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ラスボス前の街が、はじまりの街に宣戦布告した結果――レベル93の将軍が木の棒でスライムと戦う羽目になった  作者: 出水克幸
初心者冒険者がラスボス前の街に行く

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20/24

攻略記録その20 初心者を卒業したら、ラスボス前の街へ行けと言われた

「反対九十七票!」


 朝。


 はじまりの街リスタ。


 冒険者組合。


 レベル4の少年が。


 自分の育成方針について。


 百人の師匠に負けていた。


《育成方針投票》


《次に習得する技能》


《片手剣》


 賛成。


 九十七。


 反対。


 三。


 棄権。


 一。


 本人。


 反対。


「僕、魔法使いになりたいって言いましたよね!?」


 少年が叫ぶ。


 剣士たち。


「序盤は片手剣が安定する」


「魔法は後からでも取れる」


「盾も持てる」


「装備が安い」


「木剣余ってる」


「最後だけ事情違いません!?」


 ミーナが机を叩いた。


「本人が反対してるでしょう!」


 一人の師匠。


「でも多数決だ」


「何のための多数決ですか!」


「初心者が迷わないため」


「本人の希望まで消してどうするんです!」


 攻略律。


 返事なし。


 少年。


 小さく。


「師匠って減らせないんですか?」


 百人。


 一斉。


「え?」


 少年。


「怖いです」


 九十八人くらい。


 傷ついた顔をした。


――――


 その日の午前。


 ポポルが。


 緊急会議を開いた。


「もう支援を増やしてはならん」


「やっと分かりました?」


 ミーナが答える。


「初心者を助けるたび」


 ポポル。


 指を折る。


「経験値が増え」


「はい」


「初心者が消え」


「はい」


「パーティーが五千人になり」


「はい」


「巨大スライムが出て」


「はい」


「初心者を入れると全員レベル5になり」


「はい」


「師匠が百人つき」


「はい」


「本人の人生が多数決になった」


「その通りです」


 グレン。


「つまり」


 全員。


 見る。


「支援をやめればいい」


 沈黙。


 ミーナ。


「それができれば十三話くらいで終わってます」


「……そうだった」


 最大の問題。


 攻略律。


 窓口。


 なし。


 停止ボタン。


 なし。


 苦情受付。


 なし。


 利用規約。


 見たことない。


「では」


 ポポル。


「初心者を卒業させればよいのでは?」


 ミーナ。


 止まる。


「……卒業?」


「初心者でなくなれば」


「はい」


「初心者支援の対象外になる」


「……」


 グレン。


「理屈は通る」


 ミーナ。


 考える。


 初心者人口を守ろうとして。


 初心者を増やし。


 経験値を増やし。


 師匠を増やし。


 全部失敗。


 なら。


「……初心者を」


「うむ」


「正しく卒業させる」


 ポポル。


「そうだ」


 ミーナ。


 少し。


 希望。


「それなら……」


 その瞬間。


 空中。


《初心者の卒業希望を確認しました》


 ミーナ。


「言ってない!」


《初心者卒業支援を開始します》


「早い!」


――――


 冒険者組合。


 全初心者の前。


 新しい表示。


《初心者卒業条件》


 一。


《基本戦闘を経験する》


 二。


《採取を経験する》


 三。


《買い物を経験する》


 四。


《宿泊を経験する》


 五。


《パーティーを経験する》


 六。


《クエストを三件達成する》


 七。


《装備を更新する》


 八。


《町の主要施設を訪問する》


 九。


《メンターから承認を受ける》


 十。


《卒業試験を達成する》


 初心者たち。


 見る。


 ミーナ。


 見る。


「……普通」


 グレン。


「まともだ」


 ポポル。


「ようやく」


 三人。


 感動。


 最近。


 普通の制度を見るだけで。


