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追放先は辺境の廃塔でした   作者: 星海凡夫


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第119章 〜光の園〜


ルミナが生まれてから数ヶ月が過ぎ、塔はまた新たな日常を刻んでいた。第四階層の庭園は今や「光の園」と呼ばれるようになり、銀葉樹の下ではいつも青い光が瞬いていた。ルミナはそこを自分の家のようにして育ち、時には浮かび、時には這い、時には母親の核の中で眠った。


「普通の子より成長が早いのか、遅いのか、わからないな」と俺は庭園でヴァエリスと並んで座りながら言った。


「どちらでもないよ。この子はこの子の時間を生きてる。人間の尺度では測れないの」


「便利なような、不便なような」


「うん。でも私はこの子の時間に合わせる。それが母親ってものでしょ」


ルミナは庭園の花々のあいだをふわりと浮遊しながら、黄金の葉を一枚摘まんでは離し、また別の花のそばに漂っていった。その動きは魚のようでもあり、風船のようでもあった。ヒカリとカイとテオは、この不思議な妹をすっかり気に入り、毎日のように庭園に通っては一緒に遊んでいた。光の子はまだ言葉を話せなかったが、笑顔と光の瞬きで十分に気持ちを伝えることができた。


「五人目、か」と、ある朝、レナが居間でつぶやいた。


「五人目だな」


「私は最初に来て、最初に産んだ。それが私の誇りだ」


「誰もそれを奪わない」


「知ってる」彼女はヒカリの頭を撫でながら、わずかに微笑んだ。「でも、たまには確認したくなるんだ」


塔の生活は、子供たちを中心に回るようになっていた。朝はアルテアとマリスが子供たちの健康をチェックし、午前中はリサンドラとシルフィーが庭で身体を動かす遊びを教え、午後はライラが図書館で読み書きを教え始めた。まだ三歳と四歳の子供たちだったが、ライラの教え方は辛抱強く、ヒカリはすでに自分の名前を書けるようになり、カイはルーン文字に興味を示し始めていた。


「カイはもしかすると、次の記録者になるかもしれません」とライラは真剣な顔で言った。


「あの子が?」


「ええ。水の精の感受性と、マナへの親和性。それに、じっと観察する忍耐力。記録者に必要な要素をすべて持っています」


「まだ四歳だぞ」


「教育は早いに越したことはありません」


ミリは相変わらず市場を取り仕切り、村の人口が増えるにつれて交易所の規模も拡大していた。自由都市からの移住者はさらに増え、今では村の外れに新しい居住区ができ始めていた。


「そろそろ村の名前を正式に決めるべきだ」と、ある夕方、ミリが帳簿を閉じながら言った。「外の人たちは好き勝手に呼んでる。『塔の村』『リンゴ村』『再生町』。統一しないと、地図にも載せられない」


「名前か」


「そう。あなたが決めていいのよ。あなたはこの塔の主なんだから」


「主じゃない。暫定管理者だ」


「まだそんなことを言ってるの」彼女は呆れたように笑い、帳簿を小脇に抱えて立ち上がった。「でも、名前はいつか決めなきゃ。子供たちが大きくなったとき、自分たちの故郷を何と呼ぶのか、必要になる」


「考えておく」


「期待してる」


その夜、俺はリサンドラと共に中庭を歩いていた。守護者たちが巡回し、リンゴの木が銀色に輝き、光り草の防護帯が静かに瞬いていた。


「村の名前を考えているんだが」と俺は切り出した。


「そうか」


「何か案はあるか」


彼女はしばらく考え込み、それから口を開いた。


「『始まりの村』。ここはすべてが始まった場所だから。お前が来て、私が来て、皆が集まり、子供たちが生まれた。始まりにふさわしい名前だ」


「詩的なんだな」


「詩じゃない。事実だ」彼女は微かに口元を緩めた。「でも、悪くないだろう」


「悪くない。すごくいい」


彼女はうなずき、再び巡回の列に戻っていった。背中が月明かりに照らされて、いつもより少しだけ輝いて見えた。


その週の終わりに、俺は広場に皆を集め、村の名前を発表した。


「『始まりの村』。異論がある者は?」


誰も異論を唱えなかった。ゴルンが「悪くない」と唸り、セラが「素敵な名前だ」と微笑み、双子が「はじまり、はじまり!」と歌い出した。こうして、塔の麓の小さな集落は正式に「始まりの村」と名付けられた。


その夜、俺は久しぶりに一人で屋上に立ち、村の灯りを眺めていた。以前は数えるほどだった灯りが、今では両手でも足りないほどに増えていた。その一つひとつに、誰かの生活があり、誰かの家族があり、誰かの未来があった。


「またここにいた」と声がした。シルフィーだ。彼女は翼をたたみ、隣に立った。「一人になりたかった?」


「いや、来てくれて嬉しい」


「そう」彼女は翼をそっと俺の肩に掛け、灯りを見下ろした。「村、大きくなったね」


「ああ。三年前は何もなかった」


「でも今は、こんなに。全部、あなたが始めたことだ」


「俺だけじゃない。皆がいたからだ」


「うん。でも、その皆を集めたのはあなた」彼女は俺の手を握った。「私もその一人。集められて、ここに留まった。それが今では、私の人生そのものになった。ありがとう」


「礼を言われるようなことはしてない」


「してる。あなたが思うより、ずっと」彼女は翼をすぼめ、月明かりの下で静かに微笑んだ。


月が高く昇り、村の灯りが一つ、また一つと消えていった。明日はまた新しい日。子供たちは少しずつ成長し、新しい命の約束もまた果たされるだろう。でも今夜は、この静かな夜のなかで、ただ隣に立っているだけで十分だった。

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