45 魔法のキス 愛してあげる。あなたのことを。
魔法のキス
愛してあげる。あなたのことを。
真っ暗な世界にまた、大きな雷鳴とともに、巨大な雷のような青白い(まるで龍のような)電気が走った。
巨大な生き物のような、電流。
意志を持った獣。
電気に意志はない。それはただの化学反応である。そう思っても、その生き物には意志があるように思えてならない。
明確な意志を持って、自分のことを、この真っ暗な世界の中に迷い込んできた獲物として、捕食しようとしているのだと、そんな風にジラは思った。(余計なことを考えている。私らしくない。……一人になって、不安、……なのかな?)
もう何人目かのロストチャイルドを退治しながら、そんなことをジラは思った。
真っ暗な世界の中に、マゼンタ色をした美しいジラのふわふわな毛並みをしたポニーテールの髪がゆれている。
『ぎゃ!!』
『痛い。やられたー』
そんなわざとらしい台詞を、ジラの電磁ムチで叩かれながら、(くすくすと笑って)ロストチャイルドたちは言う。
ロストチャイルドは消えてはまた現れて、現れてはまたジラの電磁ムチによって叩かれて消えていく。
この繰り返される行為にはまるで終わりがないように思える。
……ちぃ。
とジラが声を出さずに心の中で舌打ちをした。
ロストチャイルドたちはそうやって、まるで黒い渦のように、だんだんとジラのことを包囲していく。
……このままだと、私はいつか、こいつらに飲まれる。
ジラはどこかに突破口はないかと視界と思考をフルに動かす。でも今のところ、どこにも解決策は見つからなかった。
ジラの周囲にいるロストチャイルドたちの数は今はもう百を軽く超えている。




