42 あなたの愛は本物ですか?
あなたの愛は本物ですか?
この世界は、(その全部が)まやかしではないのですか?
この世界には、ずっと雨が降っている。とても、……本当に、とても強い雨が、今も、世界中で降り続いている。
「やあ、お待たせ。プリンセス・ジラ」そう言ってドアが開いた。
ずっと壁一面の大きなガラスの窓越しに雨降りの街の風景を見ていたジラはその声を聞いて、ゆっくりと後ろを振り向いた。するとそこには、(予想通り、護衛も付けずに)一人の紳士が立っていた。
温和な表情をしている、とても優しい雰囲気をその身に宿している紳士だ。
「プリンセスはやめてください。歯車博士」
にっこりと笑ってジラは言う。
「これはすまない。今の君はマゼンタ・(Q)・ジラだったね」とにっこりと笑って歯車博士はそう言った。
それから博士は椅子に座るように手でジラを促した。
ジラは博士の手の先にある豪華な動物の革製の椅子にゆっくりと座った。それから、博士をじっと見つめてにっこりとその猫のような目を細くして、妖艶な表情で笑った。
歯車博士は、ジラの座っている椅子の大理石のテーブルを挟んで正面にあるジラの座っている豪華な椅子と同じ椅子に座った。
そして博士はジラをみて、にっこりと笑った。
ジラはわざと大きく足を動かして、その組んでいる足を組み替えた。しかし、歯車博士は紳士なので、ジラの着ている黒のミニのドレスのふんわりとした咲いた花のようなスカートの動きを目で追ったりはしなかった。
そんな博士を見て、ジラは嬉しそうに、猫のような表情で笑った。
「君は本当に猫に似ているね」博士は言う。
「もしお好みでしたら、猫耳と猫の尻尾でもつけてきましょうか? それで、もしご所望なら、にゃーって鳴いて、猫の真似でもしてみせますよ?」とジラは言った。
「いや、別にいいよ。君はそのままでいい。そのままで君は十分綺麗だよ。とても魅力的だ。猫に似ている、なんて言ってすまなかったね。ジラ」と博士は言った。
そんな博士の言葉を聞いて、ジラはその顔をほんのりと赤くした。(なんだかちょっとだけ、このまま博士にずっと、甘えていたいと思った。本物の猫のように、博士の膝の上に頭を乗せながら、髪の毛をゆっくりと撫でてもらいたいと思った)




