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三上投手の肘  作者: 野田伝介
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1/4

始まり


三上投手が肘を壊したのは、延長10回マウンドでスピードボールを投げた時だった。

右肘がズキンと傷んだ。この時は、一時の軽い軽傷かとも思ったが、これが、肘にひびが入った原因になった。すぐには、病院にはいかずに、3ヶ月後にトレーナーに不調を訴えただけに終わった。


ーなんか肘ずっとこんな感じなんだよ

ー大丈夫?病院へ行ってみたら?


行く理由が自分では気付かずに、トレーナーに示唆を受けてようやっと行く気になったのは、七月の初旬だった。

真夏の暑い日だった。


ー初診なんですが。

ーお待ちください。


そんな簡単なやり取りが三上投手を不安にさせた。これで肘は治るのか?ずっと痛みに耐えてきただけに、投手生活の終わりを考えることもなくもなかった。あと数年は行けるはずだと、楽天的に考えていただけに、突然の選手生命の危機に動揺を隠せなかった。


病院ではなるべく静かにしてなければならない。右肘が痛いと先生に説明できれば、鎮痛剤、電気治療が待っている。

ー三上さん。

一時間半、待合いで待ってから、三上投手の番が呼ばれた。

 15分くらい説明できて、レントゲンを撮ってもらう。

ーはい。楽にしてくださいね。

看護士さんの言われるまま、右肘を突き出した。

 撮影も終わり、今日のところはこれで終了。

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