第81話:陰謀
俺が部屋に入るとティアーナ達が俺に気が付きそれぞれ声を掛けてくる。
「白夜様! ご無事で良かったです!」
「ご主人様! 心配しました!」
「主っ! 心配したぞ!」
ティアーナ達がそう言いながら近ずいてくるが、ロゼがとてとてと走って来て抱き着いてくる。
ロゼは可愛な。
「すまん。遅くなった」
「白夜様。何故、こんなに遅くなったのですか?」
「実はだな、盗賊団の討伐の依頼を受けたんだが。その盗賊団に所属していた盗賊を全員捕縛したらいろいろと詰め所で聞かれたりしてな。それに、詰め所から出た後に冒険者ギルドで依頼達成の報告をしてから夜ご飯を酒場で食べようと思って酒場で適当に料理を注文して待ってたら、ギルドマスターが来て受けて欲しい依頼があるみたいでその依頼内容とか聞いてその依頼を受ける事を伝えた後に料理が来たから食べてからここに帰ってきたんだよ」
「そうですか。白夜様、受けた依頼とはどのような依頼なのですか?」
「あぁ、なんでも王都の近くの森に淫魔族が居るみたいなんだよ。その淫魔族の討伐か撃退か捕獲だな」
ティアーナ達を見るとビックリしている表情をしていた。
「主。その淫魔族はどれくらいの強さなんだ?」
「弱いみたいだぞ。たぶん」
「主。たぶんとはどう言う事だ?」
「俺も実際に見てないからな。ただ、ギルドマスターが弱いと言っていた」
「そうなのか。主、依頼達成期間はどれくらいなのだ?」
「無いみたいだぞ。まぁ、出来るだけ早く依頼を達成して欲しいみたいだっけど」
「ご主人様。いつ頃に淫魔族を探しに行くんですか?」
「明日からだな。オークションが開催される前に終わらせたいし」
「わかりました。それとご主人様一人で行かれるのですか?」
「いや、誰かと行こうと思う」
「それは、誰か一人ということですか?」
「あぁ、そうだな。ロゼの教育もあるしな」
「そうですか」
「じゃ、俺は風呂を入りに行ってくるから」
「分かりました。ご主人様。私達はもう入りに行ってきましたので、ごゆっくり」
セレーネがそう言うとティアーナ達が集まって何やら話し合いを始めた。
俺はロゼをベッドに降ろし風呂を入りに向かう。
ロゼを降ろす際に嫌がっていたが、粘りに粘ってロゼを降ろすことが出来た。勿論、頭の上に乗っていたスライムもロゼの横に置いた。
風呂屋は近くにあるので直ぐに着くことが出来た。
風呂屋に入りお金を渡し脱衣所に向かう。
脱衣所には数人の男が服を脱いでいるところだった。
俺は特にそっち系では無いので気にせずに服を脱ぐ。
脱ぎ終わったら腕輪にしまいお風呂がある所に向かう。
脱いだ物を腕輪に入れた時に何人か見ていたようで見ていた人達がビックリしていた。
風呂場に着いて身体を洗いお風呂に入る。
風呂はそこそこ広いので泳げるが、他のお客さんに迷惑なので流石に泳ぎたいと思っても泳がない。
のんびりと湯に浸かるとこ三十分。
そろそろ出るか。
俺はそう思い立ち上がり脱衣所に向かう。
ふぅー、気持ち良かった。やっぱり風呂はいいな。でも、出来れば俺専用の風呂とかが欲しいな。一人で鼻歌を歌いながらのんびり入りたいし。
脱衣所に着いたので風属性魔法と火属性魔法を上手く使いドライヤーから出てくる暖かい風を魔法で作り出す。
魔法で作り出した暖かい風を使い身体を乾かす。
ドライヤーより風の威力が強い事もあり直ぐに、身体が乾いたので腕輪から服を出し服を着て脱衣所を出る。
脱衣所から出ると受付をする所は人を待つことが出来るように広く作られており椅子がいくつかある。その椅子の空いている席 椅子に座って少し休憩をする。
数分程、休憩をしてから風呂屋を出る。
風呂屋を出て宿屋に向かう。
何事もなく宿屋に着くことが出来た。
宿屋に着き借りた部屋に向かう。
部屋の前に着いたので扉を開けるとベッドにロゼがちょこんと座っておりロゼの膝の上にスライムが乗っかっているのが見える。
ちょこんと座っていたロゼが俺に気が付く勢いよく立ち上がりとてとてと走って来て抱き着いてくる。
スライムはロゼが急に立ち上がった為にロゼの膝の上から床に転がり落ちてしまった。
転がり落ちてしまったスライムはポヨンポヨンと飛び跳ねてベッドの下に行ってしまう。
そんなスライムの事を少し気にしたが、なんともなさそうだったので大丈夫だと判断してロゼを見る。
うん。ロゼが可愛すぎる。これが親心というものなのだろうか。かなり早い気がするけど。
「ロゼ。ティアーナ達は自分の部屋に戻ったのか?」
俺がロゼにそう言うとロゼはコクリと頷く。
流石に一日じゃあ喋れるようにならないか。出来るだけ早く喋れるようになって欲しいな。
「じゃぁ、ロゼそろそろ寝るか」
ロゼはコクリと頷く。
俺は明かりを消すために部屋を明るくしている魔道具に近ずきボタンを押して明かりを消す。
魔道具の説明はしてもらっていまので明かりの消し方に困ることは無かった。
明かりを消した後、ロゼを抱っこしたままベッドに向かう。
ロゼをベッドに降ろしベッドに転げる。
「おやすみ。ロゼ」
と言い俺は目を閉じて眠りにつく。
白夜が風呂屋に向かってすぐの事。
