犬と狼編 3rd-contact
かなり間が空いてしまいました。
申し訳ない…。
3rd-contact
君とまた
風邪をひいてから2日─あの事件から3日後、やっとのことで風邪が治り、今は病院の前に立っていた。
身だしなみをきちんと整えて、ここまでする必要は無いだろうけど。
海堂くんに教えて貰った病室の階へと向かう。
元気にしてくれているかな。
……怖くなってきちゃった。
でも今更引き下がれない。
部屋の番号は5-Dだ。
5-D、5-D………あった、ここだ。
場所は部屋の右奥だそうだ。
教えて貰った場所に行くとそこだけ、カーテンが閉まっていた。
そっとカーテンを開けて中を覗くと、彼女は退屈そうにしていた。
「小堀さん」
こちらを向くと、途端に表情が明るくなった。
「りっくん……!」
✲✲✲
海堂さんが来てから2日、ずっと退屈だった。
あまり動くことも許されてないから、楽しみもなかった。
でも今日、来てくれた。
涙が、止まらなかった。
「こ、小堀さん?!大丈夫?まだ傷痛む?!」
少し心配をかけてしまったみたいだ。
「ううん、嬉しくて。来てくれて、ありがとう」
「いやまぁ、風邪をひいて寝込むなんてことがあったから、怒ってるものかと、思って……」
だんだんと尻すぼみになっていく彼の言葉を、私は不思議に思った。
「どうして、私が怒るの?」
「………あの日の」
「え?」
「あの日の約束、守れなかったから」
ふ、と、りっくんの顔に憂いの混じる笑みが浮かぶ。
まだ、憶えていてくれたんだ、懐かしい。
でも、だからといって、私は怒らない。
「りっくんは、昔から変わらないね。優しくて、真面目で、ちょっと抜けてて」
でも、あなたは光だった。
私にとって、大きな。
ヒカリだった。
「小堀さんも、憶えててくれたんだ」
「大好きだった人との約束、そう簡単には忘れないよ?」
こうやって、話してるだけでも、幸せな気持ちになる。
「……あの時から、思いは変わってないよ」
「小堀さん、僕」
「あの時みたいに呼んで」
「……まな…………ちゃん」
「……もう1回、お願いします」
敬語になっちゃった。
呼ばれるの、結構恥ずかしいな。
「まなちゃん。あの日からずっと、好きでした!こんな、だめだめな僕だけど、一緒に、いてくれますか?」
「…はい。宜しくお願いします」
私達/僕達の青春が、また始まった。




