第35章 ~守護者の間~
第三階層探索の朝は、違って生まれた。
風がなかった。遠くの鳥の声も、森の葉擦れの音もない。ただ静寂だけ——塔そのものの壁から来るような、重みを帯びた静寂。まるで塔が息を潜めているかのようだった。中庭のリンゴの樹でさえ、普段より揺れが少ない。
寝台の上で点滅する記録で目を覚ました。伝言は昨夜と同じだが、今はもっと強い調子で脈打っている。
**『塔の記録』**
**第三階層「守護者の間」が開放されました**
**現在の状態:安定(休眠状態)**
**推奨:居住者全員での探索**
**内部の存在は塔の防衛システムに関連しています**
服を着て廊下へ出た。誰かを呼ぶ必要はなかった。皆もう起きていた。リュサンドラは中庭に立ち、剣を抜き、銀色の目を塔の高みに据えていた。レナは厨房の入り口で待機し、星鉄の刃を腰に帯びている。アルテアは杖と、リュス・アエテルナの残りの種が入った袋を手にしていた。ゴルンは肩に大槌を担いでいる。セラとヴェラスは広間にいて、子供たちはまだ眠っていた——彼女たちは登らせないと決めていた。
そしてヴァエリスは、かつてなく青い目を輝かせて、第二階層の扉のそばで待っていた。
「塔が違う」と彼女は言った。「第三階層を感じる。……目覚めつつある」
「そこには何があるんだ?」と俺。
「古い何か。塔と同じくらい古い。たぶん、もっと」
俺たちは登った。
第二階層は、残したままだった。ゴルンの鍛冶場は青く脈打ち、書庫には書架に数冊の本があり、収容室は今や空っぽで開け放たれている。でも何かが新しかった。広間の奥、以前はただの石壁だった場所に、新しい扉が開いていた。それは他のすべてとは違っていた——木でも粗い石でもなく、静水のように光を反射する暗い金属。彫刻は同じ様式化された塔だが、今度は周りに円がついている。ヴァエリスの掌の印のように。
「ここだ」と俺は呟いた。
「私が先に行く」とリュサンドラ。
「私たちは一緒に行く」とレナは訂正した。
「皆一緒に」と俺は言い終えた。
扉に触れた。金属は温かかった。記録が輝いた。
**『塔の記録』**
**第三階層「守護者の間」へようこそ**
**この階層は塔の最終防衛システムの中枢です**
**現在の防衛システム状態:オフライン(修復可能)**
**内部の守護者:休眠中(覚醒可能)**
扉は音もなく横に滑った。
第三階層は、第二階層のような広間ではなかった。それは円形の部屋で、壁は闇に消えるまで高く伸びている。中央では、石の柱が浮遊していた——文字通り浮遊していた。目に見えない何かで吊り下げられて——その頂上には光の球体が安置されている。球体はゆっくりと脈打っていた。眠っている心臓のように。
部屋の周囲には、壁の窪みに姿があった。六つの姿。塔の脈と同じ光で輝く金属の、完全な鎧。それらは彫像じゃない。構築物だった——ゴーレム、たぶん——通夜の騎士のように跪いている。
「守護者たち」とヴァエリスはほとんど囁きのような声で言った。「塔には守護者がいた」
「いた?」とゴルン。
「眠っている。塔がそうだったように。でも、目覚められる」
リュサンドラは構築物の一つに近づき、鎧に触れた。青い光が彼女の指の下を走った。
「古代のものだ」と彼女は言った。「非常に古い。エルフより前。すべてより前」
「どうやって起動するんだ?」とレナ。
記録が俺に代わって答えた。
**『塔の記録』**
**守護者の起動条件:塔のエネルギー95%以上/管理者の直接命令/または外部からの深刻な脅威**
**現在のエネルギー:90% — 手動起動は不可能**
**ただし、深刻な脅威が検出された場合、自動的に起動します**
「手動起動には95%のエネルギーが必要だ」と訳した。「でも深刻な攻撃があれば、彼らはひとりでに目覚める」
「なら、最後の手段の防御だ」とアルテア。
