反省しながら王都に移動
会食も無事?に終わり、お開きとなり、早速数人を呼んでのケアが始まる。
確かに俺はスケベで決して嫌いではないよ、嫌いでは。
考えようによっては天国だと言えるけど、本当にこんな生活を続けていたらそれこそ天国に召される運命になりそうだ。
もっとも隠れスキルに性豪があれば……絶対にあるだろう。
もう決定事項だな。
あっという間に7日間は過ぎた。
今回俺に同行してくれるのはエリーさんとマリーさんの二人だが、王都には先に俺とサーシャとダーナの最小限で向かう。
貴族の移動としては決して褒められるようなことではないけど、仕方がない。
できるだけ、領地に残る必要があったことと、王都にはできるだけ余裕を持って到着したかったという事がある。
宰相との面会には後から追いかけてくるマリーさん、エリーさんが王都に着いてからの予定にしている。
公式な面会でないので、嫁さんでもない……実質嫁さんなのだが、貴族の正妻でないので普通は失礼に当たるらしいが、そんなの知らん。
そもそも他領のことに関わらせること事態が異常なのだから、俺らのことを責められるいわれなど無い。
それに何より重要な事として、俺が貴族政治にひどく弱いというのがあるので、俺だけの面会は周りから止められてもいる。
その点。長らく王都にいたお姉さん方は貴族ではないけど、そういう裏のことまで詳しいので、こういうことにはめっぽう強いらしい。
王都に向かう前に、俺も貴族になったこともあって、いろいろと面倒だが、挨拶していかないとまずいらしい。
まずは、お姉さん方を連れてフィットチーネさん宅に向かい、挨拶がてらここから領主様に先触れを出してもらう。
うちの店からだと、そういうのに詳しい者が現在残っていない。
大概お姉さん方の一人はここに詰めていたのだけれど、今は俺と一緒に行動をしているので、ここは最低限しかそういう寝技までこなせる人材は残っていない。
まあ、実務と言って、王都との酒の取引や、今は工務店の要素の方が強くなってしまって風呂工事専門の業者に近いが、それをこなすことだけ考えると非常に優秀だとは思うが、今の俺に関しては正直優先度というか重要度が下がってしまっている。
フィットチーネさんにもしばらく挨拶もしてなかったこともあり、店よりもこっちを優先していた。
あとで、あっちのフォローもしないとまずいだろうが、果たして俺は無事に朝を迎えることはできるのだろうか。
先触れはモリブデン領主様からの返事をもって帰って来た。
俺も忙しいだろうからすぐにでも会う、とのありがたい心配りまでいただいていた。
フィットチーネさんに馬車まで借りて、そのまま領主館に向かう。
そこで、訪問の挨拶と、宰相の件の報告を領主様にしていく。
すでに7日前にここを宰相一行が通過しているのだから、そのあたりは宰相から聞いている筈だが、そこは大人の対応というか、俺の口から報告することが大事だ。
何せここは俺の敵ではない。
派閥には属していないことになっているらしいが、味方ですらあると俺は考えていた。
で、報告が進むうちに少しおかしな感覚にとらわれていく。
領主様と俺とで話が合わない。
ここは慌てずに、ゆっくりと齟齬をきたすのはどこかと探していくと、あの宰相やりやがった。
領主様にも俺の領地や、周りのことを話してはいるようだが、相当盛っている。
何が問題ないだよ。
俺の領地も含め、あの辺りには問題しかないだろう。
俺は領主様に、宰相が嘘をついているとは言わなかったが、「実際領地を預かるものとそれを管理するものとで、受け取り方が違うのでしょうね」とだけ話して、実際の状況を説明していくと、領主様も「やっぱりか。気の毒とは思うが、俺には何もできない。俺からは頑張れとしかいえないかな」と非常にありがたいお言葉までいただいた。
普通の感覚ではそうなるよな。
まあ、ここの領主様も俺とそれほど感覚がずれていないことが分かっただけ成果があった。
こことシーボーギウムとの間での船の航路維持に協力してくれるとも約束していただいた。
航路で繋がり、頻繁に船が行き来するだけでも十分に俺には助かる。
俺はお礼と持ってきた石鹸に、今回は黒板セットまで渡して、説明してから別れた。
領主様は黒板セットの使い方をあまり理解してなかったので、さっさとここを離れて王都に向かった。
もし、あの場で黒板の有用性を理解していたのなら、その場で大量発注を貰っただろうが、正直今の俺のところでは対応が難しい。
少なくとも宰相の件だけでも手が離れないと無理だ。
お姉さん方にはエルフの冒険者たちを護衛に付け、暁さん達も今回フィットチーネさんの伝手を使い確保できたので、護衛を任せて俺はナーシャ達だけを連れて王都に急いだ。
先行して王都に入り、伯爵様とも相談しておきたかったのだ。
アイテムボックス通信を使い王都には既にそのあたりを伝えてあるので、すぐに面会のアポだけは取ってもらえるだろう。
しかし、思い返すだけでも腹が立ってくる。
なんで忙しい俺はここまでしないといけないんだよ。
もし、俺が暇ならば協力することもやぶさかでない。
仕事として受けても良いくらいだが、俺にあのめちゃくちゃな領地を押し付けておいてさらにはないだろう。
確かに俺がやりすぎたようだが、それでもお隣は自滅だったよな。
いや、俺のところも前の領主は明らかに自滅だよ。
確かに疫病がとどめを刺したけど、疫病が流行らなければ……ないな。
あそこまで領民を弱らせていれば、簡単な風邪だって十分に蔓延していただろうし、そもそも生産性だって格段に落ちていたのだから、そんなことくらい報告から気づけよ。
バトラーさんから聞いたけど、領地から王都に散々緊急報告していたらしいじゃないか。
多分だけど、お隣もさらにそのお隣も同様に領民に近いところからは悲鳴が上がっていただろうな。
俺の横で嬉しそうに魔物を狩っているサーシャの笑顔だけが唯一の癒しかな。
でも明日には王都に到着しているし、そうなるとサーシャもまた悲しそうな顔をしそうだな。
ダーナは大人だけあって、そのあたり割り切っているだろうが、彼女だって寂しく感じているかもしれないし、そろそろ女性たちの数をどうにかしないといけないのかもしれない。
そんなことを考えながら、気が付くとあの丘に来ていた。




