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私ができること。


 ドヤ顔をしてると、ニッカちゃんが恐る恐るキレそうなクレスに声をかける。


「あの、はぐれ従族でなければこの子は討伐対象にはならないのですか?」


「そうだ」


「なら、私この子を自分の従族として契約したいです!」


「「「「はぁ?」」」」


 異口同音の素っ頓狂な声が森に響いた。確かに私は狐くんを守りたいとは思ったけど、まさかこんなのって……。


「あり?」


「……はぐれ従族は、討伐しかした事がないから分からない」


 まぁ、契約前の人間が稀にしか現れないはぐれ従族と出会ってしかも契約をしたいなんて言う事なんてそれこそ宝くじで一等を当てる確率よりも低い気がする。


「ニッカお姉ちゃんこの子従族にするの! すごいね!」


「この子が良ければですが……どうでしょうか? 私のパートナーになってくれませんか?」


『うん! ニッカならいいよ!』


「はい、契約成立しました。おめでとうございます!」


「勝手に仕切るな」


「ちっ、上手くいくと思ったのに」


 軽く舌打ちをしたらはたかれた。暴力はんた~い!


「……とりあえず、マサと陛下に聞いてみよう。契約が本当に出来るなら神族とも相談しないといけないだろうし」


「やったー!」


 なんか自分の事のように嬉しい。それはそうだよね。殺されるはずだった従族を一匹助けたんだから!


「そういう事なら、石をとって戻るぞ」


「あいあいさ~!」


 その後、シオル石を手に入れた私はドームの前でクレスとニッカちゃん。そして狐くんと別れた。このままマサさんの所に行くらしい。


 クレスが狐くんを斬らないかって心配だったけど、ニッカちゃんもいるから大丈夫でしょ。

「それじゃ、リースくんも行こうか」


「……うん」


「大丈夫きっと仲直り出来るよ!」


「うん!」


 私とダリアとオパール。そしてリースくんはリースくんのお友達の元に向かった。


 まだ夕方だし、仲直りするなら早い方がいいもんね! 


 けど、


「……え? 引っ越した?」


「そうだよ。リースくん知らなかったのかい?」


「知らない」


 まさかのリースくんのお友達が今日、他の町に引っ越してしまったらしい。しかも既に出てから半日経っているとか。


「なんで……なんで教えてくれなかったの?」


 悲痛なリースくんの声に私は胸を押さえる。


 私はリースくんのお友達と会った事はない。けど、ここまで必死にリースくんが仲直りしたいと思った子だ。とても仲が良かったのだろう。


きっとお友達は何度も言おうとしたと思う。けど、その子もリースくんと同じくらいリースくんの事が大切で、離れるのが辛くて言い出せなかったんだ。


だから、きっと最後の最後に喧嘩をしてしまったことをお友達も悔やんでるに決まってる。


「せっかくこの石で仲直りしようと思ってたのに……。なんで、なんで!」


 ぼろぼろと涙を零すリースくんを抱きしめた。このままじゃきっとリースくんもリースくんのお友達も後悔する。ずっとずっと心に大きな傷を抱えていくことになってしまう。


「そんなこと、絶対にさせない!」


 なら、私に出来る事は。リースくんにしてあげれることは……!


「ぎゃう~!」


「……そうだね。リースくん! まだ諦めるのは早いよ」


「え?」


 私は肩に乗ったオパールを見て笑顔で言った。


「私が運んであげる!」

 


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