表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/70

20

 ジラはかげろうを連れて(小脇に抱えて)幽霊の街の中心にある広間にまで移動をした。

 そこにある大きな噴水(ギリシャ神話の神様たちのような彫刻が施されていた)の脇を通り、七色に淡く光る街の光の中を抜けて、ジラとかげろうは大きな駅(だけど造りはとても古風なものだった)の前に到着した。

 その駅の巨大な駅名を書いた看板には確かにかげろうの言った通り、『天の川銀河の街』と言う文字が書かれていた。

 なるほど。

 確かにここは幽霊の街ではなく、天の川銀河の街という名前が正式な名称らしい。これはどういうことなのだろう? ジラはかげろうを地面の上に降ろしてから、腕を組んで考える。

 ここは幽霊の街だ。

 幽霊ホロウであるかげろうがいるのだから間違いない。(幽霊だけではなくて、幽霊の街にも名前をつけているのか……。どうしてだろう?)

 もしかしてこの地下都市以外の場所にも、幽霊ホロウの街は存在しているのだろうか? たとえば、アンドロメダ星雲の街とか、ケンタウルス座の街とか、プレアデス星団の街とか、そういう街がこの星のどこかに、(たとえば海の底とか、氷の大陸のしたとか、あるいは空の上とかに)あるのかもしれない。

「うーん」

 ジラは悩む。

 その横ではかげろうはちらちらと駅にある(十二時ちょうどで)時の止まった時計を見て、それから大きなお城を見て、そのあとでジラを見たりして、なんだか落ち着かない様子でいる。(きっと、帰る時間を気にしているのだろう。あのひまわりのことだ。徹底的に幽霊たちのことを管理、監督しているに違いない。それこそ、まるで実験動物のように、檻に入れて子供を育てるように)

『ジラ。物事を考えることは良いことですが、とりあえず、この駅が生きている駅なのか、あるいは死んでいる駅なのか、まずは確かめてみましょう』みちびきが言った。

「……うん。そうだね。確かにその通りだ」ジラは言った。

 よし。とりあえず悩むのはあとだ。

 まずは駅の中に移動用、あるは脱出用の電車があるのか、確認する。

 そう決心すると、ジラの行動は早かった。

「かげろう。移動するよ」

「え? あ、はい……」

 かげろうがそう言っている間に、すでにジラはかげろうを脇に抱えて、地下に吹く冷たい冬の風よりも早くに、もう移動を開始していた。

「わー」

 かげろうは、そんな高速で移動する世界を見て、その目と心を思わず輝かせた。(その際、かげろうの黄色いコートの中にある、かげろうの抜けてしまった頭のねじがぼんやりと青白い光を放って輝いていることに気がついているものは誰もいなかった)

 そのままジラは改札をジャンプして抜けて駅の構内に移動をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