転生聖女、決意表明をする
「父上。もし本当に10年後に戦争が起こったら、私も参加致します。」
私がそう宣言すると、父上の顔は苦しげに歪み、兄も呆然としていた。
自分の命よりも大切な娘。自分の身を滅してでも守りたい妹。
そんな大切な存在が、戦争に行くという決断を下す。それは、自分の死亡宣告よりもダメージが大きい。…戦争を止められないかも知れぬ自分たち大人の不甲斐なさ。次代公爵のため、自分だけ前線に出られない情けなさ。
それが、2人の顔にはハッキリと写っていた。
「…ッ!?なぜ!?」
「そんなっ、ハルノス!」
---必要なこと。
---本人も旗印になり、国を守るために参加を望んでいる。
そんな事は分かっていても、心は追いつかない。
「…どうしても…出るんだね?」
「はい。」
そこで、父上は深くため息をつく。
「…分かった。ハルノスが決めた事だ。私がどれだけ言おうと考え直すことは無いのだろう。ただ、辛くなったらいつでも辞めていい。ハルノスは、ハルノスだ。幾ら聖女だの何だの言われても、まだ7歳の女の子だ。…せめて、学園生活では…楽しい日々を送りなさい。」
「…はい、父上。」
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それから遠征は明日から続行となり、キルケーさんたち御一行はヴェルナー騎士団見習い(仮)となり、遠征についてくることになった。
「盗賊の確認されている場所は…」
盗賊が流れてきていて、冒険者だけでは厳しい場所やギルドへ退治の依頼が出せないほど田舎の方を重点的に周り、約一週間の日程だ。
都市部では騎士が配置されているため、問題ない。また、ダンジョン付近の街や素材がたくさん取れる場所では冒険者ギルドが対処可能だ。
日程を練り終わる頃にはもう寝る時間になっていた。
「ニコル、私はそろそろ寝るわ。貴方も休みなさい。お疲れ様。」
「承知致しました。ハルノス様、おやすみなさいませ。」
「おやすみなさい。」




