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いずれ魔王になりその先へ  作者: 橘 琥珀
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第56話:オークションについて②

 ダンジョンでの出来事で、オリヴィアが寝ている時にティアーナとセレーネの血を吸っている時にティアーナとセレーネが上げていた声を思い出してしまった。


 思い出してしまったので、更にヤバいことになってしまった。特に俺の下半身がティアーナ達に見られでもしたら不味い。この状況をどうにかしなくてはならない。何かいい方法がないな。ひたすら我慢だ。これ以上にヤバくなったらヤバいからな。ま、今もヤバいんだけど。


 何もしなくても少しずつではあるが理性が無くなって言っている。どうする、俺。自分で慰めようにも両腕をしっかりと抱きしめられているので、動こうにも動けない。それに、もし動けたとしてもこの部屋では出来ない。もし誰かが起きてしまったらと考えると出来ない。まさに八方塞がりだ。


 こういう時こそ何か思いつくはずだ。何か何か無いのか。この状況を打破できる方法はないのか。だ、誰か助けてくれ!


 そう思った時だった。コンコンと扉がノックされ扉の向こうから声が聞こえてくる。


「白夜様。白夜様にお客様がお見えになっております」


 聞こえてきた声は女性の従業員の声だった。


 声が扉越しでも聞こえるように少し大きめに言っていたためにティアーナ達が起きてくれた。


 ティアーナ達が起きたのを見て助かったと思った。ティアーナとセレーネが身体を起こしたので俺の両腕が解放され自由になったのですぐに、ベットから出て扉に向かう。


 扉を開ける。


「俺に客って誰ですか?」


「奴隷商館の人だと言っていました」


「そうですか」


「ここに連れてきてもよろしいですか?」


 俺は部屋の中を見る。


 部屋に見られては不味そうなものが無いのを確認してこの部屋に連れてきてもいいことを伝える。


 俺が部屋に連れてきていいことを伝えると女性は奴隷商館の人を呼びに行く。


 女性が奴隷商館の人を呼びに行ったのを確認して俺は扉を閉める。


 ティアーナ達に向かって俺は口を開く。


「これから奴隷商館の人が来るからな」


 俺はそう言うとティアーナ達は若干寝ぼけながらもコクリと頷く。その後にティアーナ達は先程まで寝ていた事もあり着ている服が少しはだけていたのでそれを直している。


 そう言えば何で奴隷商館の人が来るんだ? なんか言い忘れていたことでもあったのかな。ま、もうすぐなんで来たのか分かるしいいか。


 そんなことを考えていると扉がノックされる。


「お客様をお連れしました」


 俺はチラリとティアーナ達を見る。先程まで少しはだけていたが今ははだけていないのを確認して返事をする。


「はい。入って下さい」


 俺がそう言うと扉を開き男が入って来る。その男は奴隷商館で話した男だった。


 男が入ると同時に宿の従業員と思われる男が椅子を二つ部屋に置いて行く。


「申し訳ありません。白夜様に伝え忘れていたことがありまして。それと少し伝えておいた方がいい情報を先程入手しまして」


「そうですか。話は座ってからにしましょう」


 俺と男は従業員の男が持ってきた椅子に座り話し始める。


「まず話し忘れたことはオークションに参加する者は皆、仮面を付けるのです。なので仮面の用意をしておいて下さい。入手した情報ですが今回のオークションで面白い指輪がオークションに出品されるらしいです。その指輪は何でもハーレムの指輪と言うらしいですよ。正確な名前は分かりませんし少ししか能力なども分かりませんが。この指輪の能力を把握している者はいないと思います。それに、ハーレムの指輪は世界に一つしかないと言われていますが誰も欲しがらないと思いますよ。何故なら指輪を付けた場合その者のハーレムメンバーと呼びましょうか。そのハーレムメンバーが本当に指輪を付けている者のことが心の底から好きであれば一人につき一つだけ同じ指輪が出来ます。その指輪はその者以外が付けることは出来ませんしその者が死んだ場合その指輪は消えます。過去に指輪を付けたものはハーレムを作っていました。ですが、誰一人として心の底から好きという人が居なかったらしいです。それに、絶望した為に自殺をしたらしいですよ。同じようなことが過去何度もあったらしいので欲しがる人は居ないかもしれません。居たとしても少ないでしょう」


