表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラスボス前の街が、はじまりの街に宣戦布告した結果――レベル93の将軍が木の棒でスライムと戦う羽目になった  作者: 出水克幸
高レベル勢の初心者街流入 ゲームバランス崩壊

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/19

攻略記録その12 初心者を増やすため、経験値が二倍になりました

「受けられません」


 翌朝。


 はじまりの街リスタの冒険者組合で、昨日まで新人だった少年が依頼票を握りしめていた。


 依頼内容は簡単だ。


《町の北側で赤い木の実を五個集める》


《推奨レベル1〜5》


《報酬12G》


 少年は昨日の朝なら、何の問題もなく受けられた。


 だが受付台の上には、無情な文字が浮かんでいる。


《対象レベルを超えています》


「昨日まで受けられたんです」


「ええ」


「昨日、僕、まだレベル1だったんです」


「ええ……」


「スライムを踏んだだけなんです」


「それも聞いています……」


「今、レベル12です」


「それも確認できています……」


「じゃあ、どうしたらいいんですか?」


 受付嬢は答えられなかった。


 なぜなら、どうしようもないからだ。


 少年は強くなった。


 たった一日で十二倍くらい強そうな数字になった。


 しかし実戦経験はほぼない。


 剣の振り方も習い始めたばかり。


 薬草の見分け方も知らない。


 街の外へ一人で出た経験すらない。


 にもかかわらず。


《対象レベルを超えています》


 世界は彼を初心者ではないと判断した。


「……レベルって、上がったら喜ぶものじゃなかったんですか?」


 少年が小さな声で言った。


 受付嬢は遠くを見た。


「普通はそうなんです」


 普通は。


 リスタでは、その言葉が急速に信用を失いつつあった。


――――


「六人」


 町役場の会議室。


 ポポルが机の上に置かれた紙を見つめていた。


 昨日の朝。


 リスタにいたレベル1から5の冒険者は四十三人。


 昨日の夕方。


 六人。


 そして今朝も。


「六人です」


 ミーナが言った。


「増えておらんのか?」


「一晩寝たらレベルが下がる仕組みなら、こんな会議してません」


「そうか……」


 ポポルが肩を落とした。


 隣ではグレンが腕を組んでいる。


 ヴァルハラ防衛隊長。


 つい数日前までなら、初心者が勝手に強くなるなど、歓迎すべきことだと思っていただろう。


 今は違う。


「問題は数字じゃない」


 グレンが言った。


「昨日レベル12になった少年を見た。歩き方からして素人だ」


「はい」


「なのに初心者用の依頼が受けられない」


「はい」


「訓練も?」


 ミーナが紙をめくった。


「一部が対象外になっています」


「装備支援は?」


「初心者向け支給品の条件がレベル5以下です」


「宿泊補助は?」


「同じです」


 グレンの眉間にしわが増えた。


「強くなったから支援を打ち切られたんじゃない」


 ミーナが言う。


「数字だけ上がったせいで、まだ必要な支援から追い出されてるんです」


「……最悪だな」


「はい」


 初心者のための街で。


 初心者が。


 初心者向けサービスを受けられない。


 かなり根本的なところが壊れていた。


「ならば昨日のスライムをすべて討伐すればよいのではないか?」


 ポポルが言った。


「経験値のおかしい個体を消せば、それ以上は増えまい」


「もう東草原は封鎖しました」


 ミーナが答える。


「今朝から一般人は入れません」


「おお」


「ただ」


 ミーナが窓を見た。


「別の問題が起きています」


 グレンも窓を見る。


 町役場の前を、知らない冒険者たちがぞろぞろ歩いていた。


 全員、東門へ向かっている。


「……封鎖したんじゃなかったのか?」


「しました」


「では、あれは?」


「封鎖されたと聞いて集まってきた人たちです」


 意味が分からない。


「なぜだ」


「入れなくなるほど美味しい場所なら、相当な価値があるだろうって」


「……」


「ヴァルハラで噂になってます」


 ミーナは一枚の紙を机に置いた。


 誰かが今朝、町の掲示板へ貼ったものだ。


『リスタ東草原』


『弱いスライムを倒すだけで大量の経験を得られる』


『初心者育成に最適』


『現在封鎖中』


 最後の一行が。


 宣伝として完璧に機能していた。


――――


「東草原を開放しろ!」


「子どもを一回だけ入れさせてくれ!」


「うちの息子はまだレベル2なんだ!」


「昨日来ればよかった!」


「レベル上げ代行を予約してるんだぞ!」


 東門前。


 門番二人の前に人だかりができていた。


 冒険者。


 商人。


 親子連れ。


 職人。


 なぜか老人。


 猫を抱えた女までいる。


「猫はやめてください!」


