転生聖女、王都での食べ歩き
「マリス、今日は何食べるか決めた?」
「オススメAコースにする。」
2年生に進級し、午前授業を終えた私達は食堂にいた。
マリスと友達になり少なくない時間が流れたため、最初は私が格上の令嬢と緊張していたマリスも心を開くようになった。
「午後の授業は…応急処置だったかしら?…めんどくさい…。」
「ハルノス様、本音が漏れております。」
「だって応急処置って言っても…。」
「ハルノス様には必要ではありませんが、念のためです。」
「…そうだね。」
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「よし、授業はここまでだ!」
「ニコル、コータス、行くわよ!」
「ハ、ハルノス様、お待ちくださいっ。」
今日は待ちに待った「王都での食べ歩き許可」の日だ。
父上に頼み込んでもぎ取った食べ歩き許可。
二学年にしてようやく王都を見て回れるのだ。心が踊らない筈はない。
コータスとニコル、コータスの従者であるノルン、4人で王都に繰り出した。
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「美味し~!」
思わず口から出た言葉に屋台のおじさんは顔を綻ばせた。
「可愛い嬢ちゃんにそう言ってもらえて嬉しいね」
「ハルノスが可愛すぎて辛い。」
「あれ、なんか串焼きに甘さが滲み出てきた…。」
「き、気のせいですよ…アハ、アハハ」
「ですよね、アハハハハ」
壊れた人形の様に笑う従者2人だったが、騒がしい王都でそれに気づく者達は居なかった。




