鍛錬
ふと、目覚めるとまだ外は暗かった。
よし、と呟くとベットから降りてそばに立てかけてある妖刀を掴んだ。
そのまま、部屋を出て1階に降りていった。
朝早いこともあり他の客に会うことはなくそのままエントランスを出られた。
早朝の街は人も少なく、元気な老人や朝から忙しい商人以外は街道を歩いていない。
街道を駆けていくとすぐに門が見えてきた。
大きな門の下にいる衛兵に挨拶したら
目の前には広い草原が見えてきた。
大きく息を吸い込むと前に全力で走る。
まさに大地を駆けていて見える景色も目まぐるしく変わっていっているが、それだけ走っても全く体力は減らない。
一度も減速することなく
草原から小さく見えていた森にたどり着いた。
「ここなら存分に体が動かせる」
そう呟くと、左手で握っていた妖刀を抜いた。
異次元ボックスにさやをしまうと
俺を狙っていたゴブリンと目があった。
その刹那地面を蹴ってゴブリンの首を切り裂く。
スパンと斬られたゴブリンは痛みすら感じずその命を終える。
見る人を魅了するほど綺麗に斬ったが、その程度で満足はできない。
速度も力強さも、地球にいた頃より劣っている。唯一型は綺麗だったが。
これも鍛錬をしていなかったせいか。
仕方ない、鍛え直すか。
頭の中で昨日戦った狼を思い出す。
さらにそれを10匹ぐらいに増やす。
想像の中で狼10匹と戦う。いわゆるイメージトレーニングだ。
気性の荒い狼が我慢できずに飛び込んできた。
狼の首を斬るのでもなく、刃で受け止めるのではなく、ひらりと避ける。
攻撃する対象がいなくなり動きが止まった。
斬、と首を切って次に飛び込んできた二匹の歯を刃で受け止めそのまま顔面を蹴る。
どすっ、っと鈍い音を立てて狼が飛んでいった。
一瞬で3匹でやられたことに怒った狼は群れで跳んできた。
一番前にいた狼の顔を斬りつけ、動作が完了したところを狙い跳んできたのをかわす。
その勢いで踏み込み斬って、警戒し少し離れているやつらを一掃する。
残りは二匹だ。
走りながら斬りつけさらに斬りつける。
最後の一匹もバタンと倒れると、
スー、と狼たちの姿がかき消される。
「いくら10匹いたとしてもあまり上達には繋がらないか」
せっかく鍛錬しても想像しているのがショボかったら意味がないか。
そう思いながら今度はモンスターでも狩ろうと森の奥に進んでいった




