれまでの練習の賜物で、自分たちの得意な形で得点出来ていた。



 問題は前半終了間際だった。単純に、体力が尽きたんだ。



 向こうのチームは全員とにかく走り回って攻めてくる。当然そんなプレーにはとんでもない体力が必要だ。それに付き合わされるこっちも体力を多く消費する。



 しかし、ここは俺たちの最大の弱点でもある「メンバーの少なさ」が痛すぎた。向こうは体力に限界がくればすぐに交代して体力満タンの選手が定期的に出てくる。




 だが、こっちはそんなこと出来ない。出来たとしても凪の一回分だけ。40分間フルで戦い抜ける体力自慢の亜子や、ゴレイロでゴール前に固定となる愛実は心配なかったが、舞依、詩織、なゆちゃんは別だ。特に詩織がやばかった。




 詩織は、技術はチームでぶっちぎりで一番だが、スタミナの無さもぶっちぎりで一番なんだ。


 何度も試合のペースを遅くするよう指示を出し、実際実行したが、ひとたび向こうの攻撃になればやはり走らされる羽目に。



 そのせいで俺たち近衛は司令塔を半ば失う形となり、さらにはチームのほとんどがろくに交代させてやれなかったせいで体力が尽き、前半終盤と、後半でなんと6失点するというまさに殴り合いに負けた結果となった。




 俺たちは、ファーストステージで早速2連敗してしまった……





「いやぁ~桜庭くん。惜しかったですなぁ!」


「はは……」



 そうやって話しかけてくるのは村川小学校の監督さん。気持ちのいい笑顔で来るが、内心勝ててひゃっほー! というところだろう。ちくしょう……!



「メンバーが少ないから、遠慮なくそこを突かせてもらったけど、見事にハマったハマった」


「それはもう……言い訳もできませんね。まさにその通り」




 前の龍泉も今日みたいにとにかく走らせる展開に持っていかなかったのが不思議なくらいなのだ。どう足掻いてもこっちの交代要員が一人しかいないのならフィールドとベンチのどっちも慌てさせる展開にすればもう終わり。その簡単な方法が体力消耗だ。



 ずっとぶっ通しで走らされた疲労というのはすぐには抜けない。それが一人休ませるだけで済むのならいいが、第二第三とそれが現れればもう対処のしようがない。




 どっかで突かれるとは思ってたが……やっぱ予選でも全然甘くねぇな全国大会。




 しかも、うちのチームにはまだ問題がある。



 なゆちゃんが絶賛絶不調中だということだ。



 先日の件があり、動きがぎこちない。自分がどう動けばいいかをまるで決めかねているような。迷いが見えるものだった。そうなればうちお得意のチームワークにも一切絡めない。攻撃の手は減るわ、守備も全然協力して守れないわでもうバラバラだった。



 どうやら……まだ慧は彼女の問題を解決に持っていけていないらしい。もちろん簡単じゃないのはわかっているが……まさかここまでひどいものになるとは思っていなかった。





「……そういえば気になったんだが、近衛学園フットサル部ってこれまで公式試合には参加してなかった気が……。 もしかして最近までメンバーが足らなくて出てなかったとか?」




 俺が心の中で今後のことを考えていると、村川の監督さんがそんなことを聞いてきた。




「いや、そもそも学校に部が無くて。始動したのが4月からなんです。一人を除いて全員ほぼ初心者なもんで……」


「………………はい?」



 それを楓の口から聞いた時、村川小学校の監督は表情が強張った。





(そんなバカな……!? 4月……ってことはたった2ヶ月しか練習してないってことか!? それなのに……)




 驚かされたのだ。近衛学園にフットサル部があると初めて知った。蓋を開けてみれば選手たちの基本的な動きやボール捌きは洗練されていて素直に「上手い」と感じた。特にパスに関しては相当練習しているなと思ったほど全員正確だったのだ。



 自分はてっきり公式大会に参加できない人数だっただけで、練習自体は長くやっているのかと思っていた。それこそ、部に入り始めの4年生くらいからずっとだと。




 だが、実際は2ヶ月だって?




(うちのチームは4年から6年の今までみっちり2年間とちょっとやってきてる子がほとんど。それなのに……技術に関しては遜色なかった。いやむしろ基礎に関しては向こうの方が……。それがほとんど初心者だって?)




 この時、勝って余裕だった気持ちが吹き飛び背筋に冷たい汗が流れた。




(近衛学園……桜庭楓……恐ろしいな。戦えたのが未熟な今で本当に良かった。これがあと数ヶ月違えば結果はわからなかったかもしれないな)






「桜庭くん。頑張ってね」



 ポンと向こうの監督さんから背中を叩かれ、なんとも同情されたのかと思ったがそんな感じでもなく。よくわからないのでとりあえず応援されたと取っておくが。




 近衛学園、2連敗……!



ちなみに近衛の5得点の内訳は


1 立花舞依


2 宇津木詩織


3 桜庭凪


4 桜庭凪


5 立花舞依(ゾーン状態)


です

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