悪魔がウチにおりまして・1188
ウチには悪魔がいる。
牛と向き合っている悪魔が。
「待ったです」
「ミミさん、またですか?」
ちらりと何しているのか見ると盤面の上に白黒の石。
「囲碁は難しいのですー」
そういえば前私とやった時もすごく弱かった気がする。
「要するに陣取りゲームなんですけどねぇ」
詳しいルールは各々調べてください。長くなるので。
「牛さん、チェス覚えましょうよー」
「西の文化は馴染まなくて」
そこの牛さん、西洋でメジャーな葉巻を吸おうとするの辞めてくれません?
「むぅ、最近天使さんが都合付かなくて」
もともと天使とチェス友……この情報、濃いなぁ。
「だけどボクの脳細胞は労働を求めています!」
「だから囲碁やってるんじゃないですかぁ」
「しゃらっぷです!」
付き合ってあげてる牛、不憫。
「この囲碁というのはなんですか!なぜ石は丸いのですか!」
「掴みやすくするためじゃないですか?」
牛はじゃらじゃらと石を片付け始めている。
悪魔が飽きていることに気付いたのだろう。
「ボクは敵をなぎ倒したいのです!剣で、銃で!相手の王をうち滅ぼすのです!」
「クイーンが代替わりしまーす」
あー、そんなルールあったね。
「女王、なんで縦横無尽ですか!普通ドレスでしょう!」
それは納得。時代背景的に戦場に出る訳でもないからね。
「実はあの時代の女王はドラゴンであることが多く、そのため王より強いらしいですよ」
牛は絶対に嘘を吐いているんだけども悪魔は目を輝かせている。
「ドラゴンが国を治めてたですか!それは事実なのでござるですか!」
興奮のあまり口調変わってるじゃない。
「なに?ドラゴンそんなに好きなの?」
「全然!」
何でなのよ。
「ほら!ドラゴンなら遠慮なく倒せます!」
ええい、このケンカ脳め。
「牛も何か言ってやってよ」
「なにか」
シバいてやろうか。
「ミミさん、実はあのチェスのモデルはユニコーンもいまして」
「あのいけすかねー馬ですか!」
言い方が酷い。
「ナイトですか、あの馬がユニコーンですか!」
「いえ、ポーンから成ったナイトだけユニコーンなんです」
嘘に嘘を重ねていくねぇ。
「つまり!ポーンは駆逐すればいいんですね!」
アンタのそのユニコーンに対しての悪意は何なのよ。
「なのでミミさん、ユニコーンのいない囲碁を覚えましょうね」
「それとこれは違います!」
そりゃそうでしょうね。
ウチには悪魔がいる。
「将棋なら良いですかねっ」
少しばかりチェスに寄せてきた悪魔が。




