第118章 〜最初の光〜
冬が来る前に、ルミナは生まれた。
その夜、塔の第四階層の庭園はかつてないほど輝いていた。銀葉樹の黄金の葉が一斉に光を放ち、光る花々が青く瞬き、壁のマナの流れが激しく脈打っていた。庭園全体が一つの鼓動で満たされ、それはヴァエリスの核のリズムと完全に同期していた。
俺は彼女のそばに座り、その手を握っていた。アルテアが診断杖を手に控え、ライラが記録のための羊皮紙を広げ、マリスが水の精の古い祝福の歌を口ずさんでいた。他の者たちは階下で待っていたが、その気配は庭園まで届いていた。
「来る」とヴァエリスが囁いた。「この子が出たがってる」
彼女の核が一際強く輝き、庭園全体が青い光に包まれた。そして次の瞬間、核から小さな光の塊がゆっくりと分離し、空中に浮かび上がった。それは最初、形を持たない純粋な光だったが、やがてゆっくりと人の形を取り始めた。小さな手、小さな足、丸い頭。そして最後に、二つの青い目が開かれた。
「ルミナ」とヴァエリスは震える声で呼びかけた。
光の子はゆっくりと瞬きをし、それから母親の声に導かれるように、ふわりと彼女の胸の中に降りてきた。ヴァエリスは両手でその小さな光の体を抱きしめ、涙をこぼした。光の涙が、ルミナの頬に落ちて、かすかに輝いた。
「生まれた」とアルテアが静かに言った。「光の子が」
ライラは羊皮紙にペンを走らせながら、自分も涙をぬぐっていた。マリスは祝福の歌を最後まで歌い終え、そっとヴァエリスの肩に手を置いた。
俺はルミナの小さな手にそっと指を触れた。それは温かくも冷たくもなく、光そのものの感触だった。ルミナは俺の指を握り返し、その青い目でじっと俺を見つめた。
「私の子」とヴァエリスは言った。「私たちの子」
「ああ。私たちの子だ」
夜が明けると、塔の全員がルミナを見に庭園を訪れた。ヒカリは「光ってる!」と歓声を上げ、カイは静かにルミナの手を握り、テオは「どうやって触るの?」と首をかしげた。ルミナは浮遊しながら、子供たち一人ひとりの顔をじっと見つめ、それから微笑んだ。言葉はまだなかったが、その笑顔はすべてを語っていた。
レナは腕を組み、無言でヴァエリスの肩を叩いた。リサンドラは遠くからうなずき、シルフィーは翼を震わせて喜びを表現し、ミリは「また一人、帳簿に登録が必要ね」と言いながらも目を潤ませていた。カエレンは涙を拭き、ゴルンは「光る子のために何を作ればいいんだ」と早くも玩具の構想を練り始めていた。
「四人目だ」とマリスが言った。「これで四人の子供たちが、この塔で生まれた」
「光の子を含めれば、五人目だ」とアルテアが微笑んだ。
その夜、俺はヴァエリスとルミナと共に庭園で過ごした。銀葉樹が穏やかに輝き、光る花々が静かに瞬いていた。ルミナはヴァエリスの胸の中で眠り、その小さな体が規則正しく光を放っていた。
「名前の意味、覚えてるか」と俺は尋ねた。
「『最初の光』。この塔で生まれる最初の精霊の子。でも、本当の意味はもう一つあるの」
「なんだ」
「私にとっての最初の光。封鎖室で何世紀も暗闇にいた私を、最初に照らしてくれた光。それはあなただった。だからこの子の名前には、あなたへの感謝も込められている」
俺は彼女の肩を抱き寄せ、ルミナの小さな光を見つめた。冬が近づき、外の風は冷たくなっていたが、庭園の中はいつも春のように暖かかった。新しい命がまた一つ、この塔に灯った。静かで、しかし確かな光だった。




