リース君の異変
その後、ニッカちゃんとは色々話してからお店を後にした。
ちなみに、アルバさんのお土産はニッカちゃんに教えてもらった雑貨屋でみつけた、アロマろうそくにした。この世界って電気ないから夜は赤の魔法か、火が光源だからね。とてもいい匂いだったし、アルバさん気に入ってくれるといいな。
「ただいまです!」
「カヤちゃん。丁度良かった、夕食が出来た所だよ。食堂に来てね」
「やった! そしたら部屋にお土産置いてから行きます」
「分かったわ。先に行ってるわね」
「は~い!」
お昼はニッカちゃんの料理で夜はリラさんの料理。
美味しい料理を連日食べれて私は幸せ者だな~。
「ダリア。もふもふしながら食べてもいい?」
『今日の俺様は機嫌が良いからな。いいぞ思う存分もふれ』
「やったー!」
はぁ~もう極楽。豪勢すぎる夕食だぜ。
先に味見もふもふとダリアを撫ででていると。
――バン!
「うお!」
大きな音がして、入り口の扉が開く。
そんな乱暴に開いたら扉壊れちゃうじゃないと思いながら、後ろを振り向いた私は犯人を見て目を見開いた。
「リースくん?」
「……」
「きゅ~」
そこにいたのは、顔を伏せたリースくんと困惑した表情を浮かべたオパールだった。普段のリースくんはこんな乱暴な事はしない。なのに今日に限ってなんで……。
「どうしたの? リースくん」
「……」
「あ! ちょっと!」
リースくんは無言のまま、階段を駆け上がって行ってしまった。なにが起きたのか、さっぱり分からない。
「きゅ~きゅ~」
「オパール。なにがあったの?」
「ぎゃう~きゅ~」
困った顔で、私の服を引っ張るオパール。方向はもちろんリースくんの消えた方だ。
きっと、なにかあったのだろう。そして、オパールがそれを私に解決して欲しいと助けを求めてる。
それにここを通る時、リースくん泣いてたように見えた。あのしっかりした子が泣くってことは、そうとうな事があったのだろう。これはどうやってもほっとける案件ではない!
「ここで動かなければ女が廃る!」
『いや、廃らないだろ』
「ツッコミき~んし!」
ツンツンとダリアの眉間を指で押したら甘噛みされた。お! お! ざらざらの舌があたって意外に気持ちいいぞ!
「とりあえず、れっつご~リースくんの部屋!」
「ぎゃ~う!」
『めんどいな……』
「はいはい、ネガティブ発言禁止」
ダリアを抱え直しながら私は階段を上がっていく。
リースくんたちが住んでいるのはこの下宿所の最上階。従業員以外立ち入り禁止の看板が立ってるんだけど、今は緊急事態だし許してくれ。