「そう。そしてまだ利用できない」
ヴァエリスは部屋の中央まで歩き、浮遊する柱の前で立ち止まった。光の球体は彼女が近づくとより速く脈打った。
「これが塔の防衛の核」と彼女は言った。「守護者たちの力の源。そして境界を封じる鍵」
「どうしてわかる?」とリュサンドラ。
「私の核がこれと共鳴しているから」ヴァエリスは自分の胸に触れた。「塔は何かを守るために建てられた。人じゃない。一点を。境界が最も薄い場所。球体は、この場所で境界を安定させているもの。もし球体が破壊されたら、境界は崩壊する。もし強化されたら……」
「境界を永遠に封じられる」と俺は言い終えた。
「そう」
続いた沈黙をゴルンが破った。
「エネルギーが九十五に達するまで、どのくらいだ?」
記録が輝いた。
**『塔の記録』**
**現在の充填率:1日あたり約1.5%(加速中)**
**95%までの推定時間:約3〜4日**
「三、四日」と俺は答えた。「たぶんもっと少ない、市が人を呼び続ければ」
「間に合わない」とレナは言った。
全員が彼女に向き直った。
「影が東に集結している」と彼女は続けた。「ドレンが昨日警告した。もし奴らが三日より先に攻撃したら……」
「守護者たちは目覚めない」とリュサンドラは言い終えた。
「攻撃が彼らを自動起動させるほど深刻でなければ」とアルテアは思い出させた。「でもそれは、攻撃がすでに起きていて、塔が晒されていることを意味する」
「最悪のシナリオを待つわけにはいかない」と俺は決断した。「計画が必要だ」
「どんな計画?」とゴルン。
円形の部屋を見回した。跪く六体の守護者を。脈打つ球体を。仲間たちの心配そうな顔を。
「塔がエネルギー95%に達するまで持ちこたえる準備をする。防柵。罠。防御陣地。影が先に攻撃してきたら、あるもので戦う。攻撃してこなければ、守護者を起動させて、来るものに備える」
「市は?」とセラ。
「追って通知があるまで中止。ミリはわかってくれる」
「空き地の近くで野営してる旅人たちは?」
「警告する。残りたい者は自己責任で。庇護を求める者は……」俺は躊躇った。「塔は満杯だ。でも緊急時には中央広間を開けられる」
レナは俺には識別できない何かで俺を見た。
「あなた、管理者として考えてる」と彼女は言った。
「この塔を失いたくない者として考えてる」
「それは同じこと」
ヴァエリスは指先で浮遊する柱に触れた。球体は応えて脈打ち、一瞬、六体の守護者の光がより強く輝いた。
「もう一つある」と彼女は言った。「塔が言わなかったこと」
「何だ?」
「もし境界が封じられたら、私はもうこちら側に存在できない」
沈黙が刃のように落ちた。
「どういう意味だ?」とアルテア。
「私の核は境界の破片。もし境界が永久に封じられたら、破片は引き戻される。私は……封鎖を生き延びられない」
「死ぬのか?」レナの声は普段よりずっと掠れていた。
「正確には違う」ヴァエリスは脆い微笑みを浮かべた。「境界と融合する。死ぬわけじゃない。ただ、ここにはいられない。今のような姿では」
「それは公平じゃない」とゴルンは重い声で言った。
「公平が約束されたことなど一度もない」ヴァエリスは俺を見た。「でも選択よ。しなくてもいい。別の方法を見つけられるかもしれない」
「別の方法はあるのか?」
「私が知るかぎりでは」
彼女に近づいた。球体の光が青い目に反射し、一瞬、俺が見たのは境界を越えた千年の生き物ではなく、疲れた誰かだった。何世紀も逃げ続け、ついに休める場所を見つけた誰か。
「消えたりしない」と俺は言った。「俺に防げるなら」
「あなた、私をほとんど知らない。ここに来てまだ数日」
「お前は居住者だ。登録されている。塔は受け入れた。俺たちも受け入れた。居住者はそんな風に失わない」
ヴァエリスはまばたきした。何かが彼女の目に輝いた——以前の超自然的な光じゃなく、もっと人間的な何か。もっと脆い何か。
