悪魔がウチにおりまして・1196
ウチには悪魔がいる。
モチをのびのびしている悪魔が。
「飽きました!」
それは伸ばすこと?食べること?
「もちろん、両方です!」
「そういうけど、そんなに食べた?」
確か太ったとか言って避けてたはずなのに。
「ミミ殿は裏でおかきにして食べてました」
調理方法変えて……というかさらに高カロリーにしてるじゃない。
「ごんちゃん!それは言わない約束です!」
「隠す約束ちておりません」
最近狐、辛辣だよなぁ。
「というわけでこのオモチを美味しく頂く助っ人を呼びました!」
「タスケテー」
正しいけど罪悪感は無いのかな?
悪魔が連れてきたのは喋るヨモギ。知性があるのかは知りません。
「というわけでヨモギたち!モチに突撃です!」
「連れてくー」
待ちなさい、毛玉!
悪魔の号令でヨモギと共にけさぱさがモチに入っていく。
「……さて、突き直しましょう」
食べるの?毛玉ヨモギを?
「ほら、どちらも身体に良いはずです」
私の目を見て言えるかなぁ?
「ほらけさぱさ殿、そのオモチはあげますので」
毛玉まみれ、ヨモギまみれのモチをどけて新しい……モチ?
「あずきです」
「ごんちゃん!それはぽんちゃんのところの!」
「初あずきを頂きました。これをあまーくあまーく炊いてモチにからめましょう」
「天才です!」
悪魔は小躍りしながらキッチンからお皿と匙を取ってくる。
「ダイエット、いいの?」
「来世からです!」
1万年生きているヤツの来世って何なのよ。
しかし、狐の用意した鍋、大きくない?
「なぜか豆はたくさんで煮ると美味ちいのです」
リビングに電熱器を置いて寸胴鍋の中で大量の豆を炊く。
クモとうぱは目を輝かせて見下ろしている。
「タスケテー」
「連れてくー」
モチを食べきった毛玉がヨモギを連れて戻って来た。
「ぱさちゃんとヨモギも食べるです?」
「タスケテー」
応えるな、知性を出すな。
「ダメです、ヨモギの栄養になって増えたら困るじゃないですか」
ナイス、狐。ちゃんと植物として割り切った。
「でもー自生してくれたら採りに行かなくて良くなりません?」
「……一理あります」
理はないからね?
ウチには悪魔がいる。
「やっぱりヨモギモチにはあんこですー」
キチンと突き直した悪魔が。




