依頼内容
「私、今日初めて村を出た殻付き初心者なんだけど」
ぴよぴよと親について歩くしか能のない子だぞ~。そんなぴよこに期待されても困るよ~。
「竜族連れてる奴がなに言ってる」
「え~」
そこは多目にみてよ。もう。
「確かに穢れを連れてきたとはいえ、転移者である事は変わりない。なので、強い仲間をつけてやろう」
「おお!」
流石王様わかってらっしゃる! やっぱりクエストには仲間だよね。皆でモンスター倒したり、強敵に立ち向かったりするのが醍醐味だよね!
どんな人をつけてくれるんだろうと期待の眼差しで王様を見つめてたら、彼はすっと指差した。
その指の先を目で追って……あんぐりしたのは指名された人もだった。
「助っ人として、クレスをつけてやろう」
「「はぁ⁉」」
二人同時に声を上げる。なに言ってるんだこの人は!
「クレスと一緒になんて嫌だ!」
「僕だってお断りだこんな嫌味女」
「嫌味女とはなによ! 忘れ物常習犯!」
「失敬な。ライセンスの方がどこかに行くんだ。僕は悪くない」
「それはあんたの管理能力が低いせいでしょ!」
クレスのことを睨みつけていると、溜息が前方から聞こえてきた。
「従族も従族なら、主人も主人だな」
「だってこいつが!」
「ミーはともかく、僕まで巻き込まないでください」
「なんのことやら」
王様はどこ吹く風みたいな表情を浮かべていた。
いや、どちらかと言うとにやにやしている。
「クレスもこのクエストを受ける気だったんだろ? なら、丁度いいだろ」
「こんなぴーちくしか言わないうるさいお荷物なんていりません。クエストの邪魔にしかならない」
「ぴーちくって言ったな! ならお望み通りぴーちく言ってやる! ぴーちくぴーちく!」
「ならそのままうるさく鳴いてろ。そしてたら、自分のヒナと誤認したモンスターに飼ってもらえるかもしれないぞ」
「モンスターはもふもふじゃないからいや!」
「なら今すぐその煩い口を閉じろ」
「そなたたちが互いにどう思っていようが、これは命令だ。拒否はさせん。カヤ、そなたの場合このクエストを蹴ったらどうなるか……クレスから聞いてるだろ」
「……」
そうだ。ここで私が断ったら、オパールは殺されて、私とダリアは死ぬまで牢屋だった。それは絶対に嫌だ!
「……分かりました! 分かりましたよ! その代わり、オパールに頼んで空から行きますからね」
「早ければ早いほど助かるからな。許可しよう」
「よし!」
思わずガッツポーズ。これで狭苦しい場所からオパールを開放できる。
オパールはなんだかんだで寂しがり屋だから、早く抱きしめてよしよししてあげたい。
「クレスは同行とカヤの監視を命じる。カヤを手伝い、もしも謀反の動きをした場合は……」
王様の眼差しが鋭く、言葉が段違いに重くなる。
確認しなくても分かる。場合によっては私たちを殺すようクレスに無言で命令したんだ。
「……ご命令、確かに拝借しました」
クレスが再び膝を折り、頭を垂れる。その姿に一切の反論もない。なんか、一枚の絵を見てるみたい。
それがクレスっていうのがやっぱりムカつくけど。
「では、二人共準備せよ。刻限は明日の夕刻までだ!」
「「はい!」」
さてと、オパールのため、私のもふもふライフ維持の為に頑張りますか!




