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93【勉強を教えてください!】

「単刀直入に言いますと私に勉強を教えてくださいませんか?」


私は姿勢を正してからゆっくりと要件を言う。


「なるほど。

ちなみにエレナ様の成績はどのぐらいなのですか?」


「恥ずかしながら下から十番ほどの成績なのです」


本当に恥ずかしい!

顔から火がでそうよ!

ってのは嘘、正直私には恥ずかしさは一切ない、もし私が公爵令嬢で第一皇子の婚約者でなければこのままの成績でも全く問題ないのだ。

しかし、残念なことにその立場にたってしまっている私は恥ずかしさはないが申し訳なさやこのままではヤバいという感覚はちゃんとあるのである。


「そ、そうですか。

申し訳ありません」


「いえ、いいんです。

悪いのは頭が悪い私なのですから」


本当にそんな申し訳なさそうな顔をしないでくださいな。


「あの、何故私なのでしょうか?

私の記憶が正しければマリア様もエリカ様も成績優秀な方だったと思うのですが、お2人には教えて頂かれないのですか?

それでなくてもエレナ様なら優秀な家庭教師を雇うことも出来るのではないですか?」


ロリエさんがもっともな意見を述べる。


「えっとですね。

まず、マリアとエリカなのですけど、二人とも天才型の人間でして私が何をわからないのかがわからないみたいな人達なんです。

そして、家庭教師何ですがもう既に何人かの優秀な家庭教師にお世話になったのですがどの方も私と合わなかったと言いますか結果が芳しくなかったのです。

ですが、ロリエさんは聞いた限りだと天才型ではなく努力型の人であるので私にあっているかと思いお願いしました」


「そうですか、、、。

ですが、私は他人に勉強を教えたことなどありませんし、生活費を稼ぐために下宿先のパン屋でアルバイトをしているので、ごめんなさい、その話は受けられません」


「ロリエさん、あなたにはご兄妹はいらっしゃいますか?」


これでいなかったら終わりだがちゃんとそこのところの下調べは完璧である!

マリアが!


「はい、妹と弟がいます」


「ならご兄妹に勉強を教えたことはあるでしょう?

そのようにしていただければいいのですよ。

それにちゃんとお給料も出すつもりです。

とりあえずは月収十万リンで次のテストが始まるまでと言うことでどうでしょう?」


十万リンとか安いな!

もっと出せよ、お前公爵家のご令嬢だろ?

って思ったそこのあなた!

私もそう思ってました。

全部で百万リンと提案したところマリアやロゼのこっぴどく叱られたのですよ。


「確かに弟や妹に勉強を教えていましたがその程度しか経験がないですよ。

それに勉強を教えるだけで十万リンだなんて貰いすぎです」


「逆にその程度の方がいいんですよ。

今までとは違う人を探していたのですから。

これが逆に私が今までに雇っていた家庭教師みたいに教えるのに慣れている方が不安に感じてしまいます。

そして、お金のことですが、私は十万リンでも少ないと感じています。

こちらが無理を言っているのですからもう少し出してもいいと思っていたのですがあまり多すぎるとロリエさんが変に萎縮してしまうのではないかとマリアに言われてしまいこの金額にしましたの」


「そうですか。

あの、一日考える時間をくださいませんか?

私のアルバイト先は下宿先なのでその相談をしたいですし」


「そうですね。

いきなり言ってすぐ結論を出せるわけないですものね。

気が利かなくてごめんなさい。

ちなみになんだけど貴方の下宿先兼アルバイト先は何処なのか聞いてもいいかしら?」


「いえいえ、大丈夫ですよ。

下宿先はトキワベーカリーというパン屋です」


「「まあ!」」


「ああ!」


私、マリア、エリカの三人は同時に声をあげてしまった。

何故ならそのパン屋は私が気に入りよく買いに行っているのである。


「え?

どうかされましたか?」


「いえ、大丈夫ですよ。

私もよくトキワベーカリーには行くのですよ。

もしよろしけれ明日はロリエさんの部屋でトキワベーカリーのパンを食べながらお話しましょう」


「私は大丈夫ですが、いいのですか?

あまり広い部屋ではないですし椅子も机も高価なものでは無いですよ?」


「そんなことは気にしないでいいんですよ。

こちらがお願いしてるのですから」


「はい、わかりました」


「では、明日の放課後に声をかけますね」


そうしてこの日は解散になった。

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