 泣きそうになる。


「これです!」


 ミーナ。


「最初からこれでよかったんです!」


 初心者たち。


 喜ぶ。


「やる!」


「卒業する!」


「冒険できる!」


 初めて。


 正しい方向。


 全員。


 そう思った。


 表示。


《卒業進捗を確認します》


 少年。


《基本戦闘》


《未達成》


「昨日巨大スライムと戦ったよ!?」


《有効な初心者戦闘として記録されていません》


「なんで!?」


 別の少女。


《買い物》


《未達成》


「回復薬買いました!」


《メンターが購入しました》


「私が使ったのに!」


 別の初心者。


《宿泊》


《未達成》


「宿屋泊まりました!」


《メンターが宿泊費を支払いました》


「支払いまで本人じゃないとダメ!?」


 ミーナ。


 ゆっくり。


 百人の師匠を見る。


「全部やってあげたせいで」


 師匠たち。


 顔。


 青い。


「初心者本人の実績」


「ほぼ残ってない……」


 過保護。


 最大の副作用。


 経験。


 ゼロ。


――――


「全部やり直し!」


 ミーナが叫んだ。


「今度は本人がやります!」


 師匠。


「危なくない?」


「見守るだけ!」


「手出しは?」


「禁止!」


「アドバイスは?」


「聞かれたら!」


「先回りは?」


「禁止!」


「答えを教えるのは?」


「禁止!」


「装備買ってあげるのは?」


「禁止!」


「金だけ渡すのは?」


「……少しなら」


 商人。


「融資は?」


「何でいるんですか!」


――――


 こうして。


 初心者たちは。


 ようやく。


 自分で冒険を始めた。


 少年。


 木剣。


 スライム。


 一匹。


「行くぞ!」


 攻撃。


《基本戦闘を経験しました》


「やった!」


 後ろ。


 師匠百人。


「今の踏み込み浅い」


「剣先下がってる」


「左足」


「盾」


「呼吸」


「敵を見る」


「腰」


「振り抜くな」


「次は――」


 少年。


 振り返る。


「静かにしてください!」


 百人。


「はい」


 初心者。


 強くなった。


 まず。


 師匠に言えるようになった。


――――


 少女。


 薬草。


「これかな?」


 師匠。


 口。


 開く。


 ミーナ。


 見る。


 師匠。


 閉じる。


 少女。


 採る。


《毒草》


「違った!」


 師匠。


「だから――」


 ミーナ。


「失敗も経験!」


 少女。


 笑う。


「次探します!」


 師匠。


 少し。


 黙る。


「……そうだな」


 二つ目。


《薬草》


《採取を経験しました》


「できた!」


 師匠。


 拍手。


 今度は。


 何も奪わなかった。


――――


 道具屋。


 少年。


「この木剣ください」


「8Gです」


「7Gじゃダメ?」


「ダメです」


「じゃあ」


 財布。


 確認。


 7G。


「……足りない」


 後ろ。


 百人の師匠。


 一斉に財布を出す。


 ミーナ。


「しまって!」


 百人。


 しまう。


 少年。


 考える。


「依頼して稼ぎます」


《買い物》


《未達成》


 でも。


 少年。


 少し笑う。


 今日。


 買えない。


 だから。


 明日。


 買えるようになる。


 初心者。


 本来。


 そういうものだった。


――――


 午後。


 卒業条件。


 少しずつ。


 埋まる。


《基本戦闘 達成》


《採取 達成》


《買い物 達成》


《宿泊 達成》


《パーティー 達成》


 ただし。


 新しい問題。


「クエスト三件」


 初心者。


 冒険者組合。


「どれ受ければ?」


 受付嬢。


「好きなものを」


「おすすめは?」


 ミーナ。


 嫌な予感。


「好きなものでいい!」


 表示。


《おすすめクエストを表示します》


「出てくるな!」


 初心者の前。


 一。


《薬草を三枚集めよう》


 二。


《スライムを五匹倒そう》


 三。


