ログダマル迷宮攻略4
俺たちは2層のボスの居場所に歩いていた。
途中にあった“トラップ”ーーモンスターハウスには異形の怪物が出た。
そいつは物理攻撃が効かなかったから焦った。
そもそも刀で切れないものはない。しかも神様がくれた刀だ。切れ味抜群かつ耐久性抜群だ。俺には、それを扱う技術はあるはずだ。
もしかして俺弱くなっている?
ーーまさかな。
とっさに頭の中で否定するが、なんとなくそんな気がしている。確かにここにきてから刀の練習をしただろうか?
ーーしていないな。
頭の中でもう一人の自分がボソリと呟く。
1週間やそこらでは腕は大きく落ちないが、だからっと言って鈍るものは鈍るだろう。
よし今度1日ぐらいかけて運動するか。そう決めるとなんとなく落ち着いた気分になった。
そう脳内会議していると2層の主さんの前に来た。鍵を探すのもめんどくさいからそのまま切り裂いて一歩踏み出した。
扉を壊すと中にはシャーと雄叫びを上げる蜘蛛がいた。
どうやら2階層のテーマは蜘蛛らしい。
確かにいろんなところに蜘蛛の巣のトラップがあって手こずったな。
まあ虫には炎と決まっているし、炎を付与するか。
ーー『火炎付与』
最近ようやく感じれるようになった魔力を刀に込め燃え上がらせる。
右から左へ切り裂くとトラックのような大きさがある蜘蛛が真っ二つになった。
チロリン♪
二層のボスを倒したという通知を聞き流し、目の前にできた大きな階段を覗き込んだ。
「思ったよりあっけなかったな」
「そうですね。流石旦那様です!」
「さあ、次の層にに行くか」
そういえばこの迷宮は何層あるのだろうか?
この世界の成り立ちにしろ色々なものを知らないといけないな。
ダンジョンをある程度潜ったら聞いてみるか。
やるべきことが多いな。
第三層に入るとムワッとした熱気に包まれた。
温度計で測れば五十度近くの数値を出すのではないだろうか?
「暑いな」
「暑いですね」
アリスたちも暑いと言っているし何か対策をしたいな。
涼しさ、涼しさ……冷やすか。
ここから先どんな敵が来るか分からない状態で無駄に魔力を消費するのはよくないな。
一番消費が少ない詠唱でするか。
「『世の理を読み解き凍てつく吹雪で立ちはだかるものを凍らせ…アイスストーム』」
と言いつつも、魔力操作によって 冷たい! ぐらいの温度でかつ、優しい風が渦巻くようにする。
「ご主人様。何かしましたか?」
「暑すぎるから冷やしてみたんだ。」
「そんなことも出来るのですか。流石です」
湯気が出ている洞窟を抜けると、目に前は火山の中だった。
マグマが吹き出て、火山灰が飛んでいる。
壮大な風景ともいえるが、燃えているモンスターがウヨウヨといる。
「俺から離れるなよ」
「はい、わかりました」
目の前の炎を纏っているスライムに『鑑定』を使うとファイヤースライムという名前だということが分かった。名前はそのままでわかりやすい。
攻撃方法は炎を纏い突進してくることで、食らうと火傷どころのレベルじゃ治らないらしい。
刀で近距離戦闘をしてもいいが氷魔術の練習をするか。
『アイスヴァレット』
そう頭で念じ、手の上に氷の弾丸を構築し放った。
魔力操作でアサルトもしくはドリルのように回転させ攻撃力を上げる。
スライムに当たるとそのまま貫通し呆気なく倒れた。
死んだように見えたスライムは炎を巻き上げ爆発した。
スライムがいたであろう場所には大きな陥没ができている。
「最後の自爆攻撃は危険ということか」
「そのようですね。気をつけないと」
歩いていくと宝箱があった。
「宝箱があるな。」
「そうですね。罠の可能性があります。気をつけてください」
まず、周りを確認する。そして宝箱ごと刀で軽く切った。
金属である箱を豆腐のようにスルリと切り裂く感じがたまらない。
ミミックではなかったようだし危険は無いな。
真っ二つに切れた宝箱の蓋をどけると、
パッパラパーン♪
とファンファーレが鳴り響き頭の中に声が響いた。
/三階層のボスの部屋の鍵を手に入れました!/
「聞こえたか?今の」
「聞こえました。これで初めて正規の攻略方法で行けますね」
「ああ。そうだな」
ようやくダンジョン攻略っぽいことになってきたな。今までは力技でゴリ押ししていたし。
よっしゃ、やってやるか。
俺たちは、どんどん火山の中央の方へ歩いていた。
ふと何かの視線を感じた。ねっとりの絡みつくような視線でなんか嫌な感じがする。
左右を見渡すがモンスターどころか虫一匹飛んでいない。
「ご主人様、上です!」
「、ッ!」
エリアの声を聞き咄嗟に上を向くと干からびたゾンビが俺に目掛けて燃えた棍棒を振り下ろしていた。
俺の頭を狙っていた棍棒を右に避け、空中で抜刀し斬った。
「いい手応えだ」
「やりましたでしょうか?」
それを口にしてしまったか。なんか嫌な予感がするな…。
そう思った矢先土煙の中からゾンビが飛びかかってきた。
「こいつナニものだ?確かに心臓を切ったぞ。」
動きはそれほど強くないが力は強い。
力がうまく分散するように攻撃を刀で捌き、『鑑定』をした。
/枯死体
普通の不死者より生命力が高く首が取れようが構わず攻撃してくる。
火にも強く神聖魔法か強力な氷魔法もしくは物理的に切りまくらないと倒せない/
なるほど、氷と光か…。
光魔法は使えないし、氷を付与して斬るか。
『魔法付与ーアイス』
妖刀が魔力を吸い青く光り、見る見るうちに表面は凍りついた。
息を整え、目の前に集中する。狙うは攻撃が終わった時、
棍棒が地面に当たった、
「今だ!」
地面を蹴り首元を斬った。そして、首がポロリと落ちる。刃の向きを変え今度は逆袈裟で斬る。
ふらりと枯死体は倒れ揺らめき倒れた。
「ふう、思ったより強かったな。」
「そうですね、でもおかしいですね。普段のダンジョンはゴブリンのような雑魚的がたくさん出るものだと聞いていたのですが。枯死体なんてそれこそ魔境でしか出ないはずなのに」
「倒せないことはないが、まあ練習が足りないのかな」
「そんなことないです。ご主人様はいつも頑張っています!」
「エリアは優しいな」
「えへへ」
エリアの喜ぶ姿を見ると気分が和む。思わずネコ耳を撫でたくなるぐらい。
ふと、サッと何か寒気がした。枯死体やオーク、謎のでかいゴブリンなんかとはレベルの違う圧倒的な強さを感じた。
ナニがいるのか。ヒトなのかマモノなのか?
「行くぞ!」
俺たちは火山の最心部に進んでいった。
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