 門番が叫んだ。


「昨日、猫がレベル19になったって聞いたんです!」


「だからやめてください!」


 もう十分おかしかった。


 だが群衆の中で、さらに聞き捨てならない言葉があった。


「レベル上げ代行?」


 ミーナが聞き返した。


 若い商人が笑顔で振り返った。


「知らないんですか?」


「知りたくないですけど、聞きます」


「今ヴァルハラで始まった商売ですよ」


「昨日の今日で?」


「商売は速さですから」


 商人は胸を張った。


「低レベルの方をリスタまで安全にお連れして、効率よく成長させるサービスです」


「効率よくって?」


「スライムを踏んでもらいます」


「育成が雑すぎる」


「倒せれば方法は問いません」


「昨日生まれた攻略法を事業化しないでください」


「もう三社あります」


「増えるのも速い!」


 その後ろに看板を持った男がいた。


『初心者育成専門』


『東草原一周コース 50G』


『目標レベル10』


『達成できなければ半額返金』


 ミーナは頭を抱えた。


「昨日まで初心者を守るための草原だったんですよ……」


 商人は笑った。


「だから初心者を連れてきてるんじゃないですか」


「そういう意味じゃないんです!」


 理屈だけなら間違っていない。


 だから余計にたちが悪い。


――――


 問題の発端は、昨日の自動調整だった。


 高レベルの来訪者が大量に集まったことで、リスタ周辺は彼らを「現在の初心者」だと誤認した。


 そして生まれた。


《初心者用スライム》


《推奨レベル70》


 その後、高レベル勢を町の外へ移動させたことで再調整が入った。


《推奨レベル1》


 ここまではよかった。


 問題は。


 耐久力だけがレベル1相当まで落ちたのに。


 経験値が落ちなかったことである。


 弱い。


 ものすごく弱い。


 なのに美味しい。


 ゲームなら修正待ったなし。


 現実なので、修正担当者はいなかった。


「全員、下がってください!」


 門番が叫ぶ。


「現在、東草原は立入禁止です!」


 そのときだった。


「なら、西から回ればいいんじゃないか?」


 誰かが言った。


 静かになった。


 ミーナがゆっくり振り返る。


「……はい?」


 冒険者の男が西を指さした。


「東門から出られないだけだろ?」


「東草原が立入禁止です」


「でも柵は東門の前だけだ」


「……」


「西門から出て、街の外をぐるっと回れば」


「やめて」


「東草原に入れる」


「最後まで言わないで!」


 群衆が動いた。


 数十人が一斉に西門へ走り出す。


「待ってください!」


 ミーナが追う。


「今のは禁止区域を別方向から回り込もうとしてるだけです!」


 だが冒険者たちは速い。


 なにしろ高レベルである。


 初心者保護のために封鎖した草原へ。


 初心者ではない者たちが。


 ものすごい速度で初心者を連れて走っていった。


「グレンさん!」


「分かっている!」


 グレンが部下へ指示を飛ばす。


「西門にも伝えろ! 東草原への迂回禁止!」


「南は!?」


「南もだ!」


「北は!?」


「全部だ!」


 数日前まで魔王軍の侵攻を想定していた男が。


 今は経験値を稼ぎたい観光客の包囲網を警戒していた。


 平和になったはずなのに、防衛対象だけがおかしくなっている。


――――


 昼前。


 ようやく東草原周辺の封鎖が完成した。


「これで大丈夫でしょう」


 ポポルが汗を拭った。


「東西南北、すべて見張りを置きました」


「最初からそうしてください」


 ミーナが疲れた顔で答える。


 グレンは草原を見ていた。


「妙だな」


「何がです?」


「スライムが戻っている」


 草むら。


 一匹。


 二匹。


 三匹。


 青い塊が、ぴょんぴょん跳ねていた。


「昨日ほどではないが……」


 ミーナが近づく。


 表示を確認した。


《初心者用スライム》


《推奨レベル1》


「普通ですね」


「経験値は?」


「倒さないと分かりません」


「俺がやるか?」


「絶対やめてください」


「なぜだ」


「グレンさんが入ったら、また周辺環境が勘違いするかもしれないでしょう」


「……なるほど」


 高レベルであることが迷惑になる。


 グレンは最近、この感覚に慣れ始めていた。


「では誰が確認する?」


 ミーナは考えた。


 現在リスタに残る、本物のレベル1〜5。


 六人。


 そのうち一人が呼ばれた。


 レベル3の少女だった。


「一匹だけお願いします」


「はい!」


 少女が木の棒を握る。


 緊張した顔でスライムへ近づいた。


 一撃。


 ぽこん。


 スライムが潰れる。


《経験値を獲得しました!》


 少女が固まった。


「どうした?」


 ポポルが聞く。


「……上がりました」


「何が?」


「レベル」


「いくつに?」


「七です」