《宿屋に泊まろう》


 ミーナ。


 固まる。


「最初に戻った……」


 第五話。


 第六話。


 あの地獄。


 復活。


「別の依頼!」


「自由選択で!」


 初心者。


 別の依頼を選ぶ。


《井戸掃除》


《迷子の犬》


《パン屋の配達》


「平和!」


 ミーナ。


 感動。


――――


 一時間後。


「犬がいません!」


「どこ!?」


「依頼受ける前に他の人が見つけてました!」


「じゃあ達成じゃないの!?」


《依頼受注前の行動は対象外です》


「またそれ!」


 別。


「パン届けました!」


《届け先のNPCに話しかけてください》


「届けたのに!?」


「完了報告が必要です!」


 別。


「井戸掃除終わった!」


《冒険者組合で報告してください》


「また戻るの!?」


 クエスト。


 依頼。


 やる。


 終わり。


 ではない。


 報告。


 報酬。


 受け取り。


 そこまで。


 一セット。


 初心者。


 今日。


 学ぶことが多い。


――――


 そして。


 最大の罠。


「三件終わった!」


 少年。


 表示。


《クエスト達成数》


《2/3》


「え?」


 一。


 井戸掃除。


 二。


 パン配達。


 三。


 迷子犬。


「三件!」


 受付嬢。


 確認。


「迷子犬」


「はい」


「報酬受け取ってません」


「……」


 少年。


 窓口。


「報酬ください」


「はい」


《報酬を受け取りました》


《クエスト達成》


《3/3》


 少年。


「終わってたのに」


 ミーナ。


「報酬受け取るまで終わらないんです」


「怖い」


「分かります」


――――


 その瞬間。


 別の初心者。


「報酬受け取れません!」


「なんで!?」


《所持品がいっぱいです》


 ミーナ。


 額。


 押さえる。


「来た……」


 鞄。


 中身。


 薬草。


 パン。


 空き瓶。


 木の枝。


 石。


 使わない布。


 謎の骨。


「捨てて!」


「どれを!?」


「石!」


「後で使うかも!」


「使いません!」


「でも!」


 初心者。


 あるある。


 何でも拾う。


 何も捨てない。


 結果。


 一番必要な報酬。


 受け取れない。


「倉庫!」


「行ったことありません!」


《新しい施設を発見しました》


《経験値を獲得しました》


「まだ経験値二倍続いてた!」


――――


 倉庫。


 今度は。


 整理。


「薬草」


「使う」


「毒草」


「……使うかも」


「使いません」


「空き瓶」


「使う」


「石」


「絶対使う」


「何に?」


「分からない」


「捨てて!」


「木の枝」


「武器になる」


「木剣持ってる!」


「骨」


「売れる?」


「1G」


「じゃあ売る」


 十分。


 二十分。


 三十分。


 クエストより。


 整理。


 長い。


 グレン。


 遠くを見る。


「遠征前の俺たちと同じだな」


 ミーナ。


「高レベルでもやるんですね」


「持って行くか迷う物は増える」


「成長しても変わらないんだ……」


――――


 夕方。


 初心者たち。


 卒業条件。


 残り。


《メンター承認》


《卒業試験》


 百人の師匠。


 初心者を囲む。


「承認!」


「承認!」


「承認!」


 少年。


 表示。


《メンター承認》


《98/100》


「二人足りない!」


「誰!?」


 確認。


 一人。


 昼寝。


 一人。


 町の外。


「全員いる必要あるんですか!?」


 ミーナ。


「百人つけたからです!」


「外せば?」


《メンター変更は24時間後に反映されます》


「最悪!」


 師匠百人。


 初めて。


 人数の多さを後悔した。


――――


 二時間後。


《100/100》


「やった!」


 少年。


 残り。


《卒業試験》


 表示。


《卒業試験を開始します》


 全員。


 緊張。


「敵?」


「洞窟?」