 へぇー、ハーレムの指輪か出来たら欲しいな。でもなんか呪いとか掛かっていそうだけど。そういう物もあるのかますますオークションが楽しみになってきたな。それと男が最後にニヤリと少し笑った気がした。


 白夜は気が付いていなかったがティアーナ達がハーレムの指輪と聞いた瞬間に身体が反応していたことを。




「それとですね。私の名前を伝えていなかったので改めて私はジルバと言います。ジルバ奴隷商館の会頭をやっております」


 俺はそれを聞きやっぱりかと思った。最初は分からなかったのだが、オークションに同行してもいいと言った時にそうではないかと思ったからだ。何せ店主でもない人間が勝手に決められるような内容ではなかったからだ。


「やっぱりですか」


「気付かれていましたか」


「えぇ、まぁ」


「あぁ、それと口調を戻してもらって構いませんよ」


「分かった」


「仮面については特に規定などはありませんのでどのような仮面でも構いませんので」


「分かった。他に何かあるか?」


「オークションのことには関係ないのですがダンジョン内の魔物が減っていることは知っていると思いますが少しずつですが魔物の数が増えて行っています。元のダンジョンに戻って言っているということですね」


 そうなのか、まだ一日も経っていないのにな。それに、よくこんな情報を手に入れたな。


「それとですね。短時間でお金を稼ぐのでしたら近くの森がオススメですね。何故なら森には稀にですがワイバーンが獲物を狩に現れますので。ですが、その森ではかなり奥の方に行かないと魔物が殆ど出て来ないらしいですよ。ワイバーンも同じですね」


 ワイバーンって一様、竜種だと思うけど近くの森に本当に現れるのか?


「ワイバーンがこの近くの森に本当に出るのか?」


「えぇ、確かに近くの森にBランクのワイバーンが現れれば普通の都市などに現れたのでしたら大変ですがここは迷宮都市です。なのでこの都市には高ランクの冒険者が何人も居ますので大丈夫です。それに、ワイバーンも一様は竜種ですのである程度の知能は有りますので大丈夫だと思いますよ。それに、ワイバーンはBランクですがそれは、空を飛ぶことが出来るのでBランクになっているだけですからね」


 やっぱりワイバーンも竜種なのか。ワイバーンはCランクくらいかと思っていたけどBランクなのか。でも空が飛べるからBランクと言うことはワイバーンはCランクくらいってことか。それに、知能がある程度あるのか。


「これで終わりです。それでは」


 ジルバさんはそう言い部屋を出て行った。


 眠たかったのでベットに行くとティアーナ達がスヤスヤと気持ちよさそうに寝ていた。思いのほかジルバさんと話していたようだ。ジルバさんが来る前も外は暗かったのだが、まだ夕焼けより少し暗い程度であったが、今は外が完全に暗くなり夜が来ていた。


 さてとどうするかな。少し眠いけどベットで寝るのはな。よし、床で寝るか。


 俺はそう思い床に転げた。幸いに今は夏なのか部屋は温いので寒さに震える訳では無い。


 転げたはいいが明日、何するか決めてなかったことを思い出してしまった。まずは冒険者ギルドでダンジョンで拾った魔物を売るのとその次はティアーナ達の武器が今回の緊急依頼で刃がかなりボロボロになっていたから武器&防具屋に行って武器を直してもらうように依頼してから何するかな? 俺だけさっきジルバさんが言っていた森に行ってワイバーンでも狩るかな。その間、ティアーナ達にはここで休んでいてもらうか。ティアーナ達が今回の緊急依頼で疲れているみたいだし。


 そう思い白夜は眠りについた。




 白夜が眠りにつき目覚めたのは約7時間後だった。


 目を覚ました時には既にティアーナ達は起きていたので昨日、寝る前に考えていた今日の予定を伝えたのだが、俺が一人でワイバーンを狩りに行くことは伝えなかった。何故なら止められると思ったからである。


