住所の先
リースくんを連れてお城に行くと、なんかいつの間にか顔パスになってたらしくて、すんなり中に入れてくれた。私、そんなすごいことしてない筈なのに。何故じゃ?
ちなみにリースくんは初めてのお城なのか、滅茶苦茶緊張してた。まぁ、普通はそうなるよね。
「おお! カヤか!」
『数日振りだな』
「王様! レオさぁぁん!」
王様に挨拶そこそこレオさんに飛び込む。うっは~。やはりもふもふ最高ですな~。
『あ! カヤまた浮気したな!』
「このもふもふには浮気もしたくなる……」
『この! 裏切り者!』
「ダリアも一緒にもふってやる~」
『ちょっ! この……くそ、気持ちいい』
『はっはっは、猫も儂の毛並みの良さが分かったか』
『く、くそぉ!』
そんな事をやってると、ぽんぽんと肩を叩かれた。今いい所なのにと振り返ると、笑顔の王様がいました。
なんか、少し怖いぞ。
「レオに触るのも良いが、我に用があったのではないのか?」
「はっ! そうだった。王様! マサさんどこいるか知らないですか?」
「マサ? マサなら今日は非番だぞ」
「なんてこった!」
まさかのお休み! それは想定してなかったよ!
「マサになにか用があったのか?」
「実は――」
私は昨日あったことを王様に話したら、
「そういうことならこの黄金のダンベルなどはどうだ! 友人と一緒に筋トレできるぞ!」
って、笑顔で真っ金金のダンベルを出して来てくれた。
私は聞いたぞ、それが置かれる時に床がミシっといったのを。
「いや間に合ってます」
「……そんな、真顔で言わなくても」
なんか王様しょげちゃった。部屋の隅でのの字書き始めたんだけど。
め、めんどくさい……。
「え、え~と、あ~。ありがとうございます王様! センスありありですねこのダンべ……ぐっ! も、持ちあがらない、だと……!!」
「そうだろそうだろ。この前新しくしたばかりの新品でな。重さが40キロあるんだ! 持ち応えあるだろ」
ありすぎじゃおら! と心の中でつっこむが残念ながらダンベルにも王様にも私の思いは届かず。
つ、つらい。
「とりあえず、マサさんの自宅を教えてもらえませんか? マサさんにも意見聞きたいので」
「おう、いいぞ!」
そう言って教えてもらった住所に(ちなみに、ダンベルはどうやっても持ち上がらないのでご丁寧に王様に返却した)リースくんの案内をもらいながら着いた私は目を丸くしてしまった。
「ここって……」
『昨日のおさげ女がいた所じゃんか』
「ぎゃう?」
「カヤお姉ちゃんここ知ってるの?」
「昨日丁度来たんだよね」
けどここって、ニッカちゃんのお店だよね?
昨日来たんだ間違えようがない。だけど住所はここで間違いないって……どういうことだ?