「巨大スライム?」


「まさか五千人?」


 ミーナ。


「もう戦闘は十分!」


 表示。


《卒業試験》


《一人で》


《町の南門まで行ってください》


 沈黙。


「……それだけ?」


 少年。


 見る。


《メンターは同行できません》


 百人。


「え」


《案内表示はありません》


「え」


《自分で道を選んでください》


 少年。


 笑う。


「行ってきます」


 師匠。


「待て、南門は――」


 ミーナ。


 口を塞ぐ。


「言わない」


「でも」


「自分で」


 少年。


 歩く。


 角。


 曲がる。


 間違える。


 戻る。


 店員。


 道を聞く。


 進む。


 犬。


 追いかけられる。


 逃げる。


 橋。


 渡る。


 南門。


 到着。


《卒業試験》


《達成》


 少年。


 振り返る。


 遠く。


 師匠百人。


 誰もついてこない。


 少年。


 初めて。


 一人で。


 町を歩いた。


《初心者卒業》


 光。


「……終わった」


 ミーナ。


 追いつく。


「おめでとう」


「はい!」


 少年。


 笑う。


「次はどこ行けばいいですか?」


「好きな場所へ」


「好きな場所?」


「はい」


「おすすめは?」


 ミーナ。


 反射的に。


「聞かないで!」


 遅かった。


《次のおすすめ冒険先を検索します》


「検索しなくていい!」


――――


 表示。


《初心者卒業者におすすめの冒険先》


 全員。


 見る。


 第一候補。


《終焉都市ヴァルハラ》


 沈黙。


 ミーナ。


「……は?」


 グレン。


「なぜだ」


 ポポル。


「ラスボス前の街では?」


 表示。


《推薦理由》


《高レベル冒険者が多数在住》


《装備・施設が充実》


《メンター経験者が多い》


《初心者支援実績が豊富》


 ミーナ。


「実績の意味が違う!」


 ヴァルハラ。


 初心者を。


 育てた。


 のではない。


 リスタへ来た。


 高レベル勢が。


 騒動を起こし。


 結果として。


 師匠になった。


 攻略律。


 成功例として記録。


「ダメ!」


 ミーナ。


「初心者卒業直後にラスボス前の街はダメ!」


《推奨ルートを設定しました》


 地面。


 青い光。


 一本の線。


 リスタ。


 北西。


 ヴァルハラ方面。


「勝手に道を出さないで!」


――――


 そして。


 問題。


 一人ではなかった。


 今日。


 卒業した初心者。


 三十四人。


 全員。


 同じ表示。


《次のおすすめ冒険先》


《終焉都市ヴァルハラ》


「全員!?」


 三十四人。


 顔を見合わせる。


「行く?」


「おすすめらしい」


「装備いいって」


「強い人いるって」


「師匠もいる」


 高レベル冒険者。


 胸を張る。


「ヴァルハラなら任せろ!」


 ミーナ。


「あなたたちが言うと説得力あるのが困る!」


 グレン。


「まあ」


 少し。


 笑う。


「確かに設備は世界最高峰だ」


「敵も世界最高峰でしょう!」


「町の中なら安全だ」


「町の外に出るでしょう!」


 初心者卒業者。


「行ってみたいです」


 ミーナ。


 止まる。


「……本当に?」


「はい」


 少年。


「ずっと師匠から聞いてたんです」


「何を?」


「ヴァルハラの話」


 終焉都市。


 魔王城に最も近い。


 最高級の武器。


 最高位の冒険者。


 巨大な城壁。


 伝説の宿。


 最終装備。


 最強の魔物。


「見てみたい」


 少年。


 言う。


 ミーナ。


 少し黙る。


 冒険は。


 行きたい場所へ。


 行くもの。


 なら。


 止める理由は。


 ない。


「……分かりました」


 ミーナ。


「ただし」


「はい」


「絶対に町の外へ勝手に出ない」


「はい」


「怪しいもの触らない」


「はい」


「高い物を勝手に買わない」


「はい」


「知らない敵に近づかない」


「はい」


「宝箱を見つけても――」


「開けない?」


