接触成功
さて。神崎夢花への接触だが、これは割りとすぐに達成できた。
作戦会議の翌日の事である。
長期になるかと懸念も少ししたのだが、これは本当に偶然の産物で接触出来たようなものだ。
それは
「本当……ご飯なんて奢っていただいて有り難う御座いました……あぁ生き返る……」
「あはは。いいよ別に。経費で落とせるし」
青い空が広がり、うららかな日差しがふりそそぎ柔らかな風が隣の少女と私の髪を靡かせる。
少女は、中学生なのに小柄で、長い長い髪をしていた。
髪色は黒と白のツートーンカラー。前髪に黒のメッシュ、白髪に毛先だけが黒と言う異様なものだった。
ぶかぶかなTシャツから見える手も足も真っ白で、不健康とさえ思える。
寝ていないのか目の下にうっすらとできた隈や、やせっぽちな体を見ると、不健康な印象はあながち間違いではないけれど。
神崎夢花。
あやかし屋の経営者兼貧乏学生である。
公園のジャングルジムのてっぺん、私達二人は並んで座って(?)居た。
相談所には今日も梔子杏子が来る筈だから、ヒョウが少し心配である。
「ご馳走さまでした!お肉なんて何年ぶりだろ。美味しかったぁ。」
牛肉丼の弁当にむかって手を合わせている隣の夢花ちゃんを微笑ましく見守り、喜んでくれたなら良かったと思った。
「梔子杏子め……あいつのせいで」
……と、先程までの無邪気で丁寧な夢花ちゃんは態度を一転させ、地の底から這い出てくるかのような低い声を出していた。
目付きも鋭くなり、まるで蛇だ。
……しかし、今とても気になることを聞いた。
「梔子、杏子?」
訝しげに聞いてみれば、知ってるんですかと聞かれた。依頼者だと答えれば、夢花ちゃんは苦々しく顔を歪めた。
「アイツ。他所様にまで迷惑を……」
人でも殺しそうな目付きをしだしたので確実に何かあったなと察し、話題を打ち切った。
……さて。エスカルゴに報告してみるか