 俺達は宿屋で朝ごはんを取り宿屋を出た。


 現在、俺達は冒険者ギルドの扉の前に居た。何故、扉の前にいるのかと言うと冒険者ギルド内で宴会的なことをしているような声が外まで聞こえて来たため一度足を止めていたのだ。


 一度足を止めていたが、すぐに歩き出し冒険者ギルドに入る為に扉を開けた。


 冒険者ギルド内では昨日は全く居なかった冒険者達が飲めや食べるやでどんちゃん騒ぎ状態だった。


 それを見てまず思ったのは何時から居るんだ? 少なくとも昨日の夕方には居なかったのにな。それに、冒険者ギルド内はかなり酒臭かった。中には疲れ果てたのか寝ている者すら居る始末だ。


 冒険者達がどんちゃん騒ぎ状態の中に数人だけ受付嬢さんが居た。受付嬢さん達はせっせと冒険者達が散らかしたゴミを片付けている。それを見てかなり大変そうだと思ってしまう。


 俺は冒険者ギルド内を見てから受付まで行くと受付では受付嬢さん達が忙しそうに仕事をしている様子が見えるが、俺は受付嬢さんに申し訳ないと思いながらも昨日の受付嬢さんに声をかける。


「えっと、すみません」


「はい。あ、白夜様ですね」


「はい。今日は魔物の売却に来たのですが今、大丈夫ですか?」


「はい。とは言えませんが少しの間でしたら大丈夫です。ギルドマスターから聞いておりますのでまず倉庫にご案内致しますのでついてきて下さい」


 そう言い受付嬢さんは立ち上がり歩き出したので俺は受付嬢さんについて行く。


 受付嬢さんは一度冒険者ギルドを出て冒険者ギルドの裏に向かうとかなりデカい倉庫が二つあった。


 受付嬢さんは二つの倉庫のうち一つの倉庫に近ずきポケットから鍵を出し倉庫の鍵を開ける。


 倉庫の中には何も無かった。


「ここに出して頂けますか?」


「分かりました」


 俺は腕輪からダンジョンで拾った魔物の死体を次々に出していく。


 倉庫の半分が魔物の死体で埋まった時だった。急に受付嬢さんから待ったが入る。


「ちょ、少し待って下さい!」


 俺は腕輪から魔物の死体を出すのを辞めて受付嬢さんを見る。


「どうかしましたか?」


 受付嬢さんは深呼吸をして口を開いた。


「後どれくらい有りますか?」


「そうですね。この数倍はありますよ?」


 今出した魔物の数は大体、100匹程度でしかないのだ、腕輪の中にはもっと沢山の魔物の死体が入っているのだから。


「白夜様。すみません現在では50匹分の魔物の死体までしか買取が出来ません」


 受付嬢さんが申し訳なさそうに頭を下げて謝ってくる。


「そうですか。では、50匹分でいいです」


「ありがとうございます。それと、残りの魔物の死体は王都の冒険者ギルドで売却出来ると思います」


「そうですか。ありがとうございます」


 俺は魔物の死体を50匹だけ残し残りを腕輪似しまう。


「査定にかなりの時間が掛かると思いますので明日の昼頃にまた来て下さい。それまでには査定を終わらしておきますので」


「分かりました」


 俺はそう言い倉庫を出て武器&防具屋に向かう。向かう理由は勿論、ティアーナ達の武器を直してもらうためだ。


 冒険者ギルドに向かっている時も思ったのだが、昨日と変わらずうるさい。それに、道の隅っこで寝ている人もいる。勿論、冒険者だ。


 酒場や宿屋の前を通ると酒臭いしうるさい。中には喧嘩をしている所もあるのでかなり周りの迷惑になっている。


 当然、酔っ払った冒険者に絡まれるのは当然のことだと思うんだよ、うん。と言うよりもう既に絡まれかけているんだけど。まだ絡んできていないけどでも俺達の前に来て足を止めてティアーナ達に下品な視線を向けて来ている。ティアーナ達に下品な視線を向けて来ているのはやはり冒険者だ人数は二人で二人共かなり酔っ払っているようだ。


「なぁ~、あんちゃん後ろの女貸してくれよ~、ちゃんとあとで帰るからよ~」


「そうだそうだ俺達に貸せよ~!」


 見た目通りかなり酔っ払ってるな。さてどうするかな。


 そんなことを考えているとガチャガチャと言う音が聞こえて来た。


 俺を含め周りにいた人達も全員がガチャガチャと音がする方向に目を向けると警備隊がこちらに向かって走って来ていた。それを見た冒険者二人組が顔を青くし少しふらつきながらも逃げ出した。


 警備隊は俺達の横を通って冒険者二人組を追いかけて行った。


 あの二人何かやらかしたのかな? ま、俺には関係ないけど。さっさと武器&防具屋に向かうとするか。


 それからは何事も無く武器&防具屋に到着することが出来たのだが、ここに来るまでに見た武器屋や防具屋にはかなりの人が居たのだが、ここには数人しか人が居なかった。あまり儲かって無いのかな?


「ドバンさん」


「なんだ? お、白夜無事だったか良かった良かった」


 俺の背中を叩いてくる。少しだけ痛い。


「武器を直して貰えますか?」


「まず見せてみろ」


 ドバンさんの顔付きが職人のものになる。


「ティアーナ、セレーネ、オリヴィア」


 俺がそう言うとそれぞれに武器を鞘ごとドバンさんに渡していく。ドバンさんは次々に武器を鞘から抜き確認していく。


「かなり刃こぼれしてるな。直せんことも無いが少し時間がかかるな。3日は最低でもかかるな」


 俺は一度ティアーナ達を見ると三人共頷いたのでそれでもいいことを伝える。


「それで構いません」


「そうか、かわりの武器はいるか?」


「いえ、大丈夫です」


 俺がそう言うとティアーナ達はビックリしている。


「本当にいいのか?」


 ティアーナ達を見てからそう言った。


「はい」


「そうか。それと白夜に渡したい物が有る少し待っていてくれ」


 それ言うとドバンさんは俺に渡したい物を取りに向かった。


 俺に渡したい物って何だろ? かなり気になるな。ま、でもすぐに分かるんだけど。


 そんなことを考えているとティアーナが声を掛けてくる。


「白夜様。何故、代わりの武器を買わないのですか?」


「ちょうどいいと思ったから」


「どういうことですか?」


 ティアーナ達は分かって居ないようで首を傾げている。


「皆、緊急依頼でつかれているだろ? だから三日間は宿屋で留守番をするように」


「白夜様は何をするのですか?」


「俺か? 俺はワイバーンでも狩り行こうかと思ってな」


「「絶対ダメです(ダメだ!)!!」」


 三人共、凄い行き良いで言ってきた。


「何でダメなんだ?」


「危険すぎます。行くのでしたら私達もついて行きます!」


 うん、うんとティアーナとオリヴィアは頷いている。


「三人共、疲れているだろ? それに、武器がないだろ?」


 三人共、顔を逸らした。


「やっぱり」


「で、ですが一人では危険です!」


「大丈夫だと思うぞ」


「何を思ってそう思うのですか!」


「何となく? それと俺は無理矢理にでも行くからね。皆は宿屋で留守番な。はい、これ確定な。よし! この話はもう終わりな」


 俺がそう言うとちょうどドバンさんが木箱を持ってきた。俺はドバンさんがこちらに来ていることが分かっていたので無理矢理話を終わらせたのだ。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

ブックマークと評価していただけるととても嬉しいです。


アドバイスなど、してくれると嬉しいので、アドバイスよろしくお願いします。他にも何かあれば遠慮無くどうぞ。


この作品に良さそうな作品名があれば教えて下さい。もしかすれば、その作品名にするかもしれませんご協力よろしくお願いします。

これからもこの作品をよろしくお願いします。


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