 ミーナ。


「……いや」


 少し考える。


「普通は開けてもいいんですけど」


「どっちです?」


「ヴァルハラだから開けないで」


 初心者。


「分かりました」


――――


 翌朝。


 リスタ北門。


 三十四人。


 元初心者。


 出発準備。


 木剣。


 革鎧。


 小さな鞄。


 薬草。


 水。


 パン。


 そして。


 高レベルメンター。


 百人。


「百人いらない!」


 ミーナ。


「護衛!」


「多すぎ!」


「安全!」


「目立ちすぎ!」


 三十四人。


 それぞれ百人。


 最大。


 三千四百人。


「軍隊じゃないですか!」


 グレン。


「昨日まで五千人いたから減っている」


「比較対象がおかしい!」


――――


 ガルド。


 そこへ。


 走ってくる。


「待て!」


 全員。


 振り返る。


 ガルド・バルバロッサ。


 終焉都市ヴァルハラ市長。


 現在。


 まだ。


 リスタ初心者チュートリアル。


「俺も帰る!」


 ミーナ。


「チュートリアル終わったんですか?」


「……」


 ガルド。


 止まる。


《現在のチュートリアル》


《装備を一度変更してみましょう!》


 ガルド。


「終わっていない!」


「帰れませんね」


「なぜだ!」


《チュートリアル完了前の長距離移動は推奨されません》


「俺の街だぞ!」


 元初心者たち。


 ガルドを見る。


「この人誰?」


 一人。


「ヴァルハラ市長」


「えっ」


「初心者?」


 ガルド。


「違う!」


 称号。


《駆け出しのお客さん》


 頭上。


「説得力ない」


「消せええええ!」


――――


 出発。


 元初心者。


 三十四人。


 護衛。


 高レベル勢。


 大量。


 ミーナ。


 同行。


 グレン。


 同行。


 ポポル。


 町に残る。


「気をつけてな!」


「はい!」


 一団。


 歩き出す。


 地面。


 攻略律の青い推奨ルート。


 ずっと。


 ヴァルハラまで伸びている。


 ミーナ。


 歩きながら。


 溜息。


「ようやくリスタの初心者問題が落ち着いた……」


 グレン。


「初心者は?」


「卒業しました」


「高レベル勢は?」


「大半ヴァルハラへ戻ります」


「巨大スライムは?」


「消えました」


「経験値二倍は?」


 ミーナ。


 止まる。


 空を見る。


《初心者応援期間》


《対象初心者数》


《0》


《終了条件を確認しています》


 二人。


 見守る。


《初心者応援期間を終了します》


 ミーナ。


「終わった!」


 グレン。


「ついに!」


《獲得経験値二倍を終了します》


「やった!」


《レベルアップ時HP・MP全回復を終了します》


「やった!」


《パーティー人数ボーナスを終了します》


「やった!」


《初心者優先参加制度を終了します》


「やった!」


《メンター特別報酬期間を終了します》


「終わった!」


 二人。


 笑う。


 長かった。


 ようやく。


 ゲームバランス。


 戻った。


 その直後。


《エリア移動を確認しました》


 元初心者三十四人。


 リスタ領域。


 出る。


《次の地域》


《終焉都市ヴァルハラ周辺》


 ミーナ。


 笑顔。


 消える。


《推奨レベル》


《75以上》


 三十四人。


 現在。


 平均レベル。


 7。


 沈黙。


 少年。


「ミーナさん」


「はい」


「僕ら」


「はい」


「来る場所」


「はい」


「早くないですか?」


 ミーナ。


 遠く。


 地平線の先。


 巨大な城壁。


 終焉都市ヴァルハラ。


 見る。


「……ものすごく早いです」


 初心者を卒業したばかりの冒険者たちは。


 次の日。


 ラスボス前の街へ向かうことになった。


 はじまりの街の問題は。


 終わった。


 今度は。


 終わりの街の方が。


 壊れる番だった。

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