70【足でまとい】
「治ってる」
そう呟くとフォンセの目から涙が溢れる。
もう死ぬしか選択肢がなかった妹に少しでも希望が出来たことがとても嬉しいのだろう。
「よし!
じゃあ、準備しますか!
メイ、アノン、特上のポーションとマジックポーションを5個づつ用意して!
あとロゼに場所を聞いて私の防具と武器を持ってきて!」
「「はい、かしこまりました」」
いつの間にかロゼの後ろに控えていたメイとアノンに命令する。
「お嬢様!
自分一人で行くつもりですか!?」
ロゼが凄い顔で近づいてくる。
おー、怖い!
「うん。
どうせヴィルデにも同じこと言われると思うからその時に理由は話すね。
ロゼは、私が帰ってくるまで魔力放出障害の薬を作れる人探しといてね」
「ヴィルデさんも連れていかないのですか!?」
「うん、そのつもりだよ」
「ただいま戻りました!」
そんな話しをしているとフォンセの妹を迎えに行ったヴィルデが帰ってきた。
帰ってくるまでに三十分かかってないぐらいかな?
思いのほか早い戻りだった。
「あ、おかえり。
無事連れてこれた?」
「はい、客室に寝かせ、医者に見せております」
「ヴィルデさん!
お嬢様が一人で魔物生息地帯に入ると言っているのです!
どうか説得を手伝ってください!」
ロゼったら大声なんて出しちゃってはしたない。
「エレナ様、私では足でまといですか?」
ヴィルデが真剣な表情で私に問いかける。
「ええ、今回の件ではあなたは足でまといよ。
今回は戦いがメインじゃない以上、人数は少なければ少ないほどいいもの。
それに多分私も他の人のことを気にする余裕はないと思うしね」
「はい、わかりました」
「ヴィルデさん!」
「ロゼさん。
あなたの気持ちも痛いほどわかります。
しかし、今回の件では私を含めた誰か1人でも着いて行けばそちらの方がエレナ様の危険度が増すのです。
ご理解ください」
ヴィルデはとても悔しそうな顔をし、掌を握りしめながら言う。
「それは!
くうっ!
はい。
わかりました」
ロゼは、一瞬何か反論しようとしたようだがヴィルデの顔とヴィルデが握りしめた手から滴り落ちる血を見て反論を辞めた。
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