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悪魔がウチにおりまして・1215

ウチには悪魔がいる。

ローブを目深に被った悪魔が。


「この物語は、偉大なる叙事詩の最初の1ページ目です」

どわぁぁぁん。

脇に控えていたうぱが銅鑼を鳴らす。

「うぱちゃん、楽器が違います。一気にアジアンになってしまったのです」

「うぱぁ?」

うぱ、もう一度振り被る。

「ストップです、これ以上鳴らしたらごんちゃんが飛んできます」

音量で怒られそうだもんね。

「それよりも悪魔、叙事詩って?」

「雰囲気です」

それがわかっているならばよろしいです。

「ほらーボクって一応悪魔じゃないですか?神秘じゃないですか」

自分の種族を一応って言わないの。

「だからそれっぽい物語でっち上げたら信じてもらえるかなって」

この時点で信憑性がゼロになったことは気付いている?

「そういえばアンタブログとか書いてたものね」

「ボク、文章チョット書ける」

ずいぶん古いミームを言うものですね。

「ふっふっふ、ボクの手にかかれば1,000年先も可愛い君の手です」

それって元は100年じゃなかったっけ?

「じゃあ聞いてあげるから、話てごらんなさいな」

「とくと聞くですー!」

悪魔はわざとらしい咳払いののち、持っている革張りのノートをめくる。

「これは、ビニールハウスで起きた物語」

「ストップ」

言うに事欠いてビニールハウス?

「なんですか、まだ物語は始まっていません!」

「近代過ぎません?」

叙事詩ってもっとこう、古い時代から始まらない?

「何を言っていますか。そのまま残ったから古いだけでその当時のことを書いているのですよ?」

……珍しく悪魔が正しい。

「それなら続けていいよ」

「ふふんっ。そのハウスでは大ぶりのイチゴを育てていました」

どわぁぁぁぁん!

「うぱちゃん!嬉しいからって鳴らしちゃダメですー!」

うぱに棒を持たせたのが間違いでは?

「……このビルは防音をちています。それなのに肉まんを食べたくなる音がすると苦情が」

その苦情入れた人と会ってみたい気がする。

「ごんちゃん!これは違うのです!ボクのせいじゃないのですー!」

今回はうぱが荒ぶっているだけだからなぁ。

「構いません。ただ、肉まん苦情はすでに7件」

ここのビル、ヒマなの?

「ミミ殿、肉まんの作り方、わかりますね?」

「調べますっ!」

この程度で納まるなら普段に比べて良いものね。


ウチには悪魔がいる。

「あとは蒸すだけです」

手際よく肉まんを仕上げた悪魔が。

どわぁぁぁぁん!

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