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仲直りの方法

「えっと~、リースくんの部屋は……ここか」


 ご丁寧にドアプレートが掛かってたからすぐに分かった。少しでもこっちの世界の言葉を勉強しといてよかったわ。


「リースくん。カヤだよ。ちょっとお話いいかな?」


 そっとドアを叩くけど反応なし。う~ん困った。子供のなぐさめ方なんて分からないからな。


 どうしようかと迷っていると、オパールが扉をカリカリと引っ掻き始め。


「ぎゃう~ぎゃ~」


 と心配そうな声で鳴き始めた。そうだよね。オパールにとってリースくんはとても大切な友達。しかも何かあったか知ってる。それなら余計心配になるよね。


――ガチャ。


 オパールの声に反応したのか、扉がゆっくりと開いた。隙間から顔を覗かしたのは、顔を真っ赤にしたリース君。頬に拭いきれてない涙のあとがあるのは気のせいじゃないだろう。


 私はリースくんの目線までしゃがむと、笑顔で口を開く。


「リースくん。私もリースくんが心配なんだ。少しでもいいから、なにがあったか私たちに話してくれないかな? もしかしたら力になれるかもしれない」


「……あのね」


「うん」


 リースくんがゆっくりと話してくれた。


 友達と喧嘩をしてしまったこと。


 謝りたい。けど、意地を張ってしまって素直に謝れないこと。


 どうすれば、仲直り出来るか分からない、と。


「おう、思ったよりも重い内容だった」


 けど、子供の頃ってしょっちゅう喧嘩してた気がするわ。


 絶交! って言いながらも、なんだかんだで次の日には仲良くなってたり。けど、こじれちゃうとこれがまた面倒だったりしたな。


 リースくんの場合、そのめんどくさいに発展しちゃったのか。これは困った。


「なにかきっかけでもあればいいんだけどな……」


 なにかきっかけきっかけ。


「きゅ~」


「ん? どうしたのオパール」


 つんつんとオパールが私の服を突っついていた。こんな所になにかあったかな……。


「あ」


 そう言えば、アルバさんのお土産のアロマろうそく入れてたな。いい匂いだから、オパールも気になったのかな。


「そうだ! プレゼントだ!」


「え?」


「リースくん。プレゼントをきっかけに謝ればいいんだよ!」


 そうだその手があった。さすがオパールさえてる!


 プレゼントを口実に会って、その勢いで謝る。古典的だけど、ベストな謝罪方法じゃん。私も友達のお気に入りの玩具を壊した時に使ったわ。


 友達めちゃくちゃ怒ってたからなけなしのお小遣いで高級菓子買ったな。懐かしい。


「その子が好きなものってないの?」


「……勇者マサが好き」


「お~マサさん」


 まさかの子供にも人気とは、流石勇者と呼ばれてるだけあるね。


 けど私、マサさんの武勇伝知らないんだよね。知ってるのは、私と同じ転移者ってことと、怪力の持ち主ってこと。あと、クレスがパーティーにいたって事くらいかな。


「マサさん関連商品とか売ってないのかな」


 ほら、元の世界のアニメグッズとかアイドルグッズみたいに、なにかグッズ化されてると選びやすいんだけどな。


 けど、この数日、色んな店を回ったけどそれらしきものを置いてある場所はなかったな。


「……直接聞くか」


「え! カヤお姉ちゃん、勇者マサと知り合いなの?」


「えっへんそうなのさ!」


『顔見知り程度だけどな――ふが!』


 思わずダリアの口塞いじゃったけど、リースくんには聞こえてないんだった。ふがふがとあたる鼻息が気持ちいからしばらくこのままにしてたい気もするけど。


「とりあえず、お城に行けばマサさんいるかな」


 今は王様直属って言ってたし、きっといる筈!


「よし、明日はお城に行ってみよう!」


「ぎゃう~」


「ええ! お城⁉」


 素っ頓狂な声を上げてるリースくんには悪いけど、そこしかマサさんの居場所を探る手立てがないのさ。


 そうだ。ついでにレオさんをもふもふさせてもらおっと。



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