 沈黙。


 ミーナが空を見上げた。


「まだ直ってない……」


 レベル3から。


 一匹倒して。


 レベル7。


 昨日より少しマシかもしれない。


 マシの基準が完全に壊れている。


「もう一匹倒したら?」


 少女が聞いた。


「倒さないで!」


 ミーナが即答した。


「今ならまだ初心者に戻れる可能性が――」


 言いかけて止まる。


 戻る方法など知らない。


「……可能性が?」


「分かりません!」


「ええっ!?」


 少女が泣きそうになった。


「ご、ごめんなさい! あなたは悪くないから!」


 悪いのは経験値である。


 経験値が悪者になる日が来るとは誰も思っていなかった。


――――


「原因は分かったぞ!」


 午後。


 東門へグレンが駆け込んできた。


「昨日の再調整が不完全だっただけではない」


 ミーナが振り返る。


「何か見つけたんですか?」


「これを見ろ」


 グレンの部下たちが記録板を運んできた。


 昨日から今朝までの、東草原周辺にいた人間の記録。


「朝、高レベルの者を追い出した」


「あ、追い出したって言い方はやめてください。協力してもらったんです」


「同じだ」


「外交では違います」


 グレンは続けた。


「その直後、推奨レベルは1まで下がった」


「はい」


「だが今朝、封鎖の噂を聞いた連中が東門前へ集まった」


「はい」


「草原の中へ入っていなくても、門の周辺には大量の高レベル者がいた」


 ミーナの顔から表情が消えた。


「……まさか」


「周辺環境が再び参照した可能性がある」


「街の中にいるだけでも?」


「分からん。だが境界が門の位置と一致する保証はない」


 ミーナは頭を抱えた。


「範囲が分からない自動調整、一番困るやつじゃないですか……」


 そこへ。


「分かった!」


 群衆の中から声がした。


 昨日もいた冒険者の一人だった。


「何がです?」


「強い奴を集めれば、スライムの経験値が上がるんだろ?」


 嫌な方向に理解が速い。


「そして強い奴が離れれば、スライムは弱くなる」


「まだそうだと決まったわけじゃ――」


「つまり」


 男が笑った。


「先に高レベルを集める」


 ミーナの顔が引きつる。


「やめてください」


「強いスライムを出す」


「やめて」


「高レベルだけ離れる」


「聞かないで」


「弱くなったスライムを初心者が倒す」


「完成させないで!」


 男は拳を握った。


「これ、意図的に作れるぞ!」


 周囲がざわめいた。


 完全に理解されてしまった。


 昨日までは事故だった。


 今日からは攻略法である。


「待ってください!」


 ミーナが叫ぶ。


「まだ一度しか確認してません!」


「じゃあ試そう!」


「試さない!」


「検証しないと分からないだろ!」


「分からないままでいいこともあるんです!」


 しかし。


 冒険者という人種は。


 分からない仕組みがあると。


 試す。


 特に利益が出るなら。


 もっと試す。


――――


 一時間後。


「高レベル組、入れー!」


「入るなー!」


「調整表示出たぞ!」


「確認するなー!」


「推奨レベル上昇!」


「喜ぶなー!」


「高レベル組、出ろ!」


「手順化するなー!」


 東門前が訓練場のようになっていた。


 グレンの部下が止めている。


 ミーナも止めている。


 だが検証したがる冒険者が多すぎる。


「第二区画まで退避!」


「了解!」


「低レベル組待機!」


「待機するな!」


「再調整確認!」


「確認しなくていい!」


「耐久低下!」


「やった!」


「やったじゃない!」


 誰かが木札へ書き始めた。


『手順』


『一、高レベル者を集める』


『二、環境調整を待つ』


『三、高レベル者を離す』


『四、耐久低下を確認』


『五、低レベル者が討伐』


 ミーナが木札を奪った。


「攻略手順を残さないでください!」


「なんでだよ!」


「広まるからです!」


「もう広まってるぞ」


 男が後ろを指した。


 商人が紙を大量に配っていた。


『最新版』


『リスタ式高速育成法』


『必要人数・推奨配置つき』


「印刷が早い!」


「情報は鮮度が命です!」


「昨日から商人が全員それ言う!」


 事故は研究され。


 研究は手順になり。


 手順は商品になった。


 人類は便利になるために文明を発展させてきた。


 今回は、便利にならない方がよかった。


――――


 夕方。


「五人です」


 町役場。


 ミーナが言った。


 ポポルが顔を上げる。


「何が?」


「レベル1から5の冒険者です」


「朝は六人だったはずでは?」


「一人、確認のためスライムを倒してレベル7になりました」


「ああ……」


「だから五人です」


 四十三人。


 六人。


 五人。


 初心者が絶滅危惧種になりつつあった。


