犬と狼編 2nd-contact
2nd-contact
近づく2人
不安と心配で押しつぶされそうになりながら、僕は帰路に就いていた。
あの日のことを覚えてくれていた。
だが、それと同じ程に、僕は怒りを隠し切れずにいた。
「クソッ、クソッ!」
いつも吐かない暴言を吐きながら、焦りで早くなる足で、家へ帰った。
とにかく、気が気では無かった。
まともに食べ物が喉を通らなかったし、眠りにつくこともままならなかった。
結果、
「うぅ、のどがいだい……」
こうなった。
事実、僕は脆弱だ。
月に3度は体調を崩すという、とてつもない虚弱体質だ。
それが、生活習慣を崩せば、当然こうなるだろう。
お見舞いに行きたかった……。
✲✲✲
ズキズキ痛む頭と、起こった出来事の大きさに混乱しながら、目を覚ますと、そこには……!
「お、起きたか。すまねぇな、篠田じゃなくて」
りっくんとは違う人がいた。
──「そうだったんですか。だから代わりにあなたが」
「あの病弱さは異常だろ。それにあの優しさときた。あれは昔からなのか?あんた、何か知ってんだろう」
「…………」
私は話さなかった。
話したくなかった。
何故か、私はそう思ってしまった。
「ま、無理にとは言わねぇよ。あいつの家も寄ったんだが、だいぶ悔しそうだったぜ。あいつから伝言も預かってるんだが、聞くか?」
「……はい」
聞きたい。
何を伝えたかったのか。
不思議と、怖さはなかった。
「『怪我が治ったら、連絡してください。海堂くんに連絡先を預けました。僕も風邪が治ったら、お見舞いに向かいます。』だとよ。なんとまぁ色気のない」
彼からというだけで、とても嬉しかった。
泣き出しそうなくらいに、どうしようも無く。
「ありがとうございます。伝言」
「いいってことよ。今度なんかあったら、言ってくれ。まぁ俺を頼ることはないだろうがな」