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「それでは、誰が明日、白夜様と二人っきりで淫魔族を探しに行くかを決めましょうか」
ティアーナが二人っきりを強調して言う。
「ティアーナ。正確には二人っきりでは無いかもしれないぞ」
「どういう事ですか? オリヴィア」
「スライムも着いてくるはずだ」
「そういう事ですか。ですが、ほぼ二人っきりと言っても過言ではないと思います」
「そうだな」
「そうですね」
「では、どのようにして決めるか話し合いましょうか。幸い白夜様はお風呂を入りに行きましたから」
「そう言えば一つ気になることがあるんだが」
「なんですか? オリヴィア」
「なんで主が今回の依頼を引き受けることになったのかが分からない。今回の依頼が魔人族で詳しい種族が分かって居ないのならばまだ分かる。だが、淫魔族と分かっているのなら主では無く高ランクの女性冒険者に任せるべき依頼だと思ってな」
「確かにそうですね。明日にでも聞いてみましょうか」
セレーネとオリヴィアが頷く。
「では、話を戻します。私はくじ引きで良いと思います」
「私もそれでいいと思います」
「私もだ」
「では、早速と言いたいところですが、ここにはありません。なので私達の部屋に戻りましょうか」
「そうですね」
「そうだな」
そう言いティアーナ達は自分達の部屋に向かう。
ロゼはティアーナが話し始めた頃からスライムを膝の上に乗せて抱きついていた。
ティアーナ達が自分達の部屋に戻り早速くじ引きを始めた。
ティアーナ達はそれぞれくじを引く。
結果はセレーネが明日、白夜と二人っきりで淫魔族を探すことが決まった。
ティアーナとオリヴィアは悔しそうな顔をしている。
「明日は~ご主人様と~二人っきり~!」
セレーネは今にも飛び跳ねて喜びそうな勢いだ。
そんなセレーネをティアーナとオリヴィアは悔しそうにしながら見ている。
先程まで喜んでいたセレーネだったが、何かを思ったよで口を開く。
「そう言えば、明日だけで淫魔族が見つかるとは限らない気が」
そうセレーネが声に出したのを聞いてティアーナとオリヴィアがぴくりと反応してティアーナが口を開く。
「そうですね。では明後日は私かオリヴィアが白夜様と二人っきりで淫魔族を探すということでいいですね? セレーネ」
ティアーナが凄い勢いでセレーネに言う。
「は、はい。勿論、いいです」
「では、オリヴィア。これから二人でくじ引きをしますよ!」
「分かった!」
ティアーナとオリヴィアは明後日は誰が白夜と二人っきりで淫魔族を探すかを決める、くじをする。
ティアーナとオリヴィアが同時にくじを引く。
するとティアーナの顔はくじを見た瞬間に絶望したような表情になりオリヴィアはその反対に満面の笑みになる。
「私が明後日だな」
「ティアーナ。そんなに落ち込まないでもいいと思いますよ」
ティアーナが声を掛けてきたセレーネの方を向く。
「二日間で淫魔族が見つかるとは限らないし」
ティアーナは先程の絶望したような表情では無く、いつもの表情に戻る。
「そうですね」
「それでは私は明日の準備をしますね」
セレーネはそう言いティアーナが元に戻ったのを見て明日の準備を始める。
ティアーナとオリヴィアはロゼに明日はどんな事を教えるかの打ち合わせを始める。
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ティアーナ達がそれぞれの準備を始めた頃、王都の近くにある森。
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森の中に数人のがいた。
「おい、ここら辺に居るはずだよな」
「あぁ、確かにこの辺にいるはずだ」
「そもそも、なんで俺達が探さねぇーといけねぇーんだよ。冒険者ギルドに依頼したはずだよな?」
「リーダーが言うには上の事情らしいぞ。出来れば冒険者が見つけて殺すより俺達が先に見つけて捕まえてからオークションで売ろうとしているらしい。まぁ、そもそも、なんで冒険者ギルドに依頼したのかは知らんが」
「そうだよな。なんでなんだ?」
「そんなの分かるわけないだろ。そもそも、俺達みたいな下っ端には分からねぇーよ」
「そもそも、なんで淫魔族なんかが、こんな所に居るんだよ」
「知らねぇー」
「おい! お前達喋らずに探せ!」
男達は淫魔族を探す為に森の中を進んでいく。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
ブックマークと評価していただけるととても嬉しいです。
アドバイスなど、してくれると嬉しいので、アドバイスよろしくお願いします。他にも何かあれば遠慮無くどうぞ。
この作品に良さそうな作品名があれば教えて下さい。もしかすれば、その作品名にするかもしれませんご協力よろしくお願いします。
魔物の名前とかにあまり詳しくありません、なのでなんでもいいので教えてく貰えれば嬉しいです。
これからもこの作品をよろしくお願いします。