「しかも」


 ミーナは別の紙を置いた。


「レベル6以上になった元初心者三十八人のうち、二十一人が初心者向け依頼を受けられません」


「残りは?」


「対象レベル制限のない雑用を奪い合っています」


「……」


「薬草採取、荷物運び、掃除、迷子探し。全部です」


「初心者が?」


「元初心者同士で」


 新人同士の競争が。


 一日で中級者向けの数字になっただけで、何も成長していない者たちの間で始まっていた。


 グレンが低い声で言った。


「このままではまずい」


「はい」


「初心者向けの仕事を増やすしかない」


「でもレベル制限があります」


「なら制限を外せ」


「それをやるとヴァルハラから来た高レベル者が全部持っていきます」


「では高レベル者を禁止する」


「停戦条件で非軍事往来を認めたばかりです」


「では初心者だけ受けられるようにする」


「今、その初心者判定から元初心者が外されてるんです」


「……」


 グレンが黙った。


 完璧な袋小路だった。


 レベルで区切れば、本物の初心者が弾かれる。


 レベルで区切らなければ、高レベル者が奪う。


 高レベル者を追い出せば、停戦後の往来に影響する。


 放置すれば、経験値稼ぎが続く。


「詰んでません?」


 ミーナが言った。


「その言葉を簡単に使うな」


「じゃあ別の言い方します」


 ミーナは机に額をつけた。


「詰んでます」


「同じだ!」


――――


「まだなのか!」


 そのころ。


 リスタの道具屋では、別の男が別の意味で詰んでいた。


 ガルド・バルバロッサ。


 終焉都市ヴァルハラ市長。


 この戦争を始めた男である。


 そして現在。


 初心者チュートリアル中である。


《道具屋へ行ってみましょう!》


 昨日から残っていた案内に従い、ようやく道具屋へ到着した。


 扉を開ける。


《道具屋に到着しました!》


「よし!」


 ガルドが拳を握った。


 次の文字が浮かぶ。


《回復アイテムを一つ買ってみましょう!》


「店主!」


「はい!」


「一番安い回復道具を寄越せ!」


「売り切れです!」


「なぜだ!」


「観光客が全部買いました!」


「……」


 ガルドが固まった。


 棚は空だった。


 薬草。


 小さな回復薬。


 毒消し。


 初心者用の安価な道具が、一つもない。


 ヴァルハラから来た観光客が。


「安い!」


「記念になる!」


「初心者時代を思い出す!」


 という理由で買っていった。


「高級回復薬ならあります!」


 店主が瓶を出す。


「ではそれを買う!」


《初心者には高価すぎる商品です》


《まずは手頃な回復アイテムを買ってみましょう!》


 ガルドのこめかみに血管が浮いた。


「俺は初心者ではない!」


《まずは手頃な回復アイテムを買ってみましょう!》


「金ならある!」


《まずは手頃な回復アイテムを買ってみましょう!》


「ヴァルハラ市長だぞ!」


《まずは手頃な回復アイテムを買ってみましょう!》


 ガルドが震えた。


 店主が申し訳なさそうに言う。


「明日の入荷まで待っていただくしか……」


「戦争より進まんぞ、この街は!」


 戦争はもう終わった。


 市長のチュートリアルは終わっていなかった。


――――


 日が沈み始めたころ。


 町役場の上空に。


 久しぶりに大きな文字が浮かんだ。


 最初に気づいたのはミーナだった。


「……え?」


 ポポルが窓へ近づく。


「どうした?」


「文字が」


 広場。


 東門。


 冒険者組合。


 宿屋。


 道具屋。


 リスタのあちこちで、同じ表示が浮かび始めていた。


《初心者支援状況を確認しています……》


 ミーナの顔色が変わった。


「待って」


《現在の初心者人口を集計中……》


「待って待って待って」


 グレンが立ち上がる。


「何だ?」


「嫌な予感がします」


《推奨初心者人口を大きく下回っています》


「そこは合ってます!」


 ポポルが少し喜んだ。


「おお、問題を認識してくれたのではないか?」


「喜ばないでください!」


《初心者のみなさんが成長しやすい環境を整備します》


「違う!」


 ミーナが窓を開けた。


「今それをやったらダメ!」


 当然。


 誰も聞いていない。


《初心者応援期間を開始します!》


「やめてえええええ!」


《獲得経験値》


《二倍》


 リスタ全体が。


 静まり返った。


 東草原で。


 ぽよん。


 一匹のスライムが跳ねた。


 それを見たレベル2の少年が、ゆっくり後ずさる。


「……僕」


 震える声で言った。


「絶対、あれ倒さない方がいいですよね?」


 ミーナは答えた。


「逃げて」


 はじまりの街は。


 初心者を増やすために。


 初心者が消える速度を二倍にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