第37章 ~回復の手触り~
深い水から浮かび上がるように、ゆっくりと目を覚ました。
黒ずんだ木の天井がそこにあり、青い光の筋が隙間を静かに脈打っていた。誰かが俺に毛布をかけてくれていた——布は乾いた薬草の匂いがした。ラベンダーか、あるいはアルテアが調合した何かだ。頭は枕に沈み込み、二度とそこから出たくないかのようだった。
動こうとした。筋肉が抗議の声を上げた。
「安静に」
レナの声だった。ゆっくりと首を向けると、彼女は寝台のそばの椅子に座っていた。ただの椅子じゃない——ヴェラスがここ数日で彫った、幅広の肘掛けと傾いた背もたれの低い安楽椅子だ。彼女は脚を組んで腰掛け、星鉄の刃を膝に置き、耳を注意深く立てていた。黄色い目が俺を見つめる表情は、すぐには判読できなかった。怒りじゃない。心配でもない。もっと静かな何かだ。
「どのくらい……?」
「何時間も。あの襲撃からずっと」
「守護者たちは?」
「哨戒してる。第二波は来なかった」
「他の皆は?」
「生きてる。ゴルンは腕に切り傷。リュサンドラは足首を捻った。アルテアは大丈夫。ヴァエリスは眠ってる」
「お前は?」
彼女はためらった。
「大丈夫」
「そうは見えない」
「あんたが第三階層で気絶した。私が一人であんたを階段で運んだんだ」
「重かったか?」
「重さの問題じゃない」彼女は目を逸らした。「顔は真っ青で、呼んでも応えなかった。アルテアは、あんたのマナがほとんどゼロだって」
「回復した」
「あんた、死にかけたんだ、シン」
その言葉が俺たちのあいだに漂った。ここ数日、死の可能性を何度も冗談にしてきて、笑い話ですらなくなっていた。でもレナの口から、この静かな部屋で、朝の光が窓から差し込むなかで聞くと、違って響いた。もっと現実的に。
力を込めて上体を起こした。身体は痛んだが、耐えられる痛みだった——まだ生きていることを思い出させてくれる種類の痛み。
「守護者を起動させる必要があった。あと一パーセントだったんだ」
「一パーセントにあんたの命の価値はない」
「塔にはあった。お前たちにはあった」
「違う」彼女は身を乗り出し、耳を低く伏せた。「あんたはわかってない。もしあんたが死んでも、塔は続く。守護者たちも。私たちも。でも……」
「でも?」
「同じじゃなくなる」
その後に訪れた沈黙は、これまでのどんな沈黙とも違っていた。戦いの前夜の戦術的な沈黙でもなければ、スープの夜の心地よい沈黙でもない。それは雷の前の空気のように張り詰めた沈黙だった。彼女が言おうとしていることが俺にはわかっていた。彼女も、俺がわかっていることをわかっていた。そして、どちらも動けなかった。
「レナ」
彼女は答えなかった。
「俺は死なない」
「そんな約束はできない」
「できない。でも、どうでもいいみたいに身を投げ出したりしないと約束はできる。俺は、大切なのか?」
彼女の耳が半センチ上がった。
「大切に決まってる」
「知ってるのと、聞くのは違う」
レナの顔は俺の顔からほんの数十センチの距離にあった。朝の光が彼女の髪に銀の線を描き、左目の下の傷跡——最初の夜から気づいていたあの小さな印——がかつてなくはっきりと見えた。彼女の黄色い目が俺の目を捉え、その中に今まで見たことのない何かがあった。怒りでも、不信でも、生き延びることへの疲れでもない。
怖さだった。俺を失うことへの怖さ。
「あんたは大切だ」と彼女はついに言った。「そうあるべきじゃないくらいに」
「どうして?」
「あんたが管理者だから」
「それだけじゃないな」
「違う」
「じゃあ何だ?」
彼女は深く息を吸った。空気は震えながら入り、整えられて出ていった。
「あんたが私を入れてくれたからだ。最初の夜。私は傷だらけで、泥に汚れて、武器を持ってた。あんたは扉を開けた。それから塔を開けた。それから……他のものも」
「どんなものを?」
「ずっと長いあいだ、私が閉ざしていたものを」
俺の手は考えるより先に動いた。彼女の手の甲に触れた——ここ数日、一瞬だけ俺の手を握った、その同じ手。肌は温かく、戦いの胼胝があっても柔らかく、甲の細かな毛が触れただけで逆立った。
「俺もだ。お前は、この塔が住まいになると思わせてくれた最初の人間だ。隠れ家じゃなくて。住まい」
彼女は手を引かなかった。
「あんたは馬鹿だ」
「大切な馬鹿か?」
「大切な馬鹿」
彼女を見つめ続けた。太陽が中庭に昇り、リンゴの樹の光が窓から差し込んで石の壁に影を描いていた。外では、ゴルンの遠い槌音、セラの織機、遊ぶ子供たちの声。塔は生きていた。そして俺たち二人は、この部屋で、かつてなく生きていた。
俺は身を乗り出した。
レナは退かなかった。
口づけは短かった。ただ唇が触れただけ——俺の唇は消耗で乾いてひび割れ、彼女の唇は温かく、かすかに緊張していた。それが正しいのかどうか、確かめかねているかのように。二秒か、たぶん三秒。それから俺たちは離れた。
彼女は半分は衝撃、半分はもっと深い何かの表情で俺を見た。
「今のって……」
「口づけだ」
「そんなことくらいわかってる」耳は完全に立ち上がり、尾の先は今まで見たこともない速さで細かく揺れていた。「どうしてあんなことを?」
「したかったから。お前がここにいたから。死にかけて、物事を先延ばしにするのもまた死に方の一つだって気づいたからだ」
「哲学してる」
「回復中なんだ。大目に見てくれ」
彼女は黙った。それからゆっくりと、もう一度彼女の手が俺のに触れた——今度は指を絡めて。
「もしもう一度それをするなら、死にかけたからじゃなくて、したいからにして」
「したい」
「なら……いい」
「『いい』だけか?」
「今のところは」
俺は笑った。彼女は笑い返さなかったが、尾は左へ揺れた。俺が学んだ暗号。満足。たぶん幸せ。たぶん両方同時に。
そうしてしばらく、手を絡め合い、朝の光が塔の上に満ちていくのを感じていた。外では守護者たちが哨戒していた。ヴォラズは退いた。境界はまだ脆かった。でもその瞬間、この石造りの小さな部屋の中では、そんなことは何ひとつ問題じゃなかった。
ただ二人の人間がいた。そして一つの始まり。
アルテアがバイタルを確認するために扉をノックしたとき、彼女は俺たちが寝台に並んで座り、まだ手を繋いでいるのを見つけた。治療師は片眉を上げ、明らかに笑みを堪えた。
「ようやく」と彼女は呟いた。
「ようやく、何が?」とレナは耳の先をほんのり赤くして訊いた。
「何でもない」アルテアは俺の横に跪き、指先で俺の額に触れた。杖が診断用の青白い光で輝く。「マナが戻ってきてる。あんた、生きるわよ」
「よかった。計画があるからな」
「計画?」とレナが俺を見た。
「街だ。塔だ。まだ探索していない、向こうの世界全体。それと、お前たち」
彼女は目を回したが、俺の手を離さなかった。




