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緊急事態発生


「うお!」


 誰かと思ったら、受付嬢の人だった。なんか忍者みたいな登場の仕方だったんだけど! すごい!


「クレス様、緊急事態です」


「なんだいきなり」


 さっきのテレ顔を一瞬で消し、無表情になったクレスは受付嬢に続きを促すと彼女は申し訳なさそうに重い口を開いた。


「実は……結界が破られました」


「……被害は」


「ありません。しかし、結界内に上級モンスターが侵入。ただいま捜索状態です」


 受付嬢の言葉に、嫌な緊張感を感じて背筋が伸びる。上級モンスターっていうのがどういうのか分からないけど、ラット以上に危険なものっていうのはすぐに分かった。


「お前は他の冒険者に伝えろ。討伐は僕が行く」


「かしこまりました」


「クレス」


「僕はモンスターを討伐にしにいく。お前たちは――」


 刹那、木が大きく軋む音が近くで響く。なにか大きなものが無理矢理木に乗ったような。そんな音だ。緩んでいた空気が一気に張り詰める。びりびりとした緊張感を放っているクレスにつられて、全身の筋肉が強張っているのが嫌でも分かる。


「お前ら、僕の後ろに回れ」


 有無も言わさない声に、私たちはクレスの背後に隠れた。視線の先には何も見えない。けど、みし、みしっと何かが確実に近づいてくる音が聞こえる。


「これ、やばいんじゃ……」


 どう考えたってお荷物三人後ろに抱えながら上級モンスターの相手なんてやりずらいに決まっている。


「逃げた方が良いのは分かってるんだけど……」


 まさかのモンスターが来る方向が入り口っていう嬉しくない状態。これじゃどうやっても足手まといになるという選択肢しかない。


――みし、みし。


「ああもう、ごめんね荷物になって! 頼んだクレス!」


「マサと約束したからな。お前はついでに守ってやる」


「一言多い!」


 叫んだ瞬間、モンスターが木の陰から顔を出した。



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