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悪魔がウチにおりまして  作者: 長峰永地


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1315/1316

悪魔がウチにおりまして・1304

ウチには悪魔がいる。

低い声で咳込んでいる悪魔が。


「ニンゲン、お薬ー」

布団で寝込んだ悪魔がゴロゴロと転がってくる。

「ちゃんと歩きなさい」

布団にくるまったまま転がるものじゃありません。

「作者に移された?」

作者も絶賛風邪引いてるらしいから。

「いえ、ちょっと遊び過ぎました」

そんなことでこんな寝込む?

「こんなことなら『どきっ☆悪魔だらけのおしくらまんじゅう』に参加しておけばよかったです」

なんなの、その絶妙に気になるタイトルは。

「悪魔族の風物詩です、みんなで寄り集まって酒を飲み、ぶつかり合って最後まで立っていたら優勝です」

想定以上に荒々しいお祭りだった。

「そうですとも!」

なぜかハゲかつらを被った羊が飛び出してくる。

「ミミ君不参加のせいで私は1ヶ月この有様!ああ、口惜しい、口惜しい!」

「げほっ!羊さん、ウィルス持ち込まないでくれます?」

「おかしい!」

相変わらず仲いいなぁ。

「負けたは負けたんだろうけど。なんでかつら?」

それだけで済んでるならむしろ温情じゃない。

「日常をこの格好で過ごすのが温情で?」

私は絶対嫌だけど。

「このかつらは歴代の敗者に授けられる不名誉なんです」

嫌な伝統もあったものだ。

「別に外しても構わないのですが、ちょっと美味しく、皆がお茶奢ってくれたりします」

実質の名誉じゃない。

「そうは言っても羊さん、ボクがいないだけで負けるなんて情けないですー」

どういうルールかわからないのでなんとも言えないけれど。

「牛さんも来ませんでした」

「……」

悪魔は目を反らし、わざとらしく咳込む。

「そのおしくらまんじゅう、何人でやるの?」

「……3人、です」

そりゃ怒られるって。

「でも!牛さんは出ると思って!」

「牛さんは膝に水が溜まって病院でした」

2/3故障なら勝てないでしょ。

「なので、ここに貰ってきました」

羊は、ハゲかつらを取り出す。

「嫌です!こっちでは誰も慰めてくれません!」

「問答無用!」

「あー!」


ウチには悪魔がいる。

「取れば?」

「決まりですから」

律儀に辱めを受けている悪魔が。

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