悪魔がウチにおりまして・1301
ウチには悪魔がいる。
ゲームを持って震えている悪魔が。
「ニンゲン、これ一緒にやりましょ?」
こちらに見せてきたパッケージにはおどろおどろしいドクロの書かれている。
「ホラゲ?」
「悪魔の肝っ玉です」
絶妙に怖いのかわかりにくいタイトル。
「ビビってるの?」
「違います、これ協力プレイ限定なのです」
さすがに怖がってなかった。
「私、ゲーム下手よ?」
ちらりとクモを見ると脚でばってん。
「どんなゲームなわけ?」
内容次第でやるかやらないか決まるじゃないの。
「えっと、上半身と下半身操作して迷路を抜けます」
……なんだって?
「それ、ひとり?」
「ですです、ひとりの上半身と下半身をですね」
そのコンセプトのゲームをコイツが作ったならわかる。
「肝っ玉ってどの要素が?」
「実は、この肝っ玉を上半身と下半身で奪い合うんです」
協力プレイって言ってなかった?
「明らかに争奪戦じゃない」
「それも違うのです。迷路を抜けるまでは協力しないと」
最後は結局バトルじゃないの。
「実はそれだけではなくー、ネタバレになるから言えないんですけどー」
コイツは内容を知っているわけね。
「いいけど、本当に下手よ?」
ゲームなんて本当にやってないんだから。
「そうしたらやりましょうー」
悪魔は嬉しそうにコントローラーを渡してくる。
チープなタイトル、レトロな音楽。
そこに浮かび上がるタイトル。
「ニンゲンは上半身と下半身、どっちがいいですか?」
「どっちでも」
違いがわからん。
「それなら上半身をどうぞ」
悪魔が下半身を選び決定。
こちらの画面に翼の生えて獣の上半身が出てくる。
「なにこれ」
「悪魔です」
主人公が悪魔だったのね。
実際悪魔側の下半身もどう見ても異形。
「肝っ玉を回収すると完全体になれるのですー」
それがタイトルですか。
実際始まってみるとパズルがそこそこ難しい。
そして上半身と下半身の特性を活かさないと進めないパズルのオンパレード。
完成度が高く、やっていて素直に楽しめた。
「さぁ、ラストです」
光る肝っ玉、さっさと取る私。you loseの文字。
「あっ、やっちゃったですねぇ」
ニヤつく悪魔の頭をはたくのだった。
ウチには悪魔がいる。
「初見の反応は美味しいですー」
愉悦部の悪魔が。もちろんもう一発叩きましたよ。




