怪我の治療
2
次の日、三上投手は一軍登録を抹消された。
これで治療に専念することになりそうだ。
完治まで三ヶ月と言われた。その間、借りてきた電気治療器で毎日一時間、電気治療をすることになった。
治るかどうか、やってみないとわからない。もう一度マウンドに立てるように、頑張って治療していこう。そう心に決めた。
3
それからの日々。三上投手は、電気治療に励んだ。来る日も来る日も痛みが消えないのをどういう理由から痛さが起こるのかと考えながら。
それには、精神的な原因もあった。投手という立場の孤独からのプレッシャー。誰にも負けないという強い意志がもたらす圧迫感と言い換えても良いかもしれない。
治療中は野球のことをできるだけ考えないようにした。
アニメのDVDを買ってきてできるだけ世界を自分の内側に見るようにした。
ーあ、こういう気持ちわかるなー。
三上投手は、今まで触れてこなかった世界に触れて、気持ちを新たにした。
美術館へも足を運んだ。日本の歴史を見ることで、日本人が世界に出る前、何を考えていたのかを少しだけ勉強した。
食事制限を少し解除して、5キロ太った。
少し精神世界の本を読むこともあり、リラクゼーション音楽をずっと聴くことになった。
そうすると、体がリラックスしてきて、良い感じに眠りにつくことができた。
それは、野球以外することがなかった自分に対するご褒美だった。
音楽はそれに手を貸してくれた。役に立ってくれた。




