決意
「こちらのせいで危険なクエストを受けさせてしまった詫びをせぬとな」
そう言って王様が私にお詫びと言ってくれたもの。それは薄い金のプレートで出来た通行許可証だった。
「それがあれば同盟国である、ヤーヴァス、ラエア、リウ、列島連合はどこも検問無しで通過する事ができる」
「え! そんな凄いもの貰ってもいいんですか!」
「預言に詠まれているとはいえ、竜族を連れている時点でどちらにせよ面倒ごとには巻き込まれるだろう。それは早期解決に役立つかもしれないアイテムとして使ってくれ」
なんか色々と嬉しくない単語が散りばめられていたような気がするけど、通行許可証が便利アイテムであることは変わりないし、ありがたく貰っておこう。
「そなたの竜族が他の竜族と違うのはこれで証明されたが、それでも竜族への恐れは消えない。それをどうしていくかは、カヤ自身が決めることだ」
「……私は無理に広めていくつもりはありません。オパールが良い竜族っていうのが分かってるのは、関わっている人だけが知ってればいいと思ってます。けど、竜族だからということで変にこそこそするのはやめようと思います」
今回みたいに、誤解が生まれたってオパールが他の竜族と違うっていうのはわかってくれるから。
「私は必要があれば、いつでもオパールに乗って空を飛びます」
「そうか。ならその誤解が少しでも生まれないよう、伝達を民に出してやろう」
「おお! ありがとうございます!」
王様やっさしい!
……隣にいるマサさんが微妙な顔してるのと、なんか王様がニヤニヤしているように見えるのがかなり気になるけど、突っ込まないでおこう。
「そなたたちも疲れただろう。今日明日休んでから戻るといい」
「あ、けどアルバさん……」
「アルバにならさっき連絡した」
その声と共に王室に入ってきたのはクレス。
俊足で近付いて、ミーアちゃんを腕に収めるのをぬかりなくやった私は天才。
「ありがと~クレス~! きゃ~やっさし~」
「その気持ち悪い声やめろ。あとミーを返せ」
「せっかく褒めたのに……。ミーアちゃんは返さん。火山なんて毛並みが荒れちゃう所に行ったから、ダリアとオパールと共に私がブラッシングする」
『ま、まぁ、レディは身だしなみは大事だからね。あなたのお手前を拝見しようじゃない』
「残念。ミーアちゃんは乗り気だぜ」
地味にショックを受けているクレスを見て、私は腹を抱えながら笑ってしまった。
今までは色々とバタバタしてて、村から出るなんて考えてもこなかった。けど、私が今いるのは見たことのない景色が広がる異世界だ。危険があったとしても少しくらい満喫するのは悪くないと思う。
「王様~ライオンくんもブラッシングさせてくださーい! あわよくば、そのモフモフに身を埋めて眠りたい!」
「おお、いいぞいいぞ。レンは人と触れ合うのが好きだからな。思う存分構ってやってくれ」
「やったー! あとあと、マサさんの従族も見たいです!」
「良いぜ。そしたら今度家に来るといい。娘にも会わせてやるよ」
「さらにやったー!」
こうやって、色んな出会いを重ねるのも楽しいしね!
「よ~し! 王都観光満喫するぜ!」




