作戦会議
「んふふ。しかし作者。どうやってその梔子杏子を追い詰める?
……あの女、ちぃっと厄介かもよ?」
「あはは。舞ちゃんも気が付いてたか。
俺も落ちぶれたとはいえ神だからなぁ。やりようはあるさ」
にぃと勝手に弧を描く唇。
今私はかなり凶悪な笑顔をしているのだろう。
顎に手を当て、どうやって堕とすと問えば、おやおや彼奴に似てきちゃってと一人ごちたエスカルゴが同じく凶悪な顔を見せた。
あの女、梔子杏子は何処かの神に加護を受けている。これは決定事項だ。
はてさて。あんなやつに加護なんぞ与えたのは何処の神だ?
神からの加護は、早々与えてはいけないのになぁ。
くくっと喉の奥で少し笑う。
無邪気に楽しく笑っているように見えて、物騒な事を考えているのは大体はエスカルゴの標準装備だ。
本当に"作者"だった頃は普通のちょっとお馬鹿で普通イズベストな怠け者だったらしいが。
「まぁ今からやることはそう多くないさね。寧ろ暇をもて余すくらい。」
「へぇ?」
先程までの邪悪な顔は鳴りを潜め、小さな手をヒラヒラと気楽に振る。
片目を隠していても分かる安心安定の煽り体勢。
他所の神の加護付相手への対処方法はそう多くない、寧ろ暇……つまり、向さんは大したことがないと断言したと言うことだ。
「神崎夢花と接触する……これは、舞ちゃんにしてもらおうか」
「ん。オーケー。」
隣で聞いていたヒョウを肘でつつき、ちゃんと聞くように促す。
「梔子杏子への対応兼情報提供だけど。
梔子杏子が零を気に入っていたみたいだから、零君お願いできるかな」
「はい!マスターのお役にたてるのなら!」
緊張気味に、でも堂々と背筋を伸ばし答える零。
成長したなぁと感慨深く思う。
「さて。詳しい話も何もないが、君達にはあの二人の記憶へと介入して貰おうか。」
ヒョウが少し訝しげに首をかしげて、私はあぁと頷く。
まぁ、分からなくて仕方がないか。私もまさかあれが役に立つとは思わなかったけど。
先月、ノリで作った他人の夢に介入する魔道具。材料は異世界にだけ存在する夢グマの唾液、天雲の欠片、純粋な心である。
因みに二人して黒にぃの夢に介入して悪戯した。怒られた。
その後作戦会議はつつがなく終了し、私は明日から作戦に移ることになった。




