68【尋問】
「お嬢様!
大丈夫ですか!」
「エレナ様!」
外からは絶え間なくロゼやヴィルデの私を呼ぶ声が聞こえる。
「うん、もう終わったよ」
「それでは早く氷を溶かしてください!
中に入れないじゃないですか!」
「あ、そうだったね。
ちょっと待って」
私は慌てて氷を溶かしていく。
「お嬢様!
どこかお怪我はありませんか!?」
ある程度、氷が溶けたところでヴィルデが強引に扉を開け皆が中に入ってくる。
そして、ロゼが私の身体をまさぐり怪我がないかを確認する。
「エレナ様。
ご無事で何よりです。
賊はそこに倒れている女の子ですね。
皆さんはこの子を牢屋に連れて行ってください」
「「「はい」」」
ヴィルデの命令を聞いて騎士団の人達が暗殺者の女の子に手を伸ばそうとする。
「ちょっと待って」
私のその言葉に騎士団の人達が動きを止める。
「エレナ様。
どうかなされましたか?」
「その子、私の部下にするからね。
聞きたいことがあるから頑丈な椅子を持ってきてそこに縛って。
あと、これもしないとね。
ロゼちょっと待っててね」
私は、ロゼを引き離し、女の子に近づく。
「エレナ様、何をするつもりですか?」
「ん?
暗殺者って自殺用に口の中に毒とか仕込んでるもんでしょ?」
そう言って私は女の子の口の中に手を突っ込む。
「お、お嬢様!
そんなことは他の人がします!」
「もうちょっとだから」
そう言って女の子口の中を探すが出てこない。
「んー、出てこないね。
騎士団の人、椅子に縛ったあとでもう一度確認しといて」
「かしこまりした」
「ロゼ、部屋中を凍らせちゃったけど、家具とか大丈夫かな?」
「明日の朝にでも確認して、無理そうなものは新しいのに取り替えときますね」
「お願い」
「お嬢様、縛り終わりましたがここで尋問するのでしょうか?
それとも別の部屋に連れていきましょうか?」
「ここでいいよ。
ありがとう」
「いえ、滅相もありません」
「じゃあ、始めようか。
騎士団の人達は扉に2名、窓に2名おいて、他の人はリリの所に援軍に行って。新たに暗殺者が来た時にリリが狙われる可能性もあるからね」
「わかりました」
そう言って騎士団の人達は行動を開始する。
「ヴィルデとロゼは私の隣にいて、でも私がなにか聞く時以外話さないでね」
「かしこまりました」
「了解しました」
「じゃあ、始めるよ」
パチン!
私は大きく振りかぶり女の子にビンタをする。
「うっ!」
女の子はあまりの痛さに目を覚まし声を上げる。
「起きましたか。
それでは質問しますね」
女の子は何も反応せず私の目をじっと見つめる。
「じゃあ一つ目、あなたの名前は?」
女の子は、何も答えず周りを観察している。
この子、この状況でも逃げる隙を伺っているな。
毒のことを含めても自殺する気は全くないようだし、何か生きて帰るのに必死って感じに見える。
さて、こういう場面ってなかったかな?
私は、記憶にある、アニメや漫画の今と似たような場面を思い出す。
すると1つの事が思い浮かんだ。
「妹」
ビクッ!
女の子の身体が僅かに、だが確実にビクついた。
ビンゴ!
漫画ではこういう子って家族のために頑張ってお金を貯めているか家族が人質に取られていることが多いんだよね。
妹って言ったのは単なる山勘だから当たっててよかったぁ。
「なぜ!」
「ん?」
「知ってる!」
「いやぁ〜適当に言ったけど当たってたんだー」
「くっ!」
私がわざとらしく言うと女の子は悔しそうな声を上げる。
「これで妹のためってことが判明したよね。
じゃあ、その妹さんが人質に取られてこういった行為に及んでいるか、妹が病気でそのための資金集めのための二択だけど私は、後者だと踏んでいるよ。
あなたぐらいの実力があれば人質に取られていても救出するぐらい出来ると思うし」
私は、女の子の反応を見ながら話していく。
「ここまで私にバレているんだから大人しく全て話した方がいいと思うよ。
妹が病気ならあなたはあまりその妹から離れることは出来ない。
ということはこの街の宿に泊まっている確率が高い。
私が本気で探せばすぐに見つかると思うよ。
何せ私は公爵家のご令嬢だよ」
私は脅しに入る。
「くっ!
わかった」
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