26 痛みは愛の本質である。(愛があるから、痛いのである)
痛みは愛の本質である。(愛があるから、痛いのである)
竹田かげろうは一人、天の川銀河の街の中を急いで走って、幽霊の学校まで戻ってきた。
暗い石造りの曲がりくねった長い学校までの道を走っているとかげろうは不意に『誰かに見られている』ような気配を感じた。(そんな雰囲気を感じたのは初めてのことだったので、かげろうは少し驚いた)
かげろうは立ち止まり、自分の背後や周囲の風景を確認したが、そこには七色の街灯の光に照らされて、大きな石造りの壁に写り込んだかげろうの大きな影が一つあるだけだった。
かげろうはちょっと怖くなって幽霊の学校までの道を急いだ。(その間、かげろうはさっき出会い『友達になったばかりの』ジラさんのことを考えていた。最初は怖いと思ったけど、ジラさんはとてもいい人だった。幽霊でない人とはひまわり先生としか出会ったことのないかげろうは、ジラさんんとの出会いに『その心』(ねじも青色に輝いていた)が弾んでいた。もっとたくさんジラさんとお話がしたいと、自然とそう思うようになっていた)
……今日は、朝に奇跡の星の光を見ることもできたし、お仕置きは痛かったけど、いいことばっかりの日だったな。
ふふっと笑ってそんなことをかげろうは思った。(いつの間にか怖い気持ちはなくなっていた)
幽霊の学校にある大きな門の前までたどり着くと、その大きな門は、かげろうがなんの動作をしないでも、その扉を(自動で)大きく開けた。
かげろうが門を通り、幽霊の学校の中に入ると、その大きな門は自動で閉じた。
かげろうはそのまま中庭を通り、学校の大広間を通り抜けて、巨大な螺旋階段を上に上にと上っていって、自分の部屋のある六階の学校の寄宿舎まで移動をした。
自分の部屋の前まで来ると、その部屋のドアの反対側の壁のところに一人の幽霊が体育座りをして座り込んでいる風景が見えた。
かげろうはその幽霊の人影を見て、よぞらくんかな? と思った。(いきなり僕がいなくなってしまったから、よぞらくんは僕を探して、最終的に僕の部屋の前で、僕の帰りを待ってくれていたのかもしれないと思ったのだ)
しかし、部屋の前まで来るとその幽霊が三日月よぞらではないことがわかった。
そこにいたのは、幽霊の女の子である、水玉ひかりだった。
「……かげろうちゃん」
ひかりは息を切らせて、急いで走って帰ってきたかげろうの姿を見て、そういった。
ひかりは、……なぜか泣いていた。
おそらくひかりは、ずっと、ずっと、この場所で一人で体育座りをして、暗い廊下の壁際でずっと泣いていたのだと、そんなひかりの透明な涙を見て、竹田かげろうはそう思った。




