7 ヘアピンdeアームカット
時間は掛かったけど何とか223に着き、俺はノック無しで223の扉を開けた。自分の部屋だからノックなんてしなくても何の問題もない。俺と中谷さんが223に入ると、後藤さんと徹君がニヤニヤしていた。起きたのか。
「おはよッス、後藤さん。徹君」
「おはよう、青春真っ只中の青年よ」
「おはよ、恋する漢女」
青春真っ只中の恋する漢女って、一体……。いや、自分のことを言われているのは分かっている。俺もそこまで馬鹿じゃない。でも、俺は中谷さんをナースステーションまで連れて行っただけで。別に、恋愛イベントは起こしていない。
まぁ、涙を指で拭う、とかやっちまったけどさ!
「実は寝た振りをしていたんだ、僕も徹君も」
「傷は大丈夫か?中谷さん」
えー……まさかのまさか。最初から全部知られていたとは。ナースステーションでのことは当然知らないだろうけど。でもまぁ、巻き込みやすくなって良かった、と捉えておこう。
俺は後藤さんと徹君に敬礼をした。二人も俺に敬礼をする。
「後藤隊長!徹副隊長!223食料庫のチョコレートでパーティーを開くことを希望します!」
「チョコレート?」
「在庫あったっけ?」
敬礼のポーズのまま、後藤さんと徹君は不思議な顔をする。中谷さんはこの流れに付いてこれていないようだ。男はいつまで経っても子供なんだよ。こんなことが大好きなんだよ。そのうち分かると思うけどさ。




