魔族とライデン
目を開けるとそこは今まで生きていた世界とは全く異なるところだった。ここに来てやっと俺は死んで異世界に来たという自覚が湧いてくる。
早速未来を見てみたいところだが、力の発動の仕方がわからない…
しかも、ここはどこだ?どこか草原らしいが、どっちの方角に迎えばいいんのか全くわからない。
こういう時のために未来を見れる力が使えると思ったのだが、力の使い方がわからないのであれば意味が無い。
とりあえず、西へ道なりに進んでみるか。なぜ西かって?気まぐれだ
どれくらい歩いていただろうか、かなり歩いたように感じる。てか、引きこもりにこの仕打ちは酷すぎる。食べるものも無い。故に力が尽きつつある。
少し休憩をしてからまた道なりに進んでいく。
目の前がくらくらしてきた。あー体力の限界だ。生まれ変わって数時間で俺はこの世界に嫌気がさしてきた。
いや、てかこのまま死んでしまうのではないかとまで思えてきた。
思った通り俺はぶっ倒れた。起き上がる気力も体力もないので、体が思うがままに寝ていると、いつしか気を失ってしまった。
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目が覚めると俺は屋内にいた。
「ここはどこだ。」
誰もいない部屋で一人こんなことを呟いた。お約束だろう?
それにしても禍々しい感じの部屋だな
どこか薄気味悪いぞここ
と、部屋を眺めていると
「お、やっと目を覚ましやがったか小僧」
なんだこいつ?人じゃないぞ?角が生えてて尻尾がある。ファンタジー系で言うところの魔族ってやつなのか?
「あ、はい。ところであなたは?」
「おいおい小僧よ、人に名を問う時は自ら名乗るべきであろう」
「確かにそうですね。すいません海斗と申します。」
「お、ライデンって言うのか。俺はミノタウロスのボロスだ。よろしく!」
あれ?俺海斗って言ったよな?
あのじいさんが言ってた名前が変わるって言うのは、自分で海斗と名乗ってもライデンって聞こえてしまうのか。
多少分かってきたぞ。
「よろしくお願いします。助けていただいたんですよね?ありがとうございます。」
「お、おう、それで小僧なんであんな所にいた?あの道をこっち側に歩いてくる人族のやつなんかいねーってのによ」
感謝を言われた時のボロスさん、少し驚いた顔してたな。
何故だろうか…
「え?そうなんですか?俺はどっちに向かえばいいのかわからなかったから西に向かって歩いてたんですよ。」
「お前、なんも知らないようだな。」
確かに何も知らないぞ。数時間前にこの世界に降りてきたんだからなー
「知らないとはなんのことですか?」
「よし説明してやろう」
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ボロスさんの説明によると、この世界には大きく分けて魔族と人族の二つに分かれるらしい。これはどこのファンタジーも同じだな。
そして、猫耳だったり人の姿形をしているが人とは違うものを亜人族と言うらしい。この亜人族は昔昔魔族と人族との間で作られた子供の子孫らしい。
人族は自分らとは見た目の違う魔族、亜人族を忌み嫌い西側へ追放したらしい。
それだけでは飽き足らず、年に何回かあるとされる洗礼の義では西側へ勇者とされる者が遣わされ、魔族の大量虐殺が行われるようだ。なんてひどい話だ。
てか、魔族ってそんな弱いのか?俺の勝手なイメージだと魔族はそれなりに強くて人を殺しまくるってイメージだが、この世界では逆のようだ。
ここまで聞いた感想なんだが、ボロスさんはなぜ俺を助けたのだろうか?
なにせ俺も人族のはずだ。そんな人族が魔族の村に向かってきてるとなれば、また虐殺されると思うに決まっている。
「話はなんとなくわかりました。ところでなぜ俺を助けたのですか?」
「なぜって、話は簡単だろ。小僧に戦える体力があるようには思えない。いくら人族とは言え死にそうなやつを放っておくのは心が痛むからな。」
魔族って心優しいのかな?それともボロスさんだけなのか?
「色々と教えて頂いてありがとうございます。お世話になりました。」
「お前これからどうするんだ?悪い事だとは思ったが小僧の持ち物確認させてもらった。だが、何も持ってないじゃないか。これからここを出たとしてどこへ行くというのだ?」
あ、確かについさっきそれで俺は困っていたんだ。せっかく助けて貰ってこんな所まで連れてきてもらったんだ。
なにか恩返しとかもしたい。ついでに少し。いやかなり色んなことを教わっても構わないよね?
「恥ずかしながら、どこも行くあてがないです…」
「がはははは!!!なら、ウチにいるといい!!出たくなったら出て構わないぞ。その代わり色々と家の事だったりはしてもらうがな!!!がっははは!!!」
いや、いきなり笑い方豪快すぎるでしょ!ってツッコミは抜きにして
「よろしいのですか!?それはとても喜ばしいです。しいては、教えていただきたいことが山ほどありまして、そちらの方もお願いしで宜しいでしょうか?」
「構わないぞ!ただ、今日はもう時間も遅い。明日起きたら色々とやることにしよう」




