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大鴉の恩返しは傍迷惑  作者: noll
紅茶編
58/84

チャシャ猫の能力


 暫くジッとしていると、並々と注がれていた紅茶がポチャンと音を立てて波紋を広げた。はて、雨であろうか。そう思い空を見上げるも、雨が降った素振りなどどこにも無かった。気のせいであろうかと首を傾げて、紅茶を覗きこめば、そこに広がったのはフリフリのエプロンドレスを身に纏った母親の姿だった。一瞬、何が起こったのか分からなくなり絶句していたが、やがて母親が追う先に白い二つの、いや二本と言った方が適切であろうか。頭に耳を生やした父親がそこにはあった。もう目の前が真っ暗になりそうで仕方が無かった。フラフラとなる身体を必死に抑え込み、ジッと紅茶を見つめる。

 ……どうやらこの紅茶。あの二匹の猫まんじゅうとだんごが見ている光景が、何かの切っ掛けでこの紅茶に映し出されているようだ。どうしてそう思ったのかというと、なぜか時々。頭の中で母の声と父の声が交互にして聞こえてくるからである。紅茶の映像だけではなく、声までくれば先ほど自分が猫に出していた命令を思い出さざるをえなかった。きっとこれも魔法なのであろう。本当に魔法とは規格外であり、非現実なものである。空想は空想で片付けたいものだが、こうも連続して不可思議な事が起きると自分の価値観が間違っているのではないかという疑心暗鬼にかられる。

 とりあえず分かった事は、この物語の主人公であるアリスが母であるということであり、舞台がロンドンということであった。森しかないこの茶会には見慣れぬ煉瓦造りの歴史と伝統ある光景が紅茶の向こう側に広がっていた。


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