表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/70

56 君がいて、私がいる。

 君がいて、私がいる。


 ジラはその場所にうずくまって体育座りの姿勢になると、そこで静かに泣き始めた。

 ……泣くつもりなんてなかったのに。

 さっき、泣いてしまったからだろうか?

 少し、涙もろくなってしまった気がする。

 ジラは静かに泣いている。

 一人で。(それはいつものことだった)

「かげろうに会いたい。あって、かげろうとお話がしたい」とジラは言った。

『そうですね。もうそろそろ幽霊ホロウ竹田かげろうから、詳しいひまわり博士の研究や、幽霊や幽霊の街の情報を聞き出したいところです』みちびきがいう。

 そういう意味じゃない、と言おうとしてジラはやめる。(言っても意味がないからだ)

 でも、そんなジラの思いとは違って、ジラはなんとなく『もう私は、二度とかげろうとは再会できない』と思うようになっていた。

 それはひかりについても同じだった。

 あるいはまめまきについてもそうだった。

 私はもう、きっと竹田かげろうとも、水玉ひかりとも、笹百合まめまきとも会うことはできない。

 あのとき、『みんなと最初に出会ったとき、そのときが私とあの可愛らしい子供たちとの最初で最後の出会いの場所』だったのだと、ジラは思った。(理由はわからないけど、その思いは確信に近かった。考えれば考えるほど、そう思えるようになった)

「OK。よし。休憩終わり」

 そう言って、泣きやんだジラは立ち上がった。

 そのときには、もうジラはいつもの(笑顔の)任務成功率100パーセントの天才スパイ、マゼンタ・Q・ジラに戻っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