悪魔がウチにおりまして・1216
ウチには羊がいる。
部屋の真ん中で座禅を組んでいる羊が。
「……どういうこと?」
アンタの家は隣でしょう、自分の家でやりなさいな。
「わからないのですー、帰ってきたら羊さんが居座ってたですー」
あんまりな状況に悪魔も眉を寄せている。
「ほら、羊。悪魔をビビらせないの」
状況がわからないと怖いのは悪魔も私たちも一緒である。
しかし羊は慌てず騒がず、ゆっくり目を開ける。
「おや、ニンゲンさん。今日も良い日ですね」
アンタのせいでだいぶ謎の日に突入してるけどね。
「羊さん!いったいどうしたです?昨日はあんなに楽しかったのに!」
昨日?アンタたち遊んでたの?
「ミミ君、世界は無常、この先に進みたいのであれば、私を倒し」
羊の言葉を最後まで待つことがで思わず足が出てします。
「ニンゲン、もう少し我慢を」
する必要が無いと判断しました。
しかし羊は私の足を顔に受けてなお穏やかな笑みを称えている。
「良い、良いのです。他者とは分かり合えぬもの、マヨネーズは和えるもの」
もっと力を込めておけばよかった?
「羊さん!ボクはゴマドレが良いです!」
アンタも足を貰いたいの?
「どうでもいいけど、今日はどうしたのよ」
「まぁ昨日ミミ君と徹夜で飲んでまして」
そんなことと思ったけど。
「妻にどやされまして」
悪魔、アンタも同罪だからね。
「ちなみに神ちゃんも一緒に飲んでました」
羊、アンタも辛いんだねぇ……。
「ちなみに妻としてみたらつまみが美味しくないことで怒られました、妻が作ったのに」
お酒のせいで作ったこと忘れてるのかなぁ?
「ちなみに妻の作ったトン汁は美味しいです」
「徐々に任される料理増えたらしいですー!」
どうでもよろしい。
「で、家から締め出されてると」
「おかしくありません!?私悪くないですよね!?」
それはそう。だけどウチに居ていい理由にはならん。
「ニンゲンさんの悪魔で無し!」
それわざと言ってるでしょ。
「かと言って謝る理由もありませんし、ここで謝ったら、ねぇ?」
伏し目がちに居住許可を取るなよー。
「そこでご本神に来てもらったですー」
遠慮ねぇな、悪魔。
後ろから顔を伏せて出てくる神ちゃん、逃げ出そうとする羊。
「やっぎー、ごめんね。理由も知らずに追い出して……」
酒癖、悪いのかなこの子。
「これからはちゃんとおつまみはトン汁にするから」
それもどうなんでしょう。
「良いのです、わかってくれれば……」
イイハナシダナー。
隣で泣いている悪魔が鬱陶しいんだけど、どうしよう。
ウチには悪魔がいる。
「ニンゲン、美味しいおつまみでお酒っていいですよね」
楽しかったんじゃないのー?




