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悪魔がウチにおりまして・1197

ウチには悪魔がいる。

ロケットに括りつけられた悪魔が。


「ニンゲンー!助けてほしいですー!」

今にも発射しそうなロケットの先端から声がする。

あー……あそこかぁ。

ウチには悪魔がいた。

今は宇宙で元気に……。

「まだ!飛んでない!」

さすがに無理よー、ロケットの先端はー。

この距離の意思疎通は無理だから悪魔のスマホに電話をかける。

『もしもしー、ニンゲンですー?』

「出れるなら戻って来れない?」

『今……電波に……直接話しかけて……』

良し、私の部屋が広くなるための機会だった。

このことは忘れよう。

『切るなです!こんな状態で燃え尽きるのは嫌です!』

というか掛け直して来れるんかい。

「こっちからじゃ見えないんだけどどういう状況?」

『鎖で縛られてるんですよねー』

ただの鎖なんでしょ?

「ちぎりなさい」

『あいー』

電話口で金属が避ける音がした。できるのか。

「アンタと話してるとバカらしくなるの、私だけかなぁ」

『日常とは、バカの積み重ねですよ』

嫌ですよ、そんな日常。

『それよりニンゲン、大問題です』

なに?縛られてないならさっさと降りてきなさいな。

『どうやって?』

ロケットを見上げる。結構遠いけど首をあげないと先端は見えない。

「アンタ、モモンガに弟子入りしてなかった?」

『布がないので無理ですー』

「ほら、備えて折り畳み傘を持ち歩かないから」

『それでこの高さ生還したら、それはそれで生き物辞めてません?』

悪魔という種族が弱音吐かないの。

『そればっかりは種族関係ないと』

「はい、また掛けるねー」

電話の向こうで叫び声聞こえた気がするけど気のせい、気のせい。

とりあえず、羊に電話。

『もしもし、ニンゲンさん。珍しいですね、掛けてくるなんて』

「アンタ、飛べたっけ?」

『……羊、見たことありませんか?』

飛べないことくらいわかってるの、飛べって言ってるのよ。

今の状況を説明すると羊は間抜けな声を漏らした。

『状況が、理解を拒んでいるのですが』

奇遇ね、私も。

「でも、悪魔がロケットの先端にいるの本当みたいで。やっぱり、諦める?」

『選択肢に入れないでください。とにかく発射を止めれば良いのでは?』

あ、そっか。そのこと忘れてた。

「ニンゲンのー!おバカー!!!」

「……羊、やっぱり発射する?」

『助けてあげてください』


ウチには悪魔がいる。

「……怖かったです、本当に」

地面の上で震えている悪魔が。

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