転生聖女、回復を急ぐ
「ハルノス様っ!こ、子供が死んじゃうっ!」
慌てた様子で女性が話しかけてきた。
「どうされたのですか?」
「それが、騎士団の方とハルノス様が魔物退治に出られた後街道沿いに突然魔物が「湧いて」来たらしいのです…警備兵の方達で何とか撃退できたのですが、近くで遊んでいた子供達が酷い怪我を…。治癒院の人手が足りずこのままでは…」
「死者が出る…か。」
「はい。」
「連れていって下さい。私も助太刀します。」
「ありがとうございます!こちらです。」
…これは…。怪我人と治癒師で溢れかえった部屋。怪我人は皆今にも死にそうだ。
ぶっつけ本番になるが、もうこれしかない。
そう決めて、私は声を張り上げる。
「治癒師の皆さん!私が「一斉に」回復魔法をかけます。怪我人以外は部屋の隅へ移動してください。」
全員が移動し終わったのを確認し、軽く深呼吸をしてからイメージを膨らませる。
回復魔法魔法は、細胞一つ一つを修復させていく感覚。ダメージを受けた内蔵や折れた骨も、時間を巻き戻すように。
「エリアヒール!」
私の言葉とともに床に魔法陣が構築され、光が強くなる。10秒ほど光り続け、魔法陣は消えた。
驚きと歓声を聞いた後、私の意識は遠ざかっていった。
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「…知らない天井だ。」
「ハルノス様、ご気分はいかがですか?」
「ん、大丈夫。ニコル、私が気を失ってからどうなったの?」
「ハルノス様の治療のお陰で、皆さん無事です。ハルノス様は3時間ほどお休みになられてました。」
「そっか…よかった…。」
「それにしても…あのような治療術は初めて見ました。皆様、怪我の部分の時間が巻き戻って行くように治りました。…あれも、異世界での前世の記憶のお陰なのでしょうか?」
「そう、ね。前世の学校の授業で習った、細胞の修繕とか、アニメで見た物をイメージしたけれど…。」
「ハルノス様は、一体どれ程の魔力がおありなのですか?全体回復魔法というのは一番重症な人に合わせて回復するため、魔力の消費が無駄に掛かると言われています。水魔法での回復も聖魔法での回復も使える人は限られていますが…。あんなに沢山の人を一斉に回復するなんて聞いた事がありません。ハルノス様が倒れられてとても心配したんですから…。」
oh......この世界では一斉回復が無かった件。
「…ごめんね。でも、あのままでは間に合うか分からなかったから…。」
「ハルノス様が無事で良かったです。」
「そうね。皆…無事でよかった。」
「ちなみに、ハルノス様は「聖女様」や「神の稚児」だと市井では噂されています。」
やりすぎた…。取り敢えずステータスで称号を確認しなきゃ。
ハルノス・ヴェルナー 女 7歳 ハーフハイエルフ
身分:公爵令嬢
HP 1200
MP 480000
神聖魔法Lv.Max 水魔法Lv.5 火魔法Lv.7 風魔法Lv.7 土魔法Lv.4 雷魔法Lv.3 (鑑定Lv.Max) (隠蔽Lv.Max)
加護 創造神の加護 世界樹の加護
称号 (転生者) シヴァのお気に入り 薙刀っ子 小さな淑女 聖女様(仮) 神の稚児
本当に追加されてらぁ…。
てか、(仮)ってなに?いつか取れるの?取れるよね?ずっと(仮)じゃないよね?
A. …。
やだ、沈黙しないで!ナナさん!?おーい!
…結局、その日はナナは反応しなかった。