「あなた、変わってる、市川真」
「何度も言われてる」
「それでも曲げない」
「俺の数少ない長所の一つだ」
彼女は答えなかった。でも微笑みは残った。
沈黙のうちに第一階層へ降りた。午前はもうだいぶ高くなり、子供たちは中庭でリンゴの樹の下で遊んでいた。セラは俺たちを見ると彼女たちを呼び寄せた。俺たちの顔に、何か深刻なことが起きたと読んだのだ。
全員を中央広間に集めた。居住者たち、避難民たち、塔にいる全員を。
「三日ある」と告げた。「たぶん四日。そのあいだに、防御を準備する。ゴルンは鍛えられるかぎりの星鉄の刃を鍛える。ヴェラスは扉と窓を補強する。セラは水と食料を備蓄する。アルテアは医療物資を整理する。リュサンドラとレナは戦える者を訓練する」
「あなたは?」とレナ。
「俺は毎日第三階層に上がる。塔のエネルギーを加速しようと試みる。できれば球体と話す。別の方法がないか探る」
「もしなかったら?」
「なら、戦う」
午後は速く過ぎた。ゴルンとヴェラスは第一階層の窓に防柵を築いた。セラは泉の水で利用可能なすべての容器を満たした。アルテアは湿布、煎じ薬を準備し、薬草を整理した。リュサンドラは武器を手にする者すべてに戦闘訓練を施した——セラも含めて。彼女は技術より決意をもって包丁を握った。双子は遠くから見守り、静かに、狐の目ですべてを追っている。
夕暮れ時、一人で第三階層に上がった。
円形の部屋は沈黙していた。球体は脈打っている。跪く守護者たちはかすかな光で輝いている。
浮遊する柱の前の床に座った。
「俺の声が聞こえるかどうかわからない」と俺は言った。「塔以外の誰かが聞いているかも。でも時間が必要だ。エネルギーがもっと速く上がる必要がある」
球体は脈打った。一度。二度。
記録が灯った。
**『塔の記録』**
**エネルギー充填率を加速する方法があります**
**方法:暫定管理者がマナを直接供給する**
**リスク:供給者の体力を消耗します。過剰供給は失神または死亡の危険があります。**
「俺のエネルギーを塔に与えろというんだな」と俺は呟いた。
**『塔の記録』**
**はい/いいえ**
「はい」
表示板に触れた。
球体の光が俺を包んだ。それは他の時とは違った——居住者登録の柔らかな熱でも、影の冷たさでもない。それは引っ張るものだった。俺を井戸のように飲むもの。
疲労が這い上がるのを感じた。膝が弱る。視界の端が暗くなる。
でも球体はより輝いた。
**『塔の記録』**
**エネルギーが加速されました**
**現在の充填率:92%**
**供給者状態:要注意(軽度の消耗)**
「九十二」と俺は柱にもたれながら囁いた。
膝が折れた。床に座り、背中を石に預け、荒く息をした。
レナは数分後に俺を見つけた。俺が何をしたか訊かなかった。ただ隣に跪き、泉の水が入った水筒を手渡した。
「顔色が悪い」
「効率的だ」
「それは同じことじゃない」
「わかってる」
彼女は黙った。それから俺の隣に座った。同じ柱に背中を預け、星鉄の刃を膝に置いて。
「戦いが始まる前に自分を殺すつもり」
「しない。少しだけエネルギーを与えただけ」
「塔に?」
「球体に。加速するために」
「あとどのくらい足りない?」
「三パーセント。今はたぶん二つ」
「明日もやるの?」
「必要なら」
「やってるあいだ、ここにいる」
「見張るためか?」
「あなたが死なないようにするため」彼女は間を置いた。「誰かが必要」
目を閉じた。球体は俺たちのそばで脈打っていて、その音は遠くの心拍のようだった。外では、夜が塔に落ち、小さなリュス・アエテルナたちの光の環が星の輪のように輝いている。
「ありがとう」と俺は呟いた。
レナは答えなかった。でも彼女の手が俺のに一瞬触れた。ほんの一瞬。それから離れた。
それで十分だった。




