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とんでもない事実

「うわぁぁぁぁぁぁぁああああああ!」


「いやっほ~」


「ぎゃう~」


 え~、私、狭山リポーターは、ただいまエスイルの上空です。


 真夜中に差し掛かっていることもあり、紺色の空には銀の星が一面中に広がってますね。よく、宝石をちりばめたようなみたいな物語の例えを聞きますが、まさしく言葉通りの夜空が広がってますね。


 風は冷たいですが、身を切る様な感じではないのでダリアとミーアちゃんを抱いてれば全く問題ないです。


 強いて言うと、後ろで叫んでいる奴がうるさいですね~。もう二時間も空中散歩を楽しんでいるのでそろそろ慣れて欲しいですね。ミーアちゃんを見習えや。


 以上、空中からの中継でした~。


「お、私実はリポーターに向いてるんじゃない?」


 我ながら良い感じにリポートできたと思うんだけど、どうだろ? どうだろ?


 この世界にテレビがないのが惜しまれる位の上手さだったよね!


 もしあったら、絶対にテレビリポーターを稼ぎ候補に入れてたわ。


『なにさっきからぶつぶつ言ってるんだ?』


「いや~将来の道は色々あってもいいなって」


『なんだそれ?』


「まだか! まだ着かないのか!」


 後ろは無視して、ダリアの背中に手を置く。うん。毛の中に手を突っ込んだままにしとくと、風になびいた毛先が肌を優しく撫でてこれはこれでありだな。


「オパール~。気持ちい?」


「ぎゃ~う~!」


「そっかそっか」


「僕の話も少しは聞け! うお!」


 オパールが少し上昇しただけでバランス崩して落ちそうになってたので、慌てて首根っこを引っ掴んで引き上げる。


 いくらムカつく相手だって死んだら困るし、そんなことになったら王様が速攻私たちを殺しそうだしね。


「そういえばさ、なんであんなに王様と仲良いの?」


「なんだ⁉」


「だからさ! なんでそんなに王様と仲いいの!」


「なんでって、アルから聞いてないのか?」


 びっくりしたような声が返ってきて、へ? と間抜けな声が出た。


 なに? 実は凄い人だったりするの?


「僕は、マサの組んでたパーティーの一員だ」


 カポーンと口が開いてしまった。


 人って驚きのパロメーターがぶっ壊れる程、驚くと声が出なくなるっていうけど、本当だった。


 風のせいもあって乾いてしまった口を潤す為に何度か生唾を飲み込んだ後……恐る恐る口を開く。


「……マジ?」


「なんだその言葉」


「本当って聞いたの」


「本当もなにも、エスイルなら知らない者はいないぞ」


 目が飛び出すかと思った。


 つまり、私の後ろにいるのはアルバさんの幼馴染兼同居人のおっちょこちょいだけじゃくて。


 勇者と言われたマサさんの勇敢な仲間たちの一人。俗にいう勇者御一行様ってことなの!


「なんてこった!」


 思わず頭を抱える。


 つまり、会社に例えると私はムカつく同期だと思って話してた人が、実は幹部でしたって状態なのか!


 私って現在進行形でとんでもない事をしてるんじゃない?


「えっと、あっと……。すみません。クレス殿。度々の失礼な態度お許しくださいませ」


 恐る恐る言いながら後ろを振り向くと、呆れた表情とご対面。しかも大きなため息というおまけ付き。


 ちょっとイラっとしたから、ぷるぷると震えながら私の服を掴んでる手を払ってあげようかと思ったのは内緒ね。


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