悪魔がウチにおりまして・1200
ウチには悪魔がいる。
マシンガンを打ち続けている悪魔が。
「ニンゲン!玉を!」
悪魔が鬼気迫る勢いで叫ぶ。
玉、玉……これで良いのかな?
足元にあったゴルフボールを渡すと悪魔は目をまん丸にした。
「ニンゲン、こういう時普通銃弾じゃないです?」
だって無いし、玉って言ったし。
「その玉、固いから投げてみたら?」
「致し方ないです」
嫌なら良いのよー?素手で突撃なさい。
「よっこいしょー!」
間の抜けた声ながら、悪魔が投げたゴルフボールは一瞬で見えなくなる。
ふたりで飛んで行ったゴルフボールを眺めるが見えなくなったものは仕方ない。
「ところで誰と戦ってるわけ?」
「それがわからないのです」
おっとこんなところに適度にバットみたいな木が。
「振りかぶるなです。何でもかんでもボクのせいと思ったら大間違えですよ?」
何でもとは思ってません。せいぜい89%くらいです。
「それをほとんどと言うのです。くぅ、これも昨日ゴミ捨て場からゴーグルを拾ったせいです」
……うん、原因アンタじゃない。
「ちなみに、ここがゲームの中の可能性は」
「大いにあります」
ならゲームよ、ここゲーム。
「ですがニンゲン、ご都合主義ゲームにはありがちなゲームの死が現実の可能性もあります」
んなこと宣う悪魔の首根っこを掴んで飛んでくる銃弾の前にぶら下げる。
「いだだだだ!ニンゲン!なんばしよっと!?」
うん、大丈夫そう。
「少なくとも死んでも死ななそうで安心」
「せめて謝りません?痛かったです」
「すまん」
「軽い!?」
そんな漫才している場合じゃないでしょ。
「どうやってここからぁ……」
変に言葉が間延びしちゃったのは目の前にポテチ食べてるイモ虫が歩いていたから。
「あれ、ミミちゃんとニンゲンさん?」
悪魔は先ほどの自分よろしく、イモ虫の首を以下略。
「イモ虐はいけないと思うの」
銃弾を受けて頭に怒りマーク付けるだけのヤツは虐ってません。
「イモちゃんのせいですー?カリっと揚げますよー?」
「イモのフライ」
「ニンゲン!煮えた油を!」
あるわけなかろう。
「そのゴーグルの右側にボタンあるからー、それ押せばモニターきえるんじゃないー?」
はいはい、後で揚げる。
イモ虫に言われた通りボタンを押す。
……あれ?
ウチらは廃墟にいる。
先ほどまで戦っていた廃墟に。